ブランドの哲学やデザイナーの美学に耳を傾け、磨かれ続けるディテールに目を配ることで、メゾンの黒いレザーはより美しく、緊張感が宿り、手にする喜びをもたらしてくれる。新しい黒がどう生まれたのか。バッグや靴、小物を通して、メゾンの現在地を読み解いてみる。
FENDI
細長いラインとスクエアトウが、足元をシャープで洗練された印象へ導く。幅広いスタイルにマッチする汎用性も特徴。
ローマのコードを刻んだ
色気のあるローファー
ローマを起源とするフェンディのアイデンティティは、マリア・グラツィア・キウリを迎えた新体制で登場したレザーシューズに集約されている。端正なスクエアトウと、無駄のないシャープなフォルムが印象的なローファー。踵にあしらわれたメタルパーツ「クネオ」は、古代ローマの石柱に刻まれたラテン語の句読点から着想を得たもの。ローマ建築の均整なプロポーションにも通じる美意識を映し出し、ブランドのルーツを現代へとつなぐディテールとなっている。歴史的なモチーフを単なる装飾として扱うのではなく、現代的なデザインコードとして再解釈。ミニマルな佇まいの中に、フェンディが歩んできた歴史と、新たなクリエイションを象徴する一足に仕上がった。