「買い物は人生の道標」と語るのは、UOMOでもお馴染みのファッションディレクター、金子恵治さん。金子さんの買い物は目的があるように見えて、実は衝動買いの連鎖。「常に最愛のモノを追い求めているけど、心が揺れる衝動買いにロマンを感じ、その感動が自分の仕事の糧になっています」そんな金子さんの、5カ月にわたる衝動買いの「声」に耳を傾ければ、あらためて服の楽しさは出会いにあることに気づかされる!

レショップのバイヤー、コンセプターを経て独立。現在は複数のブランドディレクション、PR業を行うほか、青山で自身のショップ「BOUTIQUE」も営む。
5/20 Tue|Chrome Hearts シルバーブレスレット

実は隠れクロムハーツ好きです
出張最終日。ロンドンといえば、やはりデパートのリサーチは欠かせない。ロンドンのトレンドが詰まった場所だから、ファッション関連の仕事をしている人や、ファッションが好きな人は必ず通る道だろう。今回はリバティとセルフリッジズに行った。リバティは比較的王道なロンドン、セルフリッジズは前衛的なロンドンを感じる。やはりセルフリッジズは楽しい。いや、いい買い物ができたからきっとイメージがいいのだろう。
それは予期せぬクロムハーツとの出会いだった。隠れクロムハーツ好きなので、日本でもたまに原宿店に顔を出しては品定めしているのだけれど、人気がありすぎて、店頭で欲しいものを見つけるのはよほどタイミングがよくないと困難。今回、偶然クロムハーツの店を見つけ、日本より充実しているのでは?と思い立ち寄ってみた。するとやはり、予想を超えて僕好みなものがすぐに見つかった。だが22Kはさすがに高すぎて手が出ない。でも本命はシルバーのペーパーチェーンブレスレット。ペーパーチェーンブレスレットはすでに22Kを愛用しているが、ほとんどクロムハーツということがバレないので気に入っている。そもそもそのつもりで選んだものだ。そして最近シルバー熱が上がっている中、ブレスレットだけは欲しいものが見つからずにいた。ペーパーチェーンのシルバーがあったら最高なのに、といつも思っていて、ようやくロンドンのクロムハーツで出会えた。
しかしすでに散財していたので、サイズと値段を確認し、一度店を出て心を落ち着かせた。けれど、30分後には戻って買っていた。海外だったから踏ん切りがつけられた部分もある。海外での出会いはうれしいが、散財しがちなので本当に危ない。ただ、実は少し気に入らない点がある。それはあの黒い燻し加工。アンティークな風合いがどうにも好きになれなくて、クリーナーできれいさっぱり落としたい。帰国後すぐに落とそうと思ったけれど、まだできておらず…。完成したらピカピカなクロムハーツをお披露目します。