「買い物は人生の道標」と語るのは、UOMOでもお馴染みのファッションディレクター、金子恵治さん。金子さんの買い物は目的があるように見えて、実は衝動買いの連鎖。「常に最愛のモノを追い求めているけど、心が揺れる衝動買いにロマンを感じ、その感動が自分の仕事の糧になっています」そんな金子さんの、5カ月にわたる衝動買いの「声」に耳を傾ければ、あらためて服の楽しさは出会いにあることに気づかされる!

レショップのバイヤー、コンセプターを経て独立。現在は複数のブランドディレクション、PR業を行うほか、青山で自身のショップ「BOUTIQUE」も営む。
2/23 Sun|DESCENDANT シャツ

ロゴの強さに負けるな!
クラシカルなアイテムばかりを選びがちな自分でも、たまにはロゴものを着たいと思うときがある。けれど、それが自分にとって意味をもたなければただの飾りになってしまう。ディセンダントはここ数シーズン、仕事でもお世話になっているブランドだ。
僕は原宿のカルチャーを通っていない。カルチャーを通ってない人は着てはいけないブランドと思っていたから、ずっと敬遠してきた。けれど以前、広島のref.を訪れた際に勢いで購入したことがあり、何度も着ることでモノの魅力はわかっていた。あるとき、デザイナーの西山徹さんと対談をした。同い年だが、大人の男としてひと回りもふた回りも上の人間性を感じた。素直にカッコいいと思える人が生み出すディセンダントの服、そして当然そのロゴを身につける意味も深まった。ジャイアンツファンがかぶるジャイアンツキャップと同じ意味で。
さて、どう着よう? ロゴものに免疫がない自分は考えてしまった。けれど、服としてはとてもオーセンティックで悩むようなものではない。いつもどおりに気負わず着るのがいい。そこで自分らしさも生まれるだろう。ロゴの強さに負けない自分らしさを表現したい。