「買い物は人生の道標」と語るのは、UOMOでもお馴染みのファッションディレクター、金子恵治さん。金子さんの買い物は目的があるように見えて、実は衝動買いの連鎖。「常に最愛のモノを追い求めているけど、心が揺れる衝動買いにロマンを感じ、その感動が自分の仕事の糧になっています」そんな金子さんの、5カ月にわたる衝動買いの「声」に耳を傾ければ、あらためて服の楽しさは出会いにあることに気づかされる！
レショップのバイヤー、コンセプターを経て独立。現在は複数のブランドディレクション、PR業を行うほか、青山で自身のショップ「BOUTIQUE」も営む。
5/14 Wed｜Algerian COFFEE STORES オリジナルTシャツ
お土産とて、今すぐ楽しみたい
ロンドン3日目。元ロンドン在住の同行者がおすすめするコーヒーショップに案内していただいた。昔ながらの量り売りをするお店で、ムードは満点。コーヒー豆は家に帰ってからしか楽しめないから、その場ですぐに満足できるものが欲しくて買ってしまったのが、このTシャツ。スーベニア系のTシャツはかなり好きで、セレクトショップでバイヤーをしていた頃も、海外でよく仕入れていた。今回は完全に思い出のために買ってしまったが、これがハズシのキーアイテムになる日がきっと来る。’90年代によく見ていたプリントTシャツが、今ハズシのアイテムとして楽しまれているように。時代が変わればその価値は変わる。その日が来るまで、部屋着にして味出しをしていこう。帰国後にコーヒーをいただいたが、驚くほどおいしかった。けれど、どんなブレンドをしてもらったか忘れてしまったので、もう二度とこの味を嗜むことはできないかもしれない。もう一度行く理由ができた。あ、そのときに、またTシャツを購入して、お店の人にブレンドの内容をTシャツに書いてもらおう。たまに古着で出てくる、マジックで落書きが書かれたTシャツのような未来もイメージして。
