グラフペーパーが大阪に構えた新拠点
2026年4月25日(土)、大阪・北堀江に「Graphpaper OSAKA(グラフペーパー 大阪)」がオープンした。ブランド名を冠する店舗としては最大規模となるこの新拠点。気にならないわけがない! ということで、ひと足先に現地へ。
その空間は服を選ぶだけでは終わらない、グラフペーパーならではの空気が流れていた。
訪れたのはオープン前日の19時頃。日が落ち、静けさが増した街を、スマホの地図を頼りに進む。すると、ガラス越しに服が並ぶ建物がふと視界に入る。大きな看板はない。けれど、どこかで見たことのある佇まい。近づいてみると、ガラスの左下に控えめに配されたロゴ。そのさりげなさに、思わず「らしい」と感じてしまう。
中を覗くと、グラフペーパーPRの新井慶太さんと飯田修史さんが、穏やかな笑顔で迎えてくれた。
空間の中心にある“黒い彫刻”
扉を開けて中へ入ると、まず目に飛び込んでくるのは黒い構造体。1階から3階までを貫くそれは、まるで巨大な彫刻のように空間の中心に据えられている。そこから壁面が広がり、店内全体の骨格を形づくる。シンプルなのに印象に残る。まさにまさにブランドの美意識が表れた設計だ。
実はこの建物、かつては銀行だった場所。既存の躯体を生かしながら、大きく手を加えすぎないことで、建物そのものの持つスケールや質感を引き出している。
現在、1階には春夏コレクションとユニセックスアイテムが並ぶ。シーズンごとにラインナップは入れ替わり、コラボアイテムが登場すれば、その都度店頭に並ぶ。そして、このフロアは何より抜けがいい。2階へと続く吹き抜けが広がり、視線が自然と上へ抜けていく。この開放感が、空間全体に心地よいリズムをもたらしている。
また、ここはギャラリーとしての機能も持つ。新井さんいわく、「今後はファッションに限らず、さまざまな展示やイベントを行っていく予定です」とのこと。ここから何かが発信されていく——そんな気配が漂っている。
金庫室がショップに? 2階の仕掛けが面白い
どこか懐かしさを感じさせる、銀行時代の面影を残した階段を上がり、2階へ。そして視線の先に現れるのが、「Vektor shop®︎」と書かれた扉。飯田さんが「ここ、元々は金庫室なんですよ」と教えてくれた。「閉めると金庫室だとわかると思います」とのことで、普段は開けたままだという扉を、特別に閉めてもらう。すると現れたのは、重厚なダイヤル。このギミックには思わずテンションが上がった。
中には「Vektor shop®︎」のアイテムが並び、どこか“特別な部屋”のような空気が漂う。剥き出しの古い天井ダクトと、並ぶのは“今”のプロダクト。そのコントラストが絶妙に効いている。
さらに奥へ進むと、空間のトーンががらりと変わる。無機質なコンクリートから一転、ベージュの床や木の表情を生かしたインテリアが広がり、やわらかな空気に包まれる。
ここにはウィメンズアイテムが並び、加えて空間デザインやライフスタイル・オブジェを制作するデンマーク・コペンハーゲン発のデザインスタジオ「FRAMA」のショップインショップも併設。アポセカリーやプロダクトがさりげなく配置され、自然と長居したくなるような、穏やかな空間に仕上がっている。
欲しいものが揃う3階
最後は3階へ。メンズフロアが広がる。ゆとりのある空間に、アイテムがずらりと並ぶ。ベーシックアイテムはフルラインナップで展開。さらに、東京ではすでに完売してしまったコラボアイテムも揃う。この充実ぶりを一度にチェックできるのは、大阪店ならではだ。
そして見逃せないのが、大阪店限定アイテム。背面に店舗中央に佇むオベリスクをモチーフにしたビジュアルをプリントしたTシャツ(19,800円)とトラッカージャケット(49,500円)が展開されている。ただし、トラッカージャケットはオープン初日でほぼ完売。残りはごくわずか……。Tシャツも早々に売り切れそうな気配。気になるなら、早めにチェックしておきたい。Tシャツはオーバーサイズで、夏にさらっと一枚で着たくなる仕上がりだ。
“中心じゃない場所”を選んだ理由
そして個人的に気になったのが、この立地。堀江エリアといえば、大阪屈指のおしゃれスポットとして知られているが、この店はその中心から少し離れた北堀江にある。なぜここなのか。クリエイティブディレクター・南貴之さんに聞いてみると、「真ん中はなんだか恥ずかしいんですよ。グラフペーパーってそういう店じゃないと思っていて」という答え。控えめでありながら芯がある。そのスタンスが、この場所選びにも表れている。
気づけば人が集まっていた
とはいえ、オープン当日は開店前から行列ができていた。トラッカージャケットを目当てに、真っ先に3階へ向かう人の姿も見られた。“控えめ”でありながら、確実に求められている。そのバランスこそが、グラフペーパーの強さなのかもしれない。
服を買うために訪れるのもいい。けれど、この空間にふらっと遊びに行くだけなのも悪くない。大阪にまたひとつ、“わざわざ足を運びたくなる店”が増えた。
Graphpaper OSAKA
住所:大阪府大阪市西区北堀江3-6-9
交通:大阪メトロ千日前線「西長堀駅」徒歩5分、大阪メトロ長堀鶴見緑地線「西大橋駅」徒歩7分
店舗面積:約360平方メートル(約108.9坪/3フロア構成)
営業時間:12:00 - 19:00
店休日:火曜日