イタリア・トリノの老舗ファクトリーを出自とする「ピーティー トリノ(PT TORINO)」。ファクトリーで継承された技術とともに2008年にパンツ専業ブランドとして始動し、2020年にメンズクロージングの基本アイテムを取り揃えた現在の「ピーティー トリノ」が誕生した。美しく心地いいスラックスが信頼され続けるのはもちろんのこと、トータルルックで紳士の必需品というべきアイテムが豊富。アクティブな素材やタイムレスなパターン等のアップデートにも抜かりなし。そんな「ピーティー トリノ」に惚れ込む、東京の名物バイヤー5名に注目アイテムと最旬セルフスタイリングを披露してもらった。
トラッカージャケットを大人っぽく
プレーンなトラッカージャケットで大人のデニムスタイルを格上げ
川辺圭一郎/トゥモローランド バイヤー
-Jacket:STRECH DENIM TRACKER JACKET(BLUE)
「ピーティー トリノのトラッカージャケットはきれいなフォルムが特徴。そこにトゥモローランドオリジナルのデニム生地を掛け合わせた別注アイテムです。20代の頃はカルチャーが匂う無骨なトラッカージャケットを手に取りがちでしたが、今はむしろプレーンな方がかっこいいと思っています。これはボクシーなパターン、スタンダードなステッチ、程よい色落ちのデニム地と、すべてが理想的な仕上がりでクリーン。千鳥柄のスラックスに鮮やかなコットンスカーフ、コンビカラーの革靴で色遊びを楽しみつつ、ヨーロピアンな印象にまとめてみました。スラックスも私物のピーティー トリノのもので、最もゆったり穿けるモデルです。自分好みのワイドなので、ここ数年愛用しています」。
機能的セットアップを硬派に着る
アクティブな素材のアイテムを硬派な着こなしでドレスアップ
神作知希/バーニーズ ニューヨーク アシスタントバイヤー
-slacks: EPSILON(BLACK)
-jacket:SINGLE JACKET(BLACK)
「学生時代から同型のスラックスを素材違いでリピートしてきたピーティー トリノ。自分の体型にぴったりのパンツが見つかると、もう浮気はできません。このEPSILONという定番モデルは、すっきりした細身でノープリーツ。至極ミニマルなデザインと、ストレッチが効いた機能素材によってスポーティな仕上がりです。シングルジャケットも同様に機能素材なので、本来的にはカジュアルダウンしやすい。それを正統派好みの自分としてはドレスアップで着たいと思いました。光沢のあるハイゲージのニットや、上質なローファーと合わせ、オールブラックでまとめています。重くならず艶っぽくもなり過ぎない『機能素材の黒』のセットアップで、軽やかな正装をする。そんなスタイルが都会的だと思います」。
新型ワンプリーツ・スラックスで遊ぶ
信頼のブランドだからこそスポーティとクラシックの中間狙い
稲葉智大/伊勢丹新宿店 メンズ館5階 メンテーラードクロージング バイヤー
-item:CITY 1PLEATED〈NAVY〉
「定番を含めて10本以上持っているピーティー トリノですが、毎シーズン、新作が楽しみ。今季はゆるめテーパードを楽しんでいます。プリーツが深いとレトロな印象になりますが、これは浅めのワンプリーツ。程よくすっきり見せてくれる細部のアップデートが現代的です。快適な機能素材かつ上品さも十分でオン・オフ両用ですが、休日なら大いに遊ぶスタイルもアリ。ハンティングジャケットを合わせてミリタリーやワーク要素を取り入れると新鮮です。さらに化繊混のピンクのシャツでも色と素材のバランスをとり、スポーティとクラシックの中間を狙いました。品のいいスラックスを、遊び心のあるスタイルでラクに着るのが最近の気分です」。
セットアップを知的かつリラクシーに
知的&リラクシーなネイビーのセットアップスタイル
宮本雅弘/ring TOKYO バイヤー
-slacks:OMEGA〈NAVY〉
-jacket:SINGLE JACKET〈NAVY〉
「イージーウエストで、美しいシルエットを堪能できるOMEGA。お店のオープン当初からバイイングし続けている名作です。さらにピーティー トリノのオリジナルであるACTIVEシリーズの素材で、ケアの簡単さと着心地のラクさも含めて手放しがたい。ジャケットは総裏地の仕立てで十分に上品ながら、肩肘張らずに着られるアンコン仕様。この気負わないセットアップをよりリラクシーに着たいと思ったので、コットンニットのポロシャツとデザートブーツでいなたさのあるコーディネートを意識しました。オールネイビーのスタイリングによって知的さもキープしています」。
スウェパン感覚のノープリーツ・スラックス
上品なのにジャージー素材。大人のギャップが光る
入井奏流/エストネーション バイヤー
-slacks:MUNICH〈CHARCOLE GRAY〉
「クワイエット・ラグジュアリーが当たり前になった今、主張はせずとも、美しく心地よくはけるスラックスが理想的。今季デビューした別注モデルMUNICHは、まさにそんなスラックスだと思っています。長年人気だったエストネーション別注モデルの美脚シルエットを引き継ぎながら、ノープリーツで裾リブは無しにアップデート。ミニマルなパターンを追求しました。よく伸びるジャージー生地はまるでスウェット感覚の履き心地で、メランジ風の霜降りによって抜け感があるのも好み。カシミヤ素材のパーカに艶のあるコットンTと、上質なカジュアルウェアだけでスタイリングしています。柔和な色合わせも旬のムードをつくるポイント。気取らないけれど品はある…そんな休日スタイルこそ贅沢に感じます」。
PT JAPAN