2025.12.20
最終更新日:2025.12.20

【定番「吉田カバン ポーター」 vs. 新定番ブランド】スタイリスト厳選。大人が買うべき「黒トートバッグ」の定番と新定番

リモートとオフィスのハイブリットワークが主流になった今、収納力という利便性に加え、着こなしのアクセントとしても活躍してくる黒トートバッグは大人のマストアイテム。安心感のある色だからこそ素材やフォルムで遊ぶと、いつもと違った印象が楽しめる。休日バッグとしても使え、ヘビロテ確実。幅広い世代から絶大な支持を得る大定番の「ポーター」に加え、ファッションプロが「新定番」として今大人にすすめる逸品とは? スタイリストの瓜坂拓海さんにピックアップしてもらった。

定番|「ポーター タンカー」のキャリングトートバッグ

PORTERのタンカーキャリングトートバッグ
トートバッグ 縦35cm×横37cm×マチ10cm ¥85,800/ポーター(ポーター 表参道)

1983年に誕生した吉田カバンのヘリテージ、タンカー。40年以上にわたって愛されてきたシリーズが昨年、佇まいはそのままに新しく生まれ変わった。タンカーのインスピレーションとなっているのは、フライトジャケットのMA-1。特有のふっくらとしたボディを作り出すオリジナルの3層構造生地は変わらず、表地の素材が100%植物由来のバイオベースナイロンにアップデート。強くしなやかな新素材に加え、パーツもユーザビリティと見た目の美しさも改良した。長年の愛用者も、新調を一考すべきタイミングといえる。

PORTERのタンカーキャリングトートバッグ 内側

タンカーキャリングトートバッグは、A4ファイルと15inchPCが収納可能なサイズで、サイドのファスナーを開くとマチ幅が広がり大容量にも。一泊二日の出張なら、これ一つで事足りるほどでありながら、バッグ自体は軽量であることが嬉しい。そして、タンカーが長く愛され続ける理由のひとつが機能性抜群の仕様だ。フロントの大きなポケットはデザイン面でのアクセントにも。内部の側面には5つのサイドポケットを設置するほか、取り出し可能な袋も付属し、荷物を整理整頓して収納することができる。ストラップを取り付けクロスボディで、カジュアルに持つのもいい。

「シーンを選ばず、オンオフで使える万能性が最大の魅力。タンカーのトートを持つ人は街でよく見かけますが、きれいな状態のものばかり。これこそが素材、縫製ともにアイテム自体の耐久性が高く、長く愛用できる証だと思います」(瓜坂さん)。

服に合わせやすい新定番|「コム デ ギャルソン・オム」の綿ナイロングログラン 2WAY BAG

COMME des GARCONS HOMMEの綿ナイロングログラン 2WAY BAG
トートバッグ 縦39cm×横34cm×マチ19cm ¥17,600/コム デ ギャルソン・オム(コム デ ギャルソン)

万能な黒トートバッグといえど、大きくなればなるほど重たい印象になってしまうのは否めない。その点、ナイロン素材は軽やかさを演出し、温かみのある素材感の秋冬コーディネートのハズし役にもなってくれる。COMME des GARCONS HOMME(コム デ ギャルソン・オム)の2WAYショルダーバッグは、ブランドの隠れた銘品で、瓜坂さんも最近その存在を知ったそう。

厚手でハリのあるサラサラとした素材感の綿ナイロンが特長的なバッグは、内部の側面にポケットを備えたシンプルな構造。いい意味で主張しすぎないので、2個持ちスタイルの時にも最適だ。取り外しできるストラップは長さの調節も可能で、好みの持ち方が叶う。

COMME des GARCONS HOMMEの綿ナイロングログラン 2WAY BAG 内側

 「シンプルな作り、資料を入れるのにちょうどいいサイズ感、そして物自体は軽量。使い勝手が良さそうで、リアルに欲しいなと思いました。個人的にロゴの入ったものはあまり選ばないのですが、これくらいのさりげなさならポイントに。価格的にもお手頃で、買っておいて損はないのでは!」(瓜坂さん)。

上級カジュアルで魅せる新定番|「ナイスネス」のエイジドエフェクトショルダートートバッグ

NICENESSのエイジドエフェクトショルダートートバッグ
トートバッグ 縦33cm×横55cm×マチ14cm ¥69,300/ナイスネス(イーライト)

かっちりし過ぎないほうが好きという人は、NICENESS(ナイスネス)のワンランク上のキャンバストートバッグをチェック。「エイジドエフェクトショルダートートバッグ」はヘビーデューティーなつくりが玄人好みで、上級カジュアルが目指せる。

デザインは、1920〜1950年代に登場したアメリカのツールバッグが着想源。シャトル織機で織り上げられた6号と10号帆布にワッシャー加工を施した生地に、ストーンウォッシュで仕上げてヴィンテージライクなアタリを演出した。フロントに施したNのデザインでひねりを加えてアクセントに。

NICENESSのエイジドエフェクトショルダートートバッグ サイド

背面と内部にひとつずつポケットを備えたシンプルなビッグトートはラフな使い方がむしろ似合う、タフな相棒だ。

 「NICENESSは今勢いがある、押さえておきたい日本のブランド。このバッグは毎シーズン、カラーを変えてリリースされています。丁寧な縫製やエイジング加工など、随所にこだわりが感じられ、男心をくすぐられるアイテム。経年変化を楽しみながら、長く使っていきたいですね」(瓜坂さん)。

マルチユースな新定番|「モルフェ」の3WAY MEDIUM TOTE

Morphéeの3WAY MEDIUM TOTE
トートバッグ 縦32cm×横36cm×マチ14.5cm ¥33,000/モルフェ

布バッグのような気軽さと、上質なレザーバッグの品格が両立。毎日持っても飽きない黒バッグを、新定番に選出。日本発のレザーバッグブランドMorphée(モルフェ)が手掛けるレザーはとびきり軽く、しっかりと丈夫であることが魅力だ。人気アイテムの3WAY MEDIUM TOTEの本体は、約300グラム。ダブルフェイス加工により、両面表に見える一枚革仕様にすることで、驚くほどの軽さを実現させている。

柔らかな質感と丈夫さを両立するナッパレザーの特性をいかした、ジェンダーレスなデザインは、パートナーと兼用するのもおすすめ。

Morphéeの3WAY MEDIUM TOTE 開口部

開口部のマグネットをレザーで覆うなど、細部まで気の利いたデザインは使うほどに愛着が増すというもの。光沢感を携えた高品質のレザーは経年変化で味わいがまし、育てていく楽しさもある。持ち手はハンドルとショルダーが付き、手持ち、肩掛け、クロスボディをお好みで。

 「感度の高いセレクトショップで目にすることが多く、気になっていた黒バッグです。しなやかなレザーを採用し、ストラップも細めで、バックの存在によってコーディネートの印象を品よく変えられる。コンパクトにみえて、見た目以上の収納力があるのでオンオフで活躍してくれます」(瓜坂さん)。

 

スタイリスト
瓜坂拓海

1994年、島根県生まれ。森田晃嘉氏に支持したのち、2020年に独立。『UOMO』や『MEN’S NON-NO』をはじめ、ファッション誌や広告などで幅広い活躍をみせる。

ポーター 表参道 TEL:03-5464-1766
コム デ ギャルソン TEL:03-3486-7611
イーライト TEL:03-6712-7034
モルフェ https://morpheeleather.com/

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