カガミケンさんの15年モノのギルダンのTシャツ(サイズXL)
現代美術作家のカガミケンくんは、スタイリストアシスタント時代、いつも黒いTシャツ、黒いパンツに、衣装が入っているであろう黒い大きなバッグを1個か2個持ち、原宿界隈をよく歩いていた。靴はなんだったか覚えてないが、きっとヴァンズかコンバースだったのだろう。30年くらい前のことだが、その頃から彼の服装はほとんど変わっていない。このTシャツは彼が15年愛用しているというギルダンのTシャツ。サイズXL。昔はいろいろ選べるほど無地のTシャツに種類がなく、なんとなくギルダンにたどりついただけだという。だいぶ着込んだ黒はいつしか、グレーになって、首はダルダルになっていったようだ。まったく同じ色とサイズのものを13枚ほど持っていて、15年もの間、ずっとこれを着ているという。これに無印良品のデニムとヴァンズをいつも合わせる。自分のスタイルがあるということは、男の勲章のようなものだ。でも、いろいろな服がある今の時代に、なんで無印良品なのか聞いてみると「形が気に入っててさ。たまに全然ダメなシーズンもあるんだけど、いいときにまとめ買いするの。それにさ、家の近所で買えるからさ」と彼は言った。無印良品が始まった’80年。当時、ブランドが提案していた真っ黒のシンプルな服装は都会的で、グループ会社の西武のクリエイティブもめちゃくちゃカッコよく、少年時代の僕の目にも魅力的に映っていた。今も素敵だが、当時を知っていると、より魅力を感じるはずだ。ちなみに、着込んでダルダルになっているこのTシャツは、洗いたてで、すべてすごくいい匂いがしていた。彼のトレードマークともいえるボロボロのヴァンズも同じくきれいに洗われていて、下駄箱もいい匂いに包まれていた。
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