加藤忠幸さんのBROCHURE+A.Hの ワイドテーパードチノパンツ

これは、SSZとBROCHUREという二つのブランドで服を作っている加藤(忠幸)さんのフォルム。ボトムは後者のブランドのチノで、以前に加藤さんが僕とコラボレーションして作ってくれたもの。生地にはストレッチ性のあるオーガニックコットンを使用している。色はもちろんネイビーにしていただいた。加藤さんはいつもこうした、ゆったりしたシルエットのパンツを作っていて、自分で作ったモノばかりはいている。それは思い入れがあるからだろうし、慣れ親しんだこのシルエットが、自分らしさであることを、加藤さん自身も認識しているからに違いない。もう10年以上もこのフォルム。だったら少しは飽きることもあるかもしれない。でも、服っていうのは、そういうことではない。なぜなら服のフォルムがその人そのものなのだから。それがどんなにダサい人であっても、服はその人の肉体の延長だと思っている。だから慣れ親しんだ服のフォルムは自分の身体そのものだ。もし突然、いつもとは違うシルエットを受け入れることができるとしたら、それは自らそうなることを強く望んだときだろう。つまり服を脱いだときの自分こそが本当の自分なのだが、たいていの人が今、着ている服のシルエットが、自分が思い描く自分自身そのものだと思っているように感じる。だから、ワイドテーパードパンツが今の時代の主流となっている以上、これが突然変わることはないだろう。デカいシルエットは流行らないだの、細身がくるだの世間にはいろいろな意見がある。そりゃいつかは時代の流れは変わるからそういう日もくる。好みは千差万別。でも街を見ればわかるように、今、誰もがゆったりとした服を着ることに抵抗をもっていない。僕自身、もうかれこれ10年以上はほぼこの写真に近いシルエットなのだから。加藤さんはいつも、その日に会う人への敬意を込めて、相手先のブランドやゆかりのある服を必ず身につけて現れる。この日も、僕と作ったパンツで現れた。他者への敬意を忘れない。そういう意味も含めて、このパンツ姿はとても加藤さんらしいのだ。

BROCHURE+A.Hのワイドテーパードチノパンツ・その他/私物