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ラッパーのZORNが愛用する1906年ドイツ創業の歴史あるブランド、モンブラン。首からさげているのは、サフランカラーのサルトリアルレザーを使用したペンループネックレスだ。ミニサイズの万年筆「ヘリテイジ ルージュ&ノワール ベビー コレクション」が着用でき、ともに携帯すればリリックを思いついたときにサッとノートに書き込むこともできそう。万年筆は1920年代に発売されたオリジナルペン“ベビー”を現代風にアレンジした一本。持ち運びに便利で、ゴールドのペン先に手作業でモンブランの山の絵がデザインされている。ノートの上に置いてあるのは、ZORNの私物の万年筆である「マイスターシュテュック」の149。「真面目なリリックは万年筆で書く」のが、昔からの彼のスタイル。
ペンループネックレス¥32,450・万年筆「ヘリテイジ ルージュ&ノワール ベビー コレクション」¥135,300/モンブラン(モンブランお客様サポート) ロングスリーブT シャツ( 2 パック)¥7,920/CAHLUMN(CAHLUMN STORE) ピアス/私物

まだ現場仕事をしながら音楽をやっていた20代の半ば頃、初めてモンブランのボールペンを買った。芯を替えながらもう10年以上使い続けていて、今日までこのペンでたくさんのリリックを書いてきた。別に100円のペンでもいいんだけど、リリックを書くという行為を厳かなものにしてくれる気がする。当時の僕にとっては高い買い物だったけど、いい曲がたくさん書けたから十分に元は取れたと思う。
自分の事務所を構えるようになってからは、万年筆も使っている。机の上のペンスタンドに挿しておくだけで、文豪にでもなったような気がしてくる。万年筆でリリックを書いているとインクで手が汚れるけど、それがいかにも仕事をしている感があって結構好きだったりする。いちばん好きな作家の村上春樹もモンブランの万年筆で小説を書いていたらしい。このペンには、飛距離のある比喩や韻を思いつかせる力があるのかもしれない。
ボールペンと万年筆を、書きたいリリックの雰囲気に合わせて自然と使い分けるようになった。バカな曲にはボールペン。真面目な曲には万年筆。iPhoneのメモでリリックを書くこともあるし、そもそも書かずにマイクの前に立ちフリースタイルでレコーディングすることもある。けどやっぱり、リリックはノートに手書きがいちばんだと思う。トピックを絞り出すのにもがいた跡や、使い道のない言葉の切れ端。曲になって人に届くまでの誰も知らない軌跡を、自分だけはひと目で思い出せるように。
文/ZORN(ラッパー)
ZORN
葛飾区のラッパー。初めて彼と会ったとき、待ち合わせ場所の柴又駅まで想像以上に時間がかかり、僕は1時間近く遅れてしまった。彼は駅前の閉店した「タリーズコーヒー」の前でコーヒーカップを両手に持って、立って待っていてくれた。そうした彼を知っているからこそ、つい実直な人柄を求めてしまう。それはきっとファンもみな、同じだろう。
文/長谷川昭雄