海に程近い、とある街に、人気のイタリアンレストランがある。塩を振るくらいで、素材の味を引き出すシンプルな料理がとてもおいしいのだ。そう、イタリアは素材のよさを生かす国。それは料理でも、服でも。ロロ・ピアーナは、衣服の素材の世界最高峰を誇るイタリアンメゾン。地球上でおそらくいちばん上質なカシミヤやリネンといった天然素材を使用したものづくりをすることで知られている。そうしながらも、ヨットのシーンでも使える、撥水機能をもたせた服も扱っている。それらは、最高峰の素材を使いながらも永遠に着られる、シンプルで機能的で普通な服。そうしたものを自分らしく着る。それこそが僕の思う、いちばんのおしゃれ。 

文/長谷川昭雄

トラベラー・フィールド・ジャケット

ロロ・ピアーナのデザインはとことんシンプル。最高峰の素材を開発して、その魅力をどう生かすかということを突き詰めている。だから、そこに過剰なデザインはまったく必要ないのだ。こちらのトラベラー・フィールド・ジャケットは、「究極の旅の相棒」として生まれたアイコン的な一着。ウィンド・マイクロファイバー製の生地に極薄の「ストームシステム®メンブレン」で撥水加工を施している。マットな仕上げで、アウトドアブランドでは表現できないエレガントな機能性がある。胸元のポケットだけでなく、内側にもスナップボタン付きのパッチポケットがあるのが便利だ。収納式のフードは取り外すこともできる。

マイクロファイバーのトラベラー・フィールド・ジャケット¥599,500/ロロ・ピアーナ(ロロ・ピアーナ ジャパン)

ボンバー・ジャケット

このリバーシブルのボンバー・ジャケットも、マイクロファイバーとカシミヤを組み合わせた「ウィンドメイト®」という素材開発から誕生したもの。当時、ロロ・ピアーナは高品質で軽量なテクニカルファブリックの研究に取り組んでいた。それまでのマイクロファイバーは光沢があり、非常に硬いものが多く、驚くほど軽量というわけではなかったそう。そこでセールメーカーとしてスタートした日本のある企業とタッグを組み、コンパクトで密度の高い構造で作られているヨットの帆を参考に素材開発を行った。高品質なマイクロファイバーに天然繊維であるカシミヤを組み合わせることで、当時の市場には存在しない革命的な素材が完成。そんな経緯を経て出来上がったのが、セーリングでも使える機能性を誇るこのジャケット。細かなサイズ展開があり、こういう大きなサイズがあるのもロロ・ピアーナの魅力。こちらはサイズ62。

マイクロファイバーとカシミヤのリバーシブル仕様のボンバー・ジャケット¥544,500/ロロ・ピアーナ(ロロ・ピアーナ ジャパン)

サマー・ウォーク・モカシン

セーリングで使える機能性を備えた、ホワイトソールが印象的なモカシン。アッパーには最高品質のイタリア製スエードを使用しており、そこに撥水加工が施されている。天然ゴムとテクニカル素材を独自にブレンドしたソールは滑りにくく、安定性と柔軟性がありながら、ヨットの木製のデッキに足跡を残さないように設計されているのが特徴。精緻なステッチワークなどの仕上げは、職人の手仕事によって行われている。細かなこだわりにメゾンの美学を感じる一足。

撥水加工を施したスエードのサマー・ウォーク・モカシン¥172,700・コットンリネンシルクのパンツ¥187,000/ロロ・ピアーナ(ロロ・ピアーナ ジャパン)

アンドレ・シャツ

ロロ・ピアーナの定番シャツ、「アンドレ・シャツ」。このモデル名は、人生の大半をテキスタイルの世界、特にロロ・ピアーナとの仕事に費やしたスイス人アーティストで画家のアンドレ・ピオットに由来している。最初はデニム生地で作られていたのだが、高温多湿の気候に適した一枚として、柔らかく、涼しく、耐久性に優れたリネンを使ったシャツが1998年に登場した。’50年代のナポリのシャツ作りと当時の紳士たちのスタイルから着想を得ていて、肌に直接触れるとそのすごさを実感できる。いちばんの特徴は、幅広で折り返された襟。硬いバンドがなく、開けて着ても、ネクタイを締めても、ジャケットやセーターの下に着ても、美しく着こなすことができるのだ。

リネンのアンドレ・シャツ¥129,800/ロロ・ピアーナ(ロロ・ピアーナ ジャパン)

※本記事の元となったUOMO 2026年7月号掲載のページは、変更前の価格を掲載しています。