2026年、Levi's®の象徴である501®ファミリーが進化。時代を超えた定番「501® Original」に、新たに「501® Relaxed」と「501® Loose」が加わった。ヴィンテージから現行まで、Levi's®のデニムに精通する2人のファッションプロが、実際にはき比べながら、各モデルの違いと大人にとっての最適解を語り合う。
(左)松川 総/ストリートとトラディショナルなメンズクロージング双方に精通するスタイリスト。
(右)金子恵治/自身のショップ「BOUTIQUE」の運営や複数ブランドを担うファッションディレクター。
3つの「501®」を語り尽くす
金子 501®って、改めて考えると不思議な存在ですよね。流行っているとか、いないとかじゃなくて、気づくとまた穿いている。ワードローブの中で、いつも同じ場所に戻ってくる感じがある。
松川 一度は別のデニムに目移りしても、最終的に戻るのが501®。服好きにとっての「基準」みたいな存在ですよね。
金子 新しいデニムを買って、「今はこれだな」と思っても、ある日ふと「今日は501®でいいか」ってなる。その感覚は、ほかのジーンズではなかなかない。
松川 完成度が高すぎるんですよね。シルエット、ディテール、パーツの配置。どれも“正解”が最初から決まっている感じがある。

金子さん私物の501® 。長年穿き込まれたヴィンテージならではの色落ちと風合いが、デニムの経年変化の美しさを物語る。
金子 ただ、その完成度の高さが、同時に難しさでもあると思うんです。
松川 うん。501® Originalって、実は簡単じゃない。
金子 何も考えずに穿くと、途端に「普通」になってしまう。「ジャケットに501®、スニーカー、以上」だと成立しないこともある。
松川 501® Originalはごまかしがきかないデニムですよね。サイズ感、トップスとのバランス、足元。どれか一つでもズレると、急に野暮ったく見える。
金子 でも、うまくハマったときの説得力は圧倒的。だから、年齢を重ねても手放せない。
松川 穿き込んで色落ちして、自分の体になじんでいく。そのプロセスも含めて、501® Originalは完成されていると思います。
松川 そう考えると、501®って「変わらないこと」に価値があるモデルですよね。
金子 その一方で、時代は確実に変わっている。トップスのサイズ感も、靴のボリュームも。
松川 だからこそ、Originalを軸にしながら、少しだけ今に寄せたフィットが必要になってきた。
金子 501®の“顔”はそのままに、着る側の選択肢を増やす。その発想自体が、すごく501®らしいと思います。
松川 Originalが基準としてあるからこそ、RelaxedやLooseの意味もはっきりする。今回の新しい2本は、501®を否定するものじゃなくて、むしろ501®をより長く穿くための選択肢ですよね。
金子 501® Originalを知っている大人ほど、この流れは自然に受け取れると思います。

スタイリストとして数多くのデニムを扱ってきた松川さんがプライベートで選ぶのもやはり501®。その理由は「どんなスタイルにも馴染む懐の深さ」にあるという。
金子 501® Originalが“基準”として完成されているからこそ、そこからどう広げるかが見えやすい。Originalは王道のストレートで、穿き手のスタイルがそのまま出る一本。Relaxedは、その印象を変えずに、日常での穿きやすさを少し足した存在だと思います。
松川 Relaxedはきれいめ寄り、Looseはシルエットを楽しむ方向、と役割がはっきりしてきたのが今回の変化ですよね。
金子 Looseは腰位置を落として穿く前提で、太さもしっかりある。一方でRelaxedは、見た目は501®らしいまま、穿いたときの感覚だけが違う。その差の付け方がポイントだと思います。
松川 だから3つ並ぶと、「どれが正解か」じゃなくなる。今日はどんなバランスで着たいか、その気分で選べるようになった。その選択肢が、今の501®を象徴しています。
ミッドライズの股上に、太すぎず細すぎないストレートレッグ。ヒップから裾まで無駄のないラインは、どんな時代のトップスとも自然につながる。穿き込むほどに生地が身体になじみ、色落ちやシワが個性として刻まれていくのも、このモデルならではの魅力だ。完成度が高いがゆえに、合わせ方次第で表情が変わり、着る側のスタイルや経験値がそのまま表れる。501®という名にふさわしい、すべての基準となる一本。
ジーンズ¥19,800/リーバイス®(リーバイ・ストラウス ジャパン)
Originalをベースにしながら、股上と腿まわりにほどよいゆとりを加えたフィット。見た目の印象はあくまで501®らしく、シルエットの差は控えめ。しかし実際に穿くと、動きやすさや腰まわりの余裕がはっきりと体感できる。裾にかけては緩やかなテーパードがかかり、全体のバランスはより現代的。デニムらしい無骨さを残しつつ、スラックス感覚で穿けるのが特徴で、大人の日常着として取り入れやすいモデルだ。

カラーは全3色展開。501®らしいインディゴを軸に、スタイリングの幅を広げる色味をラインナップ。きれいめなトップスとも自然になじみ、日常の着こなしに取り入れやすい構成となっている。ジーンズ各¥16,500/リーバイス®(リーバイ・ストラウス ジャパン)
ヴィンテージのサイズアップした穿きこなしや、日本のストリートカルチャーから着想を得て生まれたモデル。ヒップから太もも、裾にかけてしっかりとボリュームを持たせ、腰位置を落として穿くローライズ仕様が前提となる。大胆なシルエットながら、フロントやバックポケットなどのディテールはオリジナル譲り。合わせ方次第でストリートにもクラシックにも振れる、着こなしの幅を広げてくれる存在だ。

カラーは全4色展開。濃淡の異なる表情を揃え、ルーズなシルエットを活かしながら印象の変化を楽しめるラインナップ。合わせるトップスや足元によって、ストリートにも落ち着いたスタイルにも振れるのが特徴だ。ジーンズ各¥16,500/リーバイス®(リーバイ・ストラウス ジャパン)
「501® Relaxed」はこう着る
「501® Relaxedを穿いて最初に思ったのは、『これはすごく501だな』ということでした。名前だけ聞くと、もっとリラックス感が強いのかと思っていたけれど、見た目はかなりオリジナルに近い。だから、長年501®を穿いてきた人ほど、違和感なく受け入れられると思います。股上と腿まわりにほんの少し余裕があるだけなんですが、その“ほんの少し”が大きい。座ったときや歩いたときに、オリジナル特有の緊張感が和らいでいて、日常的に穿くことを前提に考えられているのがよくわかります。感覚としてはスラックスに近いので、ニットやシャツと合わせても自然だし、『デニムを穿いているぞ』という主張が前に出すぎない。501®らしさはしっかり残しながら、今の生活にちょうどいいバランスに調整されている。その点が、一番の魅力だと思います」。
ジャケット¥17,600、ハーフジップニット¥8,800、Tシャツ¥4,400、ジーンズ¥16,500/リーバイス®(リーバイ・ストラウス ジャパン)その他/私物
「501® Relaxedは、見た目だけだとオリジナルとの差がわかりにくいかもしれません。でも、穿いた瞬間に『あ、違うな』と感じるモデルです。股上と腿にほんの少し余裕があることで、動きやすさが明らかに変わる。オリジナルは、ある意味で完成されすぎていて、穿き手に緊張感を要求するところがある。でもRelaxedは、その緊張をうまく解いてくれる。リラックスしているけど、だらしなくはならない。その境界線をかなりうまく突いていると思います。裾にかけてのラインもポイントで、全体としてはストレートだけど、わずかにテーパードしている。だから、靴を選ばないし、全身のバランスが取りやすい。今のトップスのサイズ感とも相性がいいので、『何を合わせればいいかわからない』という悩みが起きにくい501®だと思います」
ジャケット¥16,500、パーカ¥8,800、Tシャツ¥4,950、ジーンズ¥16,500/リーバイス®(リーバイ・ストラウス ジャパン)その他/私物
「501® Loose」はこう着る
「501® Looseは、最初に見たときは正直ハードルが高そうだと思いました。かなり太さがあるし、腰位置を落として穿く前提のシルエットなので、難しそうに見える。でも実際に穿いてみると、意外と冷静に見られる。理由は、ディテールが完全に501®だからだと思います。どんなにシルエットが変わっても、フロントの表情やバックポケットの位置は、間違いなく501®。その“顔”があるから、ルーズでも成立する。ただ、大人が穿くなら上下のバランスは重要です。トップスまで大きくすると、どうしても幼く見えてしまう。どこかでサイズ感を抑えるとか、色を絞るとか、そういう引き算が必要になる。でも、その調整ができれば、今までの501®とはまったく違う表情が楽しめるモデルだと思いますし、スタイルの幅も確実に広がると思います」。
ジャケット¥19,800、セーター¥14,300、シャツ¥4,400、ジーンズ¥16,500/リーバイス®(リーバイ・ストラウス ジャパン)その他/私物
「501® Looseは、90年代的なムードを感じさせる一本です。でも、単なる復刻や焼き直しではなくて、今の服と合わせるためにちゃんと設計されている。そこが重要だと思います。ヒップから裾までしっかり余裕があって、動いたときにシルエットがきれいに出る。静止しているよりも、歩いたり座ったりしたときのほうが格好よく見えるデニムですね。だから、あまり作り込まずに、自然体で着るほうがいい。大人が穿く場合は、足元や小物で“品”を足すのがおすすめです。レザーシューズや、少し履き込んだスニーカーを合わせるだけで印象が締まる。Tシャツ一枚でも成立する余白があるので、季節を問わず着回しが効くと思います。ルーズ=だらしない、ではなく、ルーズ=表現の幅が広い。そのことを実感させてくれる501®です」。
カーディガン¥14,300、Tシャツ¥4,400、ジーンズ¥16,500/リーバイス®(リーバイ・ストラウス ジャパン)その他/私物