モンクレールとジル サンダーが協業。ジル サンダーの美意識とフィロソフィーがモンクレールの機能性と融合したダウンアイテムが様々にリリースされた。アートやカルチャーを深く知る4人の男たちの冬の日の姿に、着ること、創ることへの美学が滲む。

MOVIE

Portrait 01

青木ユリシーズ(写真家)

「写真とファッションには似たような思考回路があります。写真は日々が戦い。ものづくりではゼロから1、ゼロから100なんてよく言いますが、写真は100広がっている世界を1に仕上げることだと思っている。そこにミステリーが漂い、余白が生まれてこそ魅力的。だから、構成、景色、人の仕草、と様々な要素の差し引きを鍛錬し続けている。僕が写真で“きれいなポストカード”を目指していないことは、僕自身のファッションに対するアプローチと同様です。」

「整ったスタイルではなく、粗いものと綺麗なものを中和させるようなグラデーションの中で服を着たい。ニュアンスがあって欲しい。写真においてもファッションにおいても、こうして合理的に考えているのは、肌に染みつくような練習が足りていないからだとも思っています。例えばこのダウンのように、サッと着られるものが感覚的に好き。もっと自分の内面にピュアな装いでありたい。もっと本能でシャッターを切りたい。おのずとエモーショナルを生み出せる日…そんな日のために毎日を過ごしている気がします。」

ダウン入りシャツジャケット「SOLFUR」には柔らかな丸みがあり、袖のシルバーのモチーフの輝きがスペシャル。


シャツジャケット「SOLFUR」¥332,200(ジル サンダー限定&ポップアップ先行商品)/モンクレール + ジル サンダー(ジルサンダージャパン)

「人間の目とカメラのレンズ、それぞれ見る景色は違います。寒い日に街を歩き、スーツの紳士やお洒落をしたマダムを見かけると嬉しくなってシャッターを切ってしまう。それが思いがけないほど素敵な瞬間だったりします。僕自身も、冬にはひらりとした服を着たくなる。」

「洋服はタイムレスなものがいいけれど、その範疇で自分らしさを表現したい。秘密めいた雰囲気のロングコートは、やや内向的な気質に合う気がして、好きなんです。」

ロングコート「BERYLLIUM」は美しい光沢のあるダブルフェイスウールで、単品でも使用できるダウンライナー付き。

 ロングコート「BERYLLIUM」¥975,700/モンクレール + ジル サンダー(ジルサンダージャパン)

Portrait 02

幅允孝(ブックディレクター)

「冬は空気が澄んでいる。寒いけれども清らか。そういう日に着たいのは心の置きどころがある服。気分が晴れるような服。ジル サンダーに思うのは、しっかりとしたフィロソフィーがありながらも、寛容で日常的。昔から洋服は大好きですが、年齢を重ねながら体は1つと思い知らされているので(笑)、いつも着やすくて長く愛着を持てるものがいい。ジル サンダーのスーツはずっと大切にしています。そしてこの“モンクレール + ジルサンダー”にも、とても興味を持っています。」

「コレクションは既に見ていたけれど、男性の日常着に大胆なフォルムや落ち着いたムードが落とし込まれているのが嬉しい。首周りの立ち上がりがキレイで、シルエットは立体的。ポケットとボタンの処理にほんの少しのクセがあって、何より軽くて暖かい。独特でありながら潔い。なんだか不思議で、言語化が難しい洋服です。」 

ボックスシルエットに丸みを与え、襟をふんわりと立ち上げたダウンジャケット「COLLINEMYCIN」が洗練された佇まい。華奢なジップと、袖のシルバーのモチーフがささやかな輝きを放つ。

「紙の本は深く潜れるからいい。立ち止まって心の内側を覗き込める。熱くて、偏っていて、いびつで、それでも好きなものやキレイだと思うもの、あるいはその逆、何かそういうものを見つけられます。テクノロジーや社会システムが個々人より優位になりつつある世の中で、検索やAIでその場を取り繕えたとしても、根っこをどこに張っているのか。それこそが問われていく気がします。 僕の仕事は人が本を読むスイッチの入れ方を考えること。気が付けば読んでいたという状態をつくる。選書にとど まらず、その本が置かれる空間や家具…それもカーペットの毛足の長さに至るまで考える。町の人々にインタビューをしたりもします。子どもから70代くらいの方まで多種多様な声を聞きます。そうしながら差し出し方によってはまだ本を読む気持ちを抱ける人が確かにいることに勇気をもらっていますね。」

 ダウンジャケット「COLLINEMYCIN」¥404,800/モンクレール + ジル サンダー(ジルサンダージャパン)

Portrait 03

小松隼也(弁護士)

「ファッション・アート・デザイン・建築…と全ては密接な関係にあります。例えばファッションを軸に考えると、アーティストやデザイナーとのコラボレーションや、展示会をするにも建築や空間が大切。相互にインスピレーションを与えている親和性があり、海外との取引やビジネスモデルにも共通項が多いです。弁護士としては、クリエイティブの身近な存在でありつつビジネスをドリフトさせたい。法律事務所としては、誰もが交流できるハブなような場所となり、ポジティブな関係を生みたい。そう思うと、どれかひとつではなく、全てを包括的に捉えなければいけません。最近はART WEEK TOKYOやファッションブランドの立ち上げと運営に携わっていて、ゆくゆくは日本の国力になるクリエイティブのプラットフォームを作りたいと思っている。大きな話のようですが…もう、その一歩前にいるような感覚もありますね。」

「僕はスーツを着ることにこだわらないし、事務所は気軽に人々が集まれる場所で、連絡はLINEでもDMでもいい。クリエイティブ業界の方々には、楽しみながら横に繋がって欲しい。そこでは、ファッションもコミュニケーションのひとつ。海外からの招待者を招くなら、どんな装いが喜んでいただけて話の糸口になるのか。自分からのメッセージであり、ギフトでもあります。」

 「これまでジル サンダーのアウターをたくさん着てきたのは、社交の場で活躍するうえ、裁判所にも着て行ける静謐さがあるから。声の大きな自己主張ではなく、素材感とシルエットで静かに物語り、分かる人には分かるという洋服。このダウンアウターも、新しい一手として格別です。本来、打ち合わせや会食がある日には手に取りづらいカジュアルなアイテムですが、これは気品がある。きれいなジャケットの上に羽織れて、光沢を抑えた素材も理想的。ちょっと贅沢ではありますが、冬の楽しみであるスノーボードにそのまま着て出かけられるのも最高です。」

 ふんわりボリュームのあるシルエット。滑らかなコットン素材で美しいビジネススタイルに。

ダウンジャケット「COLLINEMYCIN」¥404,800/モンクレール + ジル サンダー(ジルサンダージャパン)

Portrait 04

小澤匡行(編集者)

「編集とは、何かを捨てることではなく浴びること。僕にはこれしかない…と、ひとつだけを突き詰めても、編集を突き詰めることにはなりませんよね。たくさんの人と出会って、いろいろなものを知って、見えはしなくても大きな背景を持って、やっと編むことができる。膨大な要素から1をつくることができる。まずは自分自身を編集することが始まりであり、日々の暮らしと働くことは地続き。その幅を膨らませ続けたいです。」

 「一方で、ひとつ一つに集中しているときには編集者だという自覚はありません。企画をする、台割をつくる、絵づくりをする、原稿を書く…とやるべきことをきちんとやる。より、自分の手で表現できるようになっていく。そういう一歩を繰り返す。結果的に編集の脳を使っているのかもしれませんが、とにかく目の前のことを大切に思っています」。

 「この歳にもなると、ブランド、コレクションを見渡して、洋服から洋服を見つけるという作業はしなくなりました。ジル サンダーを手に取るようになったのは、フィロソフィーに惹かれたから。人間と自然への感性、カルチャーとメゾンとの関わり方、職人のような仕事。それがビジュアルに現れ、洋服という形で日常のものに仕上がっている。これまで、湖畔、森、古い建物で撮られたキャンペーンフォトの質感からも、自分が着ることをすんなりと想像できました。共感の先を行っているような服であり、とても洗練されて映っています。」

美しいシルエットで肉厚なダブルフェイスウールジャケットに、軽くて暖かいダウンライナーが付いた「RHAMNOSE」。それぞれ単品での使用が可能。

 「冬は長野のもうひとつの家に行く機会が増えそうで、寒さを越える準備をしました。とはいえ、こたつで休みに行くわけではありません。氷点下の雪景色のなかで、自然の音を聴きながら仕事をすると、どんな感覚が広がるのかを楽しみに思っています。東京と地方は表と裏ではなく、あくまで右と左という幅のふくよかさがある。雪山だからと言ってケーブルニットを着てアウトドアブーツを履こうとは思っていません。このダウンジャケットのように、どこにいても同じ心持ちでいられる服が好きです。」

ジャケット「RHAMNOSE」¥726,000/モンクレール + ジル サンダー(ジルサンダージャパン)

PRODUCTS

POP-UP STORE

MONCLER + JIL SANDER POP-UP STORE (メンズ)
会期:2025年11月19日(水)~12月2日(火)
会場:伊勢丹新宿店 メンズ館1階 プロモーション
時間:10:00~20:00

MONCLER + JIL SANDER POP-UP STORE (ウィメンズ)
会期:2025年11月19日(水)~11月25日(火)
会場:伊勢丹新宿店本館3階=センターパーク/ザ・ステージ#3
時間:10:00~20:00