「樹齢160年のブドウを使ったワイン。すぐには理解できません」
松浦優喜(éperon 店主)
京都の自然派ワインバー「éperon」店主。優しそうなルックスでありながら、本当に優しくて、芯がしっかりある方。品のある立ち居振る舞いは、ワインとの向き合い方にも出ている。開業間もない頃、15時に鴨川でワイン飲めるとこがないかなと探したら出てきたのが松浦さんのお店だった。それ以来、ずっと好きな店。
「企画の話をいただいてから選定にとても悩みましたが、長谷川さんが来る前日にこれにしようと決めました。南仏の作り手である、ル・プティ・ドメーヌ・ド・ジミオのナチュラルワインです。畑はラングドック・ルーション地方の石灰岩が露出したカルスト台地にあります。なんと、そこにあるブドウの木のほとんどが樹齢100年を超えているんです。最も古い木で160年。50年という古木の定義をはるかに超える樹齢で、きちんと収穫できる状態にあるところはまず聞きません。高齢の女性の方がオーナーなのですが、今は主に息子さんたちが管理していて、彼らは365日、畑を離れることなく、虫を取るなど適度に手を加えながら命を吹き込み続けています。そうやって丁寧に見守る人がいるからできたワイン。味は複雑かつ雄大で、“僕がいちばん大好きなワイン!”みたいのとはちょっと違う。ただ、今の時代にはない手触りや古いものを大切にする感覚が本当にすごいなと思うんです。ブドウの木として考えたら160年という歴史をもっていて、さらにワインになってから3年。そのようにして新たな年月を刻んでいることが魅力的ですよね。ちなみに、このマホガニーのテーブルも130年前のもの。こうした組み合わせをお店では楽しんでいただけたらうれしいです」。
1995年からナチュラルワインを造っている生産者。農薬も自分たちで育てる植物やハーブを使っているという。
ル・プティ・ドメーヌ・ド・ジミオのナチュラルワイン¥1,700