シノワズリのライティングビューロー

「ミックスカルチャーが生み出した常識外れの家具だよね」

KENSHIN(ヘアスタイリスト)
ヘアスタイリスト。何かを追求し、研究しているKENSHINさん。いつも、「あーわかるわかる」という面白い話をしてくれる。現在は働きながら、大学で仏教哲学を学んでいる。知識を得れば得るほど欲しいものが増え続けてしまうとか。


「これが家にあるのヤバいでしょ(笑)。1900年代にイギリス人が中国の職人に作らせたものなんだけど、とにかくデカくて存在感がある。形状も意味不明で、現代の製品にはないブッ飛んだ感じが気に入ったんです。机でもあり棚でもあるようなのですが、引き出しが多くて当時どう使い分けていたのか想像もできない。絵の装飾は繊細にエンボス加工されているし、もう今ではこういう手仕事的なものってできないと思う」。

こちらは中国とヨーロッパの文化が混ざり合うことで出来上がったシノワズリの家具。シノワズリとは18世紀頃にヨーロッパの富裕層の間で流行した中国様式を模した美術や装飾のこと。KENSHINさんは、ミックスカルチャーから生まれた型にはまらない自由なデザインに魅了され、いろいろ買い集めているという。

「こんな宝みたいなものにまだ全然スポットが当たっていないんですよ。調べてみても資料がまったくない。でも、ジョルジオ・アルマーニとかラルフ・ローレンとかの自宅の写真を見ているとシノワズリの家具があるんですよね。これはヤフオクで30万円で買えちゃって…。まだ周りの人が価値を見いだせていないというのも面白い。家具って基本的に北欧ヴィンテージが中心で、いい悪いの審美眼みたいなのが排除されている。あるとき、本質的な家具のよさなんて全然わかってないじゃんと気づいて、自由な目線で買い物をしていくほうが面白いなと思ったんです」。

シノワズリのライティングビューロー/私物