「はっきり言って変態。じゃないとこのムードは出せない」
源馬大輔(クリエイティブ・ディレクター)
クリエイティブ・ディレクター、DJ。僕は「POPEYE」を始めるまで、sacaiのルックを毎シーズンスタイリングさせていただいていた時代がある。まだ彼らがランウェイを始める前。「あーでもないこーでもない」と、いつも細かくイメージについて話していた彼はsacaiのとても大きな大黒柱だった。
「滋賀県にあるワンピース オブ ロックの工房を訪れたのは、昨年の5月。スタイリストの野口強さんに連れていってもらって。昔ながらのアーケード街の一角にあって、雰囲気がめちゃくちゃいいんです。そこでデニムを初めて見せてもらったんですけど、生地のオンスからステッチの使い分け、縫製…と、もうとにかく代表の小中(儀明)さんが研究熱心でヤバくて。例えば、このジャケットは“大戦モデル”と呼ばれているものがベースですが、戦時下で物資供給が不安定な時代に作られた痕跡まで表現されていて面白い。当時の人たちは縮率なんて考えないから、洗うと変な縮み方をするんです。僕のはまだ2回しか洗っていないけど、これは糸の番手によって100年くらい前のオールドミシンに変えて縫っているから、そうした当時のゆがみが、まるで乗り移ったかのように出てくる。ディテールだけを再現するのは簡単だし、ヴィンテージの知識がある人もいる。でも、こうやってムードをつくることは本当に難しいし、ムードってすごく大事なんです。そこに強いこだわりをもって取り組む人にはリスペクトしかありません」。
ポケットフラップのない4つボタンの大戦モデルがベース。ヴィンテージを知る職人が丸縫いによって当時の手感覚によるラフな縫製までを表現しており、個体差が生まれている。
デニムジャケット「S406XXX M-WWⅡ San Francisco」 ¥85,800(サイズ44まで)・¥89,100(サイズ46以降)/ONE PIECE OF ROCK