NEATデザイナー西野さん、スタイリスト西又さん。同世代の二人がガチで気になったアイテムを手にしつつ、長考してはしゃべり倒す。事前情報なし、ヤラセなし(笑)の濃密な試着トーク開幕。
やられた! 初耳ブランド
最新ファッションに詳しい二人でも知らなかった新進ブランドとは?
編集 二人とも若かりし頃に、ショップで未知の一点を見つけ出していたような経験は、今はなかなかしにくいのでは?
西野 まさに最近都内のお店にも行けてなくて、初耳ブランドを目にする機会があまりない。今日は初心に返りながら、面白い一着を発掘してやりますよ!
HERON’S GHYLL
2020年設立、ロンドンを拠点に展開するヘロンズ・ギルは、英国製にこだわりながら現代的なデザインが特徴。¥242,000/ヘロンズ・ギル(TOD)
西又 僕は早速、見つけましたよ。「ヘロンズ・ギル」というブランドの黒ジャケット。着丈が長く、ジャケットとコートの間くらいの感覚。ゆったりした着心地ですがアームが細いから、これまでのビッグサイズとはひと味違う。クラシックな仕立てを重視しているブランドだと予想します。
西野 それ、僕も初耳です。ボリュームがあるのに不思議と洗練されて見える。
西又 (スマホで)今、調べたらクアラルンプール生まれでニューヨークとパリで育ったデザイナーさんらしいです。
西野 ルーツを聞くとますます興味深い。しかも西又くん、そのレザーバッグと合わせて来場したかのように似合ってるよ。
LA UNIQA
ミラノに工房を構えるラウニカの、大容量のレザーバッグ。縦47㎝×横45.5㎝×マチ7㎝ ¥25,960/ラウニカ(ビューティー&ユース 丸の内店)
西又 このレザーバッグも知らなかったブランド。本革でお値段、2万円台! チープシック好きなので速攻惹かれました。
編集 それは「ラウニカ」という、某メゾンの生産も請け負うイタリアのファクトリーブランドのものだそう。上品だし、最近よく見かけるワンショルダーで、今の気分を拾っているのもうれしいですね。
VOWELS
2024年5月にデビュー。ニューヨークと東京を拠点とする気鋭のブランド、バウルズのドライバーズニット。¥86,900/バウルズ
西野 僕がひと目で惹かれたのは「バウルズ」。ジップアップかつハイネックという、ある種のおじさんっぽさが僕好みで、ケーブル編みの凹凸が立体的で上質。トラディショナルに対して真剣な服作りをしながら、サイジングと色選びで今っぽく軽やかに仕上げるバランス感覚が素晴らしい。
西又 「若クラシック」という雰囲気ですね。ホームページを見ると服が好きな人に刺さるニッチさがある。多分、西野さん、このブランド全部好きですよ。その着丈が超短いダウンベストはどこのものですか?
NORMAL EXPERT
直感的に使える機能だけを盛り込んだダウンベストに注目。¥74,800/ノーマル エキスパート(アルファ ブランド コンサルティング)
西野 「ノーマル エキスパート」って書いてある。軽くてダウンがパンパンで丈夫というガチアウトドア感に惹かれました。背中にはベンチレーション付き。一見、短すぎですが…着ると意外とクセになりますね。ベルトを見せて、あえてのショート丈をアピールしてもいいね。
編集 機能面で考えても、ダウンベストに着丈の過剰な長さは必要ないのかもしれませんね。動きにくいですから。