2023.08.28

【店頭ルポ】吉田カバン「ラゲッジ レーベル」の新シリーズ。「オールドニュー」の柿渋染めが渋かった!

吉田カバンの「LUGGAGE LABEL(ラゲッジ レーベル)」から、伝統的な柿渋染めを用いたバッグシリーズ「OLDNEW(オールドニュー)」がデビュー。8月25日(金)に発売された新作バッグを編集部員の薬師神と北條が店頭チェック!

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渋い大人は柿渋染め!

大人男子に支持される吉田カバンの「LUGGAGE LABEL(ラゲッジ レーベル)」から、6年ぶりとなる新シリーズが登場。日本の伝統的な染色技法である「柿渋染め」を用いたバッグシリーズ「OLDNEW(オールドニュー)」が、4型・各2色のラインナップで8月25日(金)に発売された。そこで編集部員の薬師神と北條が、職人気質が注入された「オールドニュー」を「PORTER 表参道」でチェック。柿渋染めバッグをリアルに紹介する。


薬師神:酷暑のなか爽やかな白シャツ姿で到着しましたけども。男の渋さって、なにかね?


北條:そもそも我々は編集部内で、「年齢を重ねることで醸し出されるはずの男の渋さが不足した見た目」のツートップであることを自覚しております。


薬師神:いかにも。



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マスコットキャラのポーターくんに出迎えられ「PORTER 表参道」の店内へ。「ラゲッジ レーベル」は1962年に誕生した「PORTER(ポーター)」に次ぐ吉田カバンのオリジナルブランドとして1984年に誕生。レーヨンキャンバスにPVCコーティングを施した通称“赤バッテン”タグの「ライナー」、ナイロンメッシュにPVCコーティングを施した通称“青バッテン”タグの「ニューライナー」を思い浮かべる大人男子も多いはず。

薬師神:壁に「温故知新」て書いてある。まじまじと読むなんて小学校の習字の授業以来だよ。


北條:ダンダンディダン~シュビダドゥン~オデェ~エ~エオ~(ハッ!)。私の脳内では「サントリー・オールド」の1960年代CMソング「人間みな兄弟~夜が来る」(作曲:小林亜星)がリフレインしております。


薬師神:渋っ! お遊びはこのへんで。さっそく「オールドニュー」をチェックしましょう。



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プレスの岡田さんから新シリーズ「オールドニュー」のコンセプトを聞く薬師神。なんでも、渋柿の未熟な果実を粉砕・圧搾・発酵・熟成させて得られる抽出液である「柿渋」の起源は、日本に伝来した平安時代に遡る。「柿渋」に含まれる成分のタンニンが繊維や木材などに防水・防腐の効果をもたらすことから、日用道具・衣類・建造物・治療薬などに幅広く重用されていた。

薬師神:なんと、「柿渋」は鳴くよウグイス平安京の時代からあったとは。渋すぎる。


北條:バッグがいつもの「ラゲッジ レーベル」と違う。バッテンタグがないし、まるで工芸品のよう。


岡田プレス:それはですね…。


薬師神&北條:はい!



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RUCKSACK KAKISHIBU ¥69,300




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RUCKSACK KURE ¥69,300




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(下)SHOULDER BAG KAKISHIBU ¥52,800




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NEWSPAPER BAG(L) KAKISHIBU・KURE ¥71,500




岡田プレス:1984年に発表された「ラゲッジ レーベル」は、“British, Work, Military” といったコンセプトでモノづくりを行なってきました。40年近く経ったいま、そのコンセプトの大半は「ポーター」のブランドコンセプトに引き継がれています。2022年秋冬より、「ラゲッジ レーベル」はこれからの未来に向けた新たなコンセプトである“EVERGREEN” を掲げてリスタートします。その第1弾として発表する「オールドニュー」は、紀元前四世紀頃から伝わる最も古い天然染料の一つ、「柿渋」を使った天然染色のシリーズになります。


薬師神&北條:なるほどです。


柿渋染めを採用した「オールドニュー」のラインナップは、リュックサック、ニュースペーパーバッグ(大・通常サイズ)、ショルダーバッグの計4型。それぞれ、柿渋染めを施した「KAKISHIBU(柿渋)」と、柿渋で下地染めした後に鉄分を有する水で媒染処理し黒く染色させる「KURE(暮染め)」の2色展開。



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製造工程までしっかりとレクチャーを受ける薬師神と北條。「オールドニュー」の製品はすべて、滋賀県の能登川町で40年以上に渡って柿渋染めを請け負っている染色工房「おおまえ」で染められている。真っ白なバッグを、昔ながらの製法で染色職人がひとつひとつ柿渋につけ、天日干しする作業を繰り返すことで独特の深みのある美しい色が生まれるのだ。

北條:なんだかバッグというよりも野菜を育てているかのような天日干し。おしゃれになーれおしゃれになーれと毎日話しかけるといいかもしれない。


薬師神:自然の中から生まれ、そのまま自然へと還っていく柿渋染めは、今の時代に必要な新しい循環のカタチにほかなりません。「オールドニュー」は優れた古来の技術をたずね求め、新たな価値を知るための試みなのです。SDGs、SDGs、SDGs…。


北條:薬師神さんに柿の神が舞い降りた!?


薬師神:公式リリースを読んでみた。






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「LUGGAGE LABEL / OLDNEW」




ちなみに、吉田カバンの「OLDNEW」特設サイトには「プロダクションノート『柿渋』(前編・後編)」がアップされている。染色工房「おおまえ」の代表を務める大前清司氏と後継者の水谷真也氏のインタビューは一読の価値あり。2022年秋冬からの「ラゲッジ レーベル」リスタートの先陣を切るコンセプチュアルな「オールドニュー」シリーズに、匠の技術で応えた男たちの物語だ。






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薬師神:ボクが選ぶなら「リュックサック」。フラップを開けると、おや? 大きな柿が!?

北條:いやそれ、紙のアンコですね。ポーターのオレンジ色でびっくりしましたけども。もちろん柿を入れて運んでもいいんでしょうけども。


薬師神:留め具やリングがレトロテイストで気に入ったよ。パーツやディテールの隅々まで、「オールドニュー」の世界観に沿ったクラシックなチョイスが成されている。これも「温故知新」だと思うの。



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薬師神:背負ってみました。今日は白シャツなので、2色展開のうち「KURE(暮染め)」をチョイス。ネイビーの上着だったら、「KAKISHIBU(柿渋)」で紺×茶の色合わせを楽しんでみたい。染色に深みがあって、色ムラまで愛でてしまうし、見ていて飽きない。

北條:その気持ち、わかります。暑い日に汗ばむと白シャツに色移りとかするんでしょうか。


薬師神:多少はするだろうけども。インディゴ染めのバッグとかで慣れているから、ファッション好きはそもそも気にしないよね。天然素材だし。


北條:柿渋で下地染めした後に鉄分が多く含まれた水に浸して黒く染色する「KURE(暮染め)」のほうが、工程が増えた分だけお高いのかしら?


岡田プレス:同じです。別のバッグもぜひ。



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コットンロープ製ショルダーがユニークな「ニュースペーパーバッグ(L)」と、身長165cm・体重65kgの薬師神との対比がこちら。ひと回り小さい通常サイズの「ニュースペーパーバッグ」(¥61,600)が適当かもしれない。さらに小さい「ショルダーバッグ」もあり、簡潔明瞭に記すとショルダータイプは大中小。

薬師神:大は小を兼ねるが思い浮かんだけど大き過ぎた。これは北條さんに持ってもらおう。


北條:委細承知。その前に内側を拝見。



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リュックと同様のアナログな留め具とストラップが全体観に合っている「ニュースペーパーバッグ(L)」。コットンロープの大縄もこれまたアナログで、左右を引っ張って結び、フラップも深めで閉じるとさらにコンパクトになる。しっかりと染められた裏地のキルティングに、染色工房「おおまえ」の職人気質が見て取れる。

薬師神:和装にも合いそう。


北條:その発想はステキ。色落ちしたブラックジーンズに合わせて双方の経年変化を楽しみながら使用するファッションコンシャスな日本男児がイメージできました。渋い男もいいですけども。



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身長185cm・体重90kgの北條がニュースペーパーバッグ(L)を背負うとこのバランス。黒ベースのモノトーンコーディネートが多い大人男子には「KURE(暮染め)」がお勧め。柿渋染め、暮(くれ)染め、ともに生地にハリを出し丈夫にする特性がある。工業製品がなかった時代は、こうした自然由来の染色手法によって色落ちしにくくさせ、生地の強度を高めていたのだ。

北條:土日のジムバッグによいかなと。あと、コットンロープの節目が肩を刺激してくれて気持ちいい。ぶっちゃけナイロンベルトよりも好みです。


薬師神:おや? 私物のミニバッグはここで購入した「STARBUCKS® × PORTER(スターバックス × ポーター)」のドラムバッグでは?


北條:さりげなくペア持ち。ドヤ感も渋め。



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平安時代から継承され続ける染色方法「柿渋染め」を見つめ直し、現代にその価値を伝えるべく誕生した「ラゲッジ レーベル」の新作「オールドニュー」。日本古来の染色技術とクラフツマンシップを堪能できる逸品バッグを、秋のファッションに取り入れよう。

北條:柿が食べたくなってきました。


薬師神:それは甘柿のほうで!



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LUGGAGE LABEL:OLDNEW
発売日:2023年8月25日(金)
アイテム(4型):NEWSPAPER BAG(L)、NEWSPAPER BAG、
SHOULDER BAG、RUCKSACK
カラー(2色):KAKISHIBU(柿渋染め)、KURE(暮染め)

販売店舗:PORTER flagship store(表参道・東京・大阪)、
PORTER STAND(京都)、吉田カバンオフィシャルオンラインストア、
DOVER STREET MARKET GINZA、
st company kiryu、INFACES、OKURA
吉田カバンオフィシャルオンラインストア

Text: Takafumi Hojoh

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