発売日まで書いてある！
昨年、日本上陸15周年の節目を迎えたスペシャリティストアの「Ron Herman（ロンハーマン）」にて、UOMOで初の展示会ルポを決行。夏以降に発売される2025年秋冬シーズンの“コラボ＆別注”商品を編集部員が最速チェックして、大人男子に圧倒的な支持を得ている企画力に迫ってみた！
薬師神：久しぶりに訪れた「ロンハーマン」展示会です。アメリカ西海岸テイストでサーフボードだらけかと思いきやそうでもなかった。
LAセレブスタイルの火付け役として、2009年8月にオープンした日本初の旗艦店である「ロンハーマン千駄ヶ谷店」を当時の薬師神は取材していた。その後、2019年2月に米国事業がサザビーリーグ社に譲渡され、日本オリジナルのマーケティング主導型コラボが続々とリリース。“ファッションとは愛にあふれ、刺激的で楽しく、自由であるべきだ”という理念は、有能な後継“社”に根付いている。
北條：そうそう。16年前の日本本格上陸時は、“LA・サーフィン・セレブ・モテそう！”な打ち出しが強烈だった印象があります。今の立ち位置はコアファンには今更でしょうけども。
薬師神：いかにも。
薬師神：ていうか、顔アップでどうしたの？
北條：私の写真、たぶんこれだけ…。
取材結果を先に伝えておくと、初のロンハーマン展示会ルポは“コラボ＆別注”商品が充実し過ぎており、薬師神は最初から最後まで前のめりで試着しまくり。北條の試着写真は1枚も撮れていない。
北條：無我夢中になるほどに大豊作だったという。
薬師神：一応、2人で取材しました！
“コラボ＆別注”コーナーへ！
薬師神＆北條：では、マネジャーの福本さん、大人男子向けのオススメをお願いします！
Ron Herman 福本さん：かしこまりました。
1976年に米・カリフォルニア州LAのメルローズ通りで誕生した「ロンハーマン」。日本ではセレクトショップの領域を超えたスペシャリティストアの草分けとして、独自のスタンスを開拓している。さあ、今秋冬の“コラボ＆別注”はどんな感じ？
①POLO RALPH LAUREN
まずは、絶対に勝って失敗することがない「ロンハーマン」のシーズン別注の筆頭、「Polo Ralph Lauren（ポロ ラルフ ローレン）」とのタッグから。今秋冬の大物として迷彩柄のワイルドなダウンジャケットが登場する。シルエットは90年代調のスタンダード。11月発売予定。
薬師神：いつものポロ ポニーマークが左胸になくて、いかにも「ロンハーマン」のコラボって感じ。汗が引いていないので写真だけで失礼します…。
北條：ダックハンター用のカモフラージュ柄、通称“ダックカモ”ですね。もともとはアメリカ海兵隊の空挺部隊などで用いられていたはず。ブラウンベースで意外と合わせやすそうです。
薬師神：今秋冬はカモフラ柄がトレンドかも？
②A.P.C.
続いて端境期に重宝する軽アウターをチェック。シンプルなコーチジャケットの背面に回ってみると、「A.P.C.（アーペーセー）」とのコラボだった。秋の訪れが待ち遠しくなる。9月13日(水)発売予定。
薬師神：大学生のときに買ったような懐かしみがふつふつと。それでいてY2Kっぽく洗練されている。ネイビー派だけど、このブラックは欲しい。
Ron Herman 福本さん：背中のロゴをリフレクター素材にしています。
北條：せっかくのコラボなんですし、背中の「A.P.C.」の下に同じリフレクター素材で「Ron Herman」と並べ…
薬師神：No!!
北條：ホワッツ!?
薬師神：そこがいい、それでいいんです！
薬師神：裏地もしっかり。この大きな内ポケットはオリジナルにはなかったはず。
北條：90年代だったら確実にCDプレイヤーを入れてましたね。あと、奥に見えるブーツは？
薬師神：えっ。どれ？
③MANOLO BLAHNIK
北條：これです。ショウケース入り。
質実剛健な重厚感と漆黒のワントーンに惚れてしまう。「MANOLO BLAHNIK（マノロ ブラニク）」にエクスクルーシブで別注したブーツは秋冬コーディネートをラグジュアリーに締めてくれる一足だ。11月15日(土)発売予定。
北條：20万円超えですが頑張り甲斐がありそう…って、薬師神さんはいずこ？
北條：あっ。なんか試着してた！
薬師神：薄手のウールブルゾン、ミニマルな立ち襟、過剰な装飾もなく、ブラックで大人男子にドンズバ。しかもブルックス別注ですとぉ。
北條：商品画像を撮りたいんですけども…。
④Brooks Brothers
こちら発売済み。見るからに汎用性の高さが伺える「Brooks Brothers（ブルックス ブラザーズ）」との別注ブルゾンは残暑のうちにゲットしておきたい。キュプラの裏地で袖通しもよく、緩めのリブ袖でカーディガン感覚で着られる。
北條：そして徹底的にそぎ落としたデザインで、商品タグ以外に「Ron Herman」のロゴは見当たらないのであった。ねぇ、薬師神さん？
薬師神：すんません、試着中～。
北條：また抜け駆けしてる！
Ron Herman 福本さん：この「DISNEY（ディズニー）」のプリンセス柄スウェットシャツは、2023年の初コレクションでも早期に完売。今秋冬の第2弾も人気が出ると予想しております。
薬師神：（わかりました！）
Ron Herman 福本さん：9月5日(金)にオンラインストアにて限定発売です。ごゆっくりどうぞ。
薬師神：（はい！）
北條：メンズのスウェットで、プリンセス？
⑤DISNEY Special Collection
薬師神：ふぅ…。ジャスミン（アラジン）さんはこのコレクションではニューフェイス。デザインとして見ると、ターコイズが効かせ色になっとる。
2年前の初コラボ時はホワイトボディに線描画のバックプリントで、白雪姫、シンデレラ、アリエル（リトル・マーメイド）、ベル（美女と野獣）、オーロラ（眠れる森の美女）の5人。今秋冬はプリンセスが7人に増え、霜降りグレーにフロントプリント、しかもカラー展開になった。
北條：日本で言うところの見返り美人のような趣き深いデザイン。こっち向いて！
薬師神：1、2、3、4、5、6…。残る1人は？
北條：棚に置かれているスウェットはいずれも新規キャラクターで、向かって右がラプンツェル。『塔の上のラプンツェル』ってご存知ですか？
薬師神：詳しくないけど欲しいよね。
薬師神：良い意味で粗さが目立つ霜降りが90年代っぽい。あと、狙ったビッグシルエットではなく、昔のトレーナーのようなルーズフィットが絶妙でした。サーフィンの後に体が冷えぬよう、素肌に直で被るような、そんなライフスタイルに合いそう。
北條：さすが。湘南ナンバー持ち！
薬師神：残念ながら横浜ナンバー…。
Ron Herman 福本さん：薬師神さんもサーフィンとかされるんですか？
薬師神：その景色を眺めながら海辺のカフェでアフタヌーンティーするのが好きです。
⑥Gramicci
北條：スウェットといえば、「Gramicci（グラミチ）」とのコラボパンツが「RHC」から発売されますね。同じアウトドアでも山地から一気に湘南オフショアスタイルに流れてくるような。
薬師神：真面目な話、もう湘南とかLAとか海とか、そのへんのイメージを超越しちゃっていると思うの。「ロンハーマン」も「RHC」も。
北條：御意。今やガチの洋服好きの巣窟みたいになっていますもんね。このパンツは見返りプリンセスと合わせたい。10月4日(土)発売です。
⑦SUNSPEL
薬師神：上下のスウェットセットアップならば、「SUNSPEL（サンスペル）」とのコラボで決まりです。米国ブランドとのコラボが多いイメージだったけど、英国ブランドもあったのね。
北條：至って普通のシルエット。ビッグサイズに慣れている昨今ではタイト路線に近いかも。
薬師神：なんでしょう、1860年創業の老舗はブレません！ みたいな。わからんけど。
北條：9月6日(土)発売ですって。
北條：「サンスペル」のスウェットは丁寧な裏編みなので好きです。裏起毛のスウェットパンツなんぞ、暑がりの道産子には拷問に近いもんで。
ワンマイルウェアとして最適な柔らかなコットンループバック素材。保温性に優れたループステッチを内側に採用し、3本針のカバーシームを使用したフラットな縫い目による滑らかな肌触りが特徴。
薬師神：ほか、よさげなパンツは？
⑧Dickies®︎
薬師神：あった。「Dickies®︎（ディッキーズ）」とのコラボチノ。ヘビロテできそうだけど、またまたどのへんがコラボなのかがわからん。
Ron Herman 福本さん：このコラボのポイントは、センターからズラして縫い付けたベルトループです。ウエストは38インチまで揃います。
薬師神：ホントだ。
北條：なんだか1955年頃から1962年頃までに生産された501に見られるヴィンテージディテールっぽい。なんでしょう、この、“山椒は小粒でピリリと辛い”的な、密かな仕様変更は…。
定番のポリエステル65%・コットン35%の混紡生地を踏襲しつつ、「ディッキーズ」の王道モデル「874」の腰回りをゆったりフィットに、丈感をジャストに変更している。なにげないカジュアルだからこそ、こだわり抜いた「ロンハーマン」が正解。大人のワークスタイルを楽しみたい。
北條：次回はコットン100％で作ってください！
薬師神：どさくさに紛れて不躾すぎる提案！
⑨JOHN SMEDLEY
英国王室御用達、1784年創業の高級ニットウェアブランド「JOHN SMEDLEY（ジョン スメドレー）」との別注コラボは、梳毛の太リブ編みヘンリーネックだ。9月20日(土)発売。
薬師神：ヘンリーネックで別注？
北條：痕跡を残さない逃亡者のような「ロンハーマン」のコラボ＆別注の傾向はだいたいわかりました。ヘンリーネックは日本人には馴染み薄いかもですが、英国では定番ですし、「ジョン スメドレー」では普通に生産していました。こちらは「太リブ編み」が初の試みになります。
薬師神：下に置かれたバッグも気になるよね。
Ron Herman 福本さん：どれでしょう？
⑩JIM MELVILLE
薬師神：これです。
Ron Herman 福本さん：お目が高い。このヘルメットバッグのブランドは「JIM MELVILLE（ジム メルヴィル）」と言いまして、1985年にNYで誕生したバッグ専門のファクトリーブランド「MELO（メロ）」の現オーナー兼デザイナーを務めているジム・メルヴィル氏の名を冠しています。取り扱いは「ロンハーマン」のみになります。
薬師神：すなわち、ジム・メルヴィルさんが「ロンハーマン」のためだけに作っていると。
北條：エクスクルーシブの次元が高すぎる…。
薬師神：これも「メロ」と同じく“メイド・イン・アメリカ”ですか？
Ron Herman 福本さん：もちろんです。
アメリカ軍にも供給しているMELO社によって生産された、優れた耐久性と耐水性を持つ500デニールのコーデュラナイロン100%を採用。実際にアメリカ軍で使用されていたヘルメットバッグをベースに、小ぶりなサイズに調整した2WAYトートタイプだ。カラーはブラックの1色展開。発売中。
薬師神：次回はネイビーで作ってください！
北條：どさくさに紛れて不躾すぎる提案！
Ron Herman 福本さん：そうだ。「Topologie（トポロジー）」の別注カラーはいかがですか？
⑪Topologie
北條：薬師神パイセン好みのネイビー。
今回のコラボ第3弾では、「トポロジー」のベストセラーであるサコッシュ4型とストラップ1型をオリジナルカラーで別注。500mlのペットボトルがそのまま収納できる「ボトルサコッシュ(M)」、タブレットケースとして使える「フラットサコッシュ(S)」、横長の「フォンサコッシュ90」、縦長の「フォンサコッシュ」が揃う。発売中。
Ron Herman 福本さん：ネームに「TODAY IS BEAUTIFUL」のメッセージを施した「ロープストラップ（8.0mm）」とのセット買い推奨です。
薬師神：本日は晴天なり！
⑫BAGGU
2007年に米・カリフォルニアで生まれたバッグブランド、「BAGGU（バグゥ）」とのコラボエコバッグは4サイズ展開。爽やかな青のブロックチェックにハイビスカスを組み合わせた柄が「ロンハーマン」オリジナルになる。ストーリー性を感じさせるパッケージも魅力だ。発売中。
北條：意識高い系おしゃれ男子としましては、リサイクルナイロン100％という「バグゥ」のエシカルコンシャスな企業努力を評価したいですねぇ…って、薬師神さんがまたまた消えた！
⑬Polo Ralph Lauren Home
北條：いた！ あんな遠くに！
Ron Herman 福本さん：これまたお目が高い。ビッグサイズの「ポロ ラルフ ローレン ホーム」別注ビーチタオルです。ネイビー×ホワイトの極太ストライプで、最上級のコットン100％。潮混じりの火照った体をビーチサイドで癒してくれます。
薬師神：日焼けが気になるので海はちょっと…。
大人男子に向けた編成で、秋冬“コラボ＆別注”アイテムを（ほぼ）すべて網羅した、「ロンハーマン」2025年秋冬展示会ルポは以上。夏の終わり以降、この展示会ルポの中から、通常のリリースニュースや独自の物撮り記事で詳しく紹介されるアイテムが出てくるかもしれない。今秋冬も引き続き「ロンハーマン」から目が離せない！
《オマケの1枚》
オマケの1枚。ごくシンプルな無地のホワイトとブラックのTシャツ、まさかこれは…。
北條：3月20日(木祝)にオープンした「ユニクロ タマタカ」店の限定商品として発売され、今年上半期最大級の争奪戦が繰り広げられた、「ユニクロ」とのコラボエアリズムTシャツ第2弾…か!?
薬師神：なんですと!?
Ron Herman 福本さん：残念ながら違います。こちらはオーガニックコットンを採用して今春夏にリニューアルした「ロンハーマン」のオリジナルTシャツです。定番として、ぜひどうぞ。
Ron Herman: 2025-26 Autumn&Winter Exhibition
シーズン：2025年秋冬
