2026.03.06
最終更新日:2026.03.06

【大人の古着ダウン】ヴィンテージダウンの"聖地"が、大阪に出現。話題を集めた「EXPEDITION CLUB OSAKA」を徹底レポート

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大人のダウン200特集で登場してもらったBEAMS PLUSチーフバイヤーの金子茂さんが、昨年12月にオープンした関西初の旗艦店「ビームス プラス 大阪」で、1月にイベントを開いた。

その名も「EXPEDITION CLUB OSAKA」。4日間限定で、金子さんのヴィンテージコレクションやアーカイブカタログの展示、大阪の古着シーンを担う面々とのトークショーが行われた。金子さんの言葉を借りれば、「関西にはこういうコアな古着のトークショーは今まで無かったのではなかったのではないでしょうか」。その空白を埋めるように、大阪の古着シーンの精鋭たちが集結。本リポートでは、特に1月17日(土)に開催されたトークショー Vol.2「My Expedition Items」を中心に、4日間の記録をたどる。

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ビームス プラス 大阪のクラシックな佇まいの店内に、「EXPEDITION CLUB」のキーカラーである赤が彩りを添える。イベントの世界観を存分に体感できる空間に。
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Nepenthes New Yorkとのコラボアイテム。"Nロゴ"を特別仕様にあしらったキャップ、バンダナ、Tシャツ、スウェットは、日本国内での初販売となった。
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来場者への先着プレゼント「EXPEDITION CLUB BADGE」、金子さんの著書『OUTDOOR EXPEDITION BOOK 99』のステッカー、そしてユタ州立大学「Outdoor Recreation Archive」のステッカーと鉛筆。
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金子さんのコレクションアイテムからインスピレーションを得た「EXPEDITION CLUB」初となるアイテム、ダウンマスク、ダウンケープ、ダウンマフの3型も販売。

1940年代のEddie Bauer。 カタログと現物が重なった瞬間

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ガラスケースに収まるカタログと実物。資料と衣服が同居するシーンはこの展示ならでは。

会場に入ってまず目を奪うのが、数々のクラシックアウトドアコレクションだ。なかでも今回の展示の目玉は、Eddie Bauer(エディ・バウアー)の「Skyliner(スカイライナー)」初期モデル。ジッパーの仕様と縫製の特徴から年代が特定された、1940年前後の一着である。

展示の隣に並んだのは、ORA(Outdoor Recreation Archive)のアーカイブカタログ。ユタ州立大学図書館が所蔵するこの資料は、普段は厳重に保管されている一級品だ。そこに写るSkylinerの写真と、金子さんが長年追い求め手にした実物が、今回初めて同じ空間に並んだ。資料と現物が互いを証明し合う——その光景が、この展示の核心だ。

さらに注目すべきは、ORAメンバーによる現地解説だ。普段は口頭では聞けない希少なアーカイブの背景が語られ、金子さんの知識と世界最高峰のアウトドアの資料室が生み出す対話は、世界のどこでもなかなか再現できない貴重な機会だった。

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金子さんのコレクションより。エディ・バウアーの襟型が珍しいヴィンテージのスカイライナーモデル。
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テーブルに並べられたORAアーカイブカタログ。実際に手に取れる稀有な機会が設けられた。

偏愛が言葉になる夜。 「My Expedition Items」の全貌

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左より:スタイリスト・原田学さん、「container」曽根諭さん、「doorman store」成山明宏さん、金子茂さん。

トークショーVol.2は、スタイリストの原田学さん、大阪・中崎町にあり、現在はオンラインストア「container」の曽根諭さん、大阪・住之江「doorman store」の成山明宏さん、そして金子さんの4人が登壇。テーマは「My Expedition Items」。自分が偏愛してやまないアイテムについて語り合った。
それぞれが実際に持参したアイテムを手に、なぜそれに惹かれ続けるのかを熱く語った。

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原田学:リブパンツとフリースキャップ

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原田 学(スタイリスト) 1972年生まれ、関西出身。古着ミックスのスタイリングの第一人者。著書に『the SUKIMONO BOOK』シリーズ。

スタイリストとしてヴィンテージアイテムを扱い続けてきた原田さんが持参したのは、ハンティングやスポーツウェアのルーツを持つリブパンツと、フリースキャップ。「このキャップはアメリカのもので、とても変わったシルエットなんですが、バリエーションが多くて集め始めると止まらない」。実用から生まれたフォルムの美しさを、スタイリストの目線で解体していく語り口は、ファッションの読み解き方そのものを示すようだった。

曽根諭:缶バッジとワッペン

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曽根 諭(container) 大阪・中崎町にあり、現在はオンラインストアでヴィンテージショップ「container」を営む。現在はWEBとポップアップ中心に活動。

containerの曽根さんが持ち込んだのは、缶バッジとワッペンのコレクション。今はウェブショップ中心のcontainerだが、トークショーへの曽根さんの登場は、かつての常連客たちを引き寄せた。「久しぶりに曽根さんを見たい!」と集まってきた旧客たちの姿は、大阪のヴィンテージシーンが持つ人的な厚みを体感させた。

成山明宏:OEMアイテムという視点

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成山 明宏(doorman store) 10代から古着店で修行を積み、ジャーナルスタンダードでバイヤーを経験後、2023年に大阪・住之江に「doorman store」を開業。

doorman storeの成山さんが掘り下げたのは、OEMアイテムという切り口だ。大手ブランドが他社のために製造した品。表に出てこない製造の歴史の中に、実は名品が眠っている。古着店で修行を積みバイヤーを経験した成山氏ならではの視点は、ヴィンテージの楽しみ方に新たな扉を開くものだった。

金子茂:USAF サバイバルスーツ

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金子 茂(BEAMS PLUS チーフバイヤー) 1984年生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒。2008年ビームス入社、2015年より〈BEAMS PLUS〉バイヤー。著書『OUTDOOR EXPEDITION BOOK 99』(世界文化社)。

金子さんが持参したのは、EXPEDITION CLUBのアイコンとしても使用している「USAF サバイバルスーツ」と同じアメリカのブランド「Gerry(ジェリー)」によるもの。肩線のない構造が現代の目から見ても新鮮に映る。「ダウンパックの上に一枚生地がかかっていて、冷気が入ってこないようにしてある。羽を一着で体現するような構造」。コレクターが今なお声を上げる存在感バツグンのアイテムで、トークもヒートアップした。

終演後、会場に残った人たちの話

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トークショーが終わった後、会場に残った人たちが金子さんのまわりに集まり始めた。ORAが持参したアーカイブカタログを囲んで、そこから展示されていた実物へ視線が移り、また言葉が飛び交う。トークショーの「終わり」が、新たな対話の「始まり」になって、偏愛トークが終わらない夜に。

金子さんはその光景をこう振り返った。「大阪の人たちはいまのヴィンテージのトレンドとは違う、もうひとつ上のレベルで、自分の興味を持ってきてくれる。質問の深さや見ているところが違って新鮮でした」。

スタイリスト・原田学が選んだ、ダウンの着こなし

イベント期間中に実施されたファッションスナップ「EXPEDITION CLUB OSAKA FASHION SNAP "DOWN"」は、原田さんが監修。自身が「この人を撮りたい」と思った来場者をセレクトする方式で行われた。

 「大阪の人はほんとうに個性が強い。トータルコーディネートというより、このアイテムが好きだからこれを着る、という着方をしている人が多い」と金子さん。スナップ写真は、公式Instagram(@expeditionclub_e.x.p.d)にて原田氏のコメントとともに公開中だ。

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大阪は、ヴィンテージを愛する土地だった

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「ビームス プラス 大阪」開店以来初のイベントは、大阪という土地のヴィンテージカルチャーの深さを証明した。初日に完売した商品があったこと、トークショーが盛り上がりすぎて毎回時間を超過したこと、会場を去りがたくてカタログを囲んでいた人たちがいたこと。大阪という土地が見せたこの反応は、金子さんとその周辺の“濃い”人々が積み上げてきた知識と情熱が、確かにこの街と、そして世界と共鳴している証明でもあった。「EXPEDITION CLUB」の旅はづづく。

EXPEDITION CLUB OSAKA

開催期間:2026年1月15日(木)〜1月18日(日)
会場:ビームス プラス 大阪(大阪市中央区南船場4-6-6 1F)
総来場者数:2,112人(4日間)
Talk Show 1:1月15日(木)テーマ「My Favorite Fashion Books」
Talk Show 2:1月17日(土)テーマ「My Expedition Items」

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