カルティエの創造を支える、職人たちの時間へ
現在、Cartier(カルティエ)が手掛けるイベント「THE MAGIC OF CARTIER’S ARTISANS ― カルティエのサヴォアフェール」が開催中だ。舞台は「カルティエ 銀座2丁目ブティック」。新たに「Maison de Panthère(メゾン ドゥ パンテール)」と名付けて展開してきた一連のプログラムの最終章となる。締めくくりにふさわしく、メゾンの中核にある“人の手”の仕事に、あらためて光を当てる内容となっている。
本展が描き出すのは、単なる高度な技術としてのサヴォアフェールではない。才能と技能、そして美に対する揺るぎない意思が重なり合い、作品として結実するまでの時間そのものだ。
注目すべきはユネスコの無形文化遺産にも登録される古来の技法、グリプティック(宝石彫刻)。2010年、カルティエは「メートルダール」の称号を持つフィリップ・ニコラを迎え、ジュエリーメゾンとして初めてグリプティック専門工房を設立した。現在はエミリ・マルクがその技を受け継ぎ、ハードストーンや化石、珪化木など多様な素材を用いた表現を探求。本展では、フィリップ・ニコラ自身が、その卓越したクラフツマンシップを披露する。
写真と映像で辿る、ジュエリー誕生の瞬間
会場の様子も見ていこう。1階では、写真家・川内倫子がパリのハイジュエリーアトリエで撮影した作品を展示。職人たちの所作や、制作に向けられる集中の時間を捉えた写真と映像が、ジュエリー誕生の裏側にある緊張と静けさを浮かび上がらせる。
2階では、カルティエが自社内に擁する多様な職人技を多角的に紹介。世代を超えて受け継がれてきた技と、現在進行形の創造がどのように結びついているのかが示される。グリプティック(宝石彫刻)をはじめとする稀少な技法も、その文脈とともに体感できる構成だ。
フランス語で「伝統技術による熟練の手仕事」を意味するメティエダール。カルティエにとってそれは、歴史を尊重しながら創造と革新を重ね、現在へと受け継がれてきた重要な技術だ。
3階では期間中、世界各国のカルティエ ブティックの調度品を手掛ける7名のアルチザンが来日。宝石細工やモザイク、装飾絵画、ラッカーアート、金箔細工、メタルワーク、ストローマルケトリといった多彩な分野のクラフツマンシップが一堂に会する。メゾンの象徴であるパンテールのモチーフを含む作品を通して、サヴォアフェールが時を超えて受け継がれる“生きた表現”であることを静かに物語る空間だ。
そして最終章ならではの見どころとなるのが、自然光がたっぷりと差し込む店内空間。これまでの章とは異なり、光と影が緩やかに移ろうなかで作品や職人の手仕事と向き合える点が印象的だ。
本イベントの開催は2026年2月23日(月・祝)まで。カルティエが長い歴史の中で育んできたサヴォアフェール。その本質を、視覚と空間、そして光を通して体感できる機会、ぜひ足を運んでみてほしい。
「THE MAGIC OF CARTIER’S ARTISANS ― カルティエのサヴォアフェール」
会期:2026年2月7日(土)~2月23日(月・祝)
※2月16日は1・2Fのみの営業
営業時間:11:00~19:00(18:30 最終入場)
会場:「Maison de Panthère」カルティエ 銀座2丁目ブティック
住所:東京都中央区銀座2丁目6-12
入場:無料
※事前にカルティエLINE公式スペシャルサイトよりご予約ください。ご予約いただいた方を優先してご案内いたします。