人気ブランドがリリースした新作アウターの中から、エディターが激推しするアイテムをピックアップ。どれも秋冬の着こなしを大きく格上げしてくれること間違いなしだ。
01:sacai x Carhartt WIPのウォッシュド ダック パファージャケット
今度は名作「デトロイトジャケット」を魔改造
魔改造の名手、サカイ。ナイキコラボの「LD ワッフル」しかり、J.M. ウエストンの「ゴルフ#641」「シグニチャーローファー#180」コラボしかり、ハイブリッドすることで人気モデルをアイコニックに仕上げる手腕はさすがです。ただ、自分にはそのファッション性の高さがトゥーマッチにも感じていて、そこまで興味はありませんでした。ところが、2023年秋冬コレクションのカーハートコラボには痺れた。中でもライトブルーのニットジャケットは、カーハートの代名詞ともいえる「チョアコート」をダック地じゃなくて、全部ニットでつくってしまう発想が最高でした(ライトブルーという色の選択も最高!)。
そして、コラボ第3弾。第1弾の「チョアコート」へのアプローチが素材の妙で仕掛けてきたとしたら、今回は名作「デトロイトジャケット」に対して「ハイブリッド」という得意技で勝負してきました。それも、奥義「ハイブリッド」を過剰さの方向で発揮するのではなく、あくまで静かにやっている姿にキュンとしたのです。
一見するといつものダック地の「デトロイトジャケット」とそんなに変わりはありません。ただ内側にパファーをぶつけてきた!!! さらにサイドのスナップボタンの仕様変更やオリジナルのゴールドボタンなど、ディテールのアレンジ具合がいい。カロリー高めの「ハイブリッド」ではなく、ワークジャケットをほんのりモードに変える。サカイの魔改造、やはり恐るべし。
カルチャー・食担当。トレードマークは、ボリューミーなパーマ(入稿・校了時、1.5倍増)。一年中ほぼシャツ、冬だけニットもあり。年始に琺瑯鍋とフライパンを新調したので、きちんと自炊ができるようになりたい。
02:Brooks Brothersのダッフルコート
寒い冬にダッフルコートを着たくなった
世代的にダッフルコートと聞くと、小沢健二の『ドアをノックするのは誰だ?』(1995年)が脳内でリピート再生されるので、なんとなく気恥ずかしくて着るのをずっと避けてきた。でも40代も中盤を迎えて、そんなのどうでもよくなった。
ブルックス ブラザーズのパープルのダッフルコートと出会った瞬間、心が躍った。触れた瞬間に分かる、この圧倒的な質感の違い。重厚な見た目なのに軽くて、肩への負担が全然ない。着心地も抜群だ。このイギリス製の特別なモデルは、パープルのみの展開。攻めてるなぁ! と思ったけれど、ダークカラー中心の冬のワードローブに、パープルって実は合わせやすい色だと気づく。意外とベーシックに使えそうで、ベージュやネイビーの定番色よりもずっと新鮮だ。フードの形も絶妙で、被った時のシルエットも美しい。これは一生モノになりそうな予感。
03:L’impermeabileのレインコートBOSTON
雨具はテックよりレトロ派
「雨の日」アイテムに目がないが、またも初めて見るブランドに出会ってしまった。その名はリンペルメアビレ(呪文のようでいまだに覚えることができない)。イタリア・フィレンツェのコートを得意とするファクトリーのオリジナルブランドで、ブランド名はイタリア語で「レインコート」の意。そこが作るレインコートなんて、欲しいに決まっている。
生地は撥水効果のあるワックスドコットンで、長く着れば着るほどに味わいが増してくる。ゴアテックスといったテック素材より、レトロな風合いが好きな自分にとって申し分ない生地だ。何より雨合羽らしいたっぷりとしたAラインが正統。自宅には「雨待ち」アイテムがたくさん控えているというのに。
ファッション担当。映画と韓流ドラマが好き。甘いものと炭水化物が大好きで、運動は嫌い。にも関わらず30歳半ばを過ぎても中学時代と体重が変わらない代謝の良さが自慢。ワードローブは、白、黒、ベージュ。
04:CELINEのツイードコート
エクストラロングの衝撃
7月に発表されたマイケル・ライダーによる初のセリーヌ2026春コレクションはトラッドベースの服がいい具合にモードに昇華されていて、本当に好きなルックが揃っていた。そんなマイケルさんの時代の到来を予感させる、1シーズン前の025冬コレクションで見つけたのが、この超ロング丈のツイードコート。
185cmの自分が着て見たところ、丈はくるぶし位置(パンツの話ではなく、コートですよ!)。ゆったりとしたフォルムでこれだけ長い着丈なので、当然重さはある。だけど、その重厚さが、あまりに軽さばかりを追求していた冬のアウター選びに喝を入れてくれるというか「ファッションとはこういうもの」という根源的な意味を改めて教えてくれていると感じた。ずっとクロゼットにあったかのような「トラッド」な一着で、冬はファッションの愉しみを再確認するつもりだ。
ファッション担当。映画と韓流ドラマが好き。甘いものと炭水化物が大好きで、運動は嫌い。にも関わらず30歳半ばを過ぎても中学時代と体重が変わらない代謝の良さが自慢。ワードローブは、白、黒、ベージュ。
05:LOEWEのブルゾン
今季の相棒アウターは“コンパクトなのに頼れる”
近年、世のアウターの中でショート丈が占める割合が増えているが、今年もその状況は続く模様。中でもブルゾンを新調したい。ショート丈のアウターって、微細なシルエットの違いが実は印象を大きく変える気がしているのだが、ロエベで出会ったブルゾンはまさに理想。
ブルゾンのウエストの絞りが大げさすぎると大人には少々手に取りにくくなると個人的には思うけれど、これはドレープのデザインで嫌味のないシルエットが良い。気取らないながらも程よく光沢感のある生地でシーンを選ばない一着は、相棒間違いなしだ。
ビューティー担当。意外と(⁉)細かいおじさんたちの願望を満たす美容ネタを日々探求。犬と猫と暮らしており、ストレスの99.9%を彼らが癒してくれるため、基本的に機嫌がいい。圧倒的に犬派だったが、愛猫のおかげで猫の沼にも沈むことに。趣味はディープな街で酒を飲むこと。
サカイ TEL:03-6418-5977
ブルックス ブラザーズ ジャパン TEL:0120-02-1818
トゥモローランド TEL:0120-983-522
セリーヌ ジャパン TEL:03-5414-1401
ロエベ ジャパン クライアントサービス TEL:03-6215-6116














