テーラードジャケットは、大人っぽくエレガントなコーディネートを構築するための必須アイテム。UOMOエディターが、「買ってよかった」アイテムを参考に、お気に入りの一着を見つけて欲しい。
01:CABaN|ジャケット
特徴がないのがむしろありがたいって話
着用頻度は低いけれども無いと困る服っていくつかありますよね。私にとって、黒いジャケットがそのうちの一つ。というか服装が自由な仕事柄、これまでは「無くても特段困らないもの」だった(社会人としていかがなものかとは思うが)。けれど、年齢が上がるにつれていよいよ必要性を感じる場面がチラホラ出てきたので、重い腰を上げて探すことを決意。
いろいろと試着してみるのだが、なかなかピンとくるものがない。超地味顔が故に、就活生然としてしまうのが原因。あーそうだ、だからこれまでも買ってこなかったんだっけ……と半ばあきらめかけていた時、ついに見つけたのがキャバンのダブルジャケットでした。
ダブルブレストで真面目さが緩和されるが、オーバーサイズすぎないからラフにも見えない。ボタンも全て黒で、いい意味で特徴がない。一瞬無難すぎるか?とも思ったが、シンプルな作りのジャケットって意外と見つからないので、これはいい出会いだと確信。ちなみにこちらはユニセックスなので男性も着用可能です。
会計の際、近くにあったステンカラーコートが目に入り「え、こっちの方が使えそう」と一瞬魔が差したが、「あの時買っててよかった」と感謝する自分の未来を思い浮かべ、購入に至ったのでした。

ビューティー担当。意外と(⁉)細かいおじさんたちの願望を満たす美容ネタを日々探求。犬と猫と暮らしており、ストレスの99.9%を彼らが癒してくれるため、基本的に機嫌がいい。圧倒的に犬派だったが、愛猫のおかげで猫の沼にも沈むことに。趣味はディープな街で酒を飲むこと。
02:COMOLI|ウールジャケット
この夏のエブリデイアウター
コモリが春夏コレクションにて展開している、暑い夏でも快適な薄手のウール素材と、そのネイビーの発色が好きで毎年購入しています。これまでジャケットは2B仕様だったのですが、この夏は3Bになり、胸ポケットや袖のボタンもなくなって、テーラードジャケットとカバーオールのハイブリッドのような仕様に。確か2020年秋冬の試着フェスで1位を取ったサルバトーレ・ピッコロとのコラボジャケットも似たような仕様でしたよね?
オンオフ問わずガシガシ着られるこの3Bがとても気に入ったので、今シーズンはマイ定番のネイビーに加えて、このネイビーベースのストライプ柄も手に入れました。無地のネイビーと違い、シアサッカーのようなやや凹凸のある素材で、夏場の涼感にも期待できそう。共地のニータックパンツとのセットアップ×2で、今年も暑くなりそうな夏を乗り切るつもりです!

ワードローブのほとんどのアイテムがネイビーの“ネイビー男子”。愛犬家、コーヒーより紅茶派。コラボじゃない “素のユニクロ”を研究する「世界一詳しいユニクロ・スタンダード学」を連載中。
03:Navy blazer Store|ネイビーブレザー
肩肘張らないオーダー
とにかくジャケットが似合わない。それでも友人の結婚式があり、あらためてスーツを作ろうとしたら、子供の「発表会」を彷彿とさせるめちゃくちゃタイトなシルエットをごり押しされて、ドレスの王道で作るのは断念していた。
もっとゆるいノリでオーダーを受けてくれるところがあればと思って、ネイビーブレザー豪徳寺に行ってみたら、期待通りだった。オーナーの小林さんと気軽に話しながら、自分の体型に合う、好みのゆったりシルエットを提案してくれるのが最高。
裏地は蛍光イエローにするか悩んだが、ベーシックなネイビーをチョイス。セットアップではなくて、ブレザーだけで着てもよさそう。ついに「発表会」でもなければ、「制服」でも「就活」でもない、理想的なブレザーのセットアップを手に入れることができました。

カルチャー・食担当。トレードマークは、ボリューミーなパーマ(入稿・校了時、1.5倍増)。一年中ほぼシャツ、冬だけニットもあり。年始に琺瑯鍋とフライパンを新調したので、きちんと自炊ができるようになりたい。
04:AURALEE|LAMA SHETLAND WOOL TWEED OVER JACKET
重厚だけど、いい意味で軽い存在
冬になるとワードローブ内のオーラリー率がぐっと上がる。主には名品ベビーカシミヤのニットシリーズなんだけど、先日急に気温が落ちた日にはじめて袖を通したのが新作ツイードジャケット。
ウールとアルパカ混紡のツイードは、重厚な見た目だけど思ったより軽い。そして緩いボックスシルエットと比翼仕立ての前合わせ。このいい意味での適当さが、ツイードジャケットにありがちな融通の効かないコンサバムードをいなしてくれてる。カバーオールくらいの気持ちで身頃のポケットに手を突っ込んで羽織りたい。
この使い勝手のよさ、30代の頃によく着ていた(が、今ではタイトすぎて着られなくなった)ポール・ハーデンのツイードジャケットを思い出しました。

ワードローブは、アウトドアやミリタリーものから唐突なハイブランドまで混ぜたもん勝ち。恒例「試着フェス®」発案者だが、ショップに行く暇を惜しみ、試着ゼロ状態で衝動的に通販しがち。好きなモノは、深夜の飲酒からの寝落ち。MT車の運転。スノーボードとキーボード。
05:A.PRESSE|ダブルブレステッドジャケット
初参加の「Watches and Wonders」用に
2025年3月下旬、俺は途方に暮れていた。なぜか? 目前に迫ったスイス・ジュネーヴでのWatches and Wondersの取材に着ていくジャケットがなかったからだ。俺は自慢じゃないが極端なジャケット弱者で、スーツはさておき、ラペル付きのジャケットを単体で着ることはほぼない。持ってないし。しかし初参加となるこの時計のイベントは、通いなれたパリやミラノのファッションウィークとはかなり雰囲気が異なり、ジャケットやセットアップを着たほうがいいんだという。郷に入っては郷に従え。俺はジャケットを探すことにした。
仕事の合間に表参道でギャルソンやコモリやレショップのお店をのぞき、週末には、約2年ぶりに白金のビオトープに足を運んだ。でも、これはという一着が見つからない。しかしデッドラインは近づいている。やむを得ずオンラインでの捜索に切り替えたところ、真っ先にヒットしたのがアプレッセのジャケットだった。ウールの黒で、ややオーバーサイズのダブルブレステッド。そうか、ダブルという存在を忘れていた。カジュアルな服が多い俺には、オーソドックスなシングルより、ファッション感の強いダブルのほうが合うかもしれない。現物を置いてそうなお店に心当たりはないから、試着はできない。ジャケットなのに。でも今買えば明日には届くから、もし着てみて失敗だった場合、ギリギリ出発前日に買い物に出ることは可能だ(アテはないけど)。ええい、ままよ…! ポチ!
4月1日、ジュネーヴ・コルナヴァン駅前のホテルからW&Wの会場に向かう俺は、コム デ ギャルソンのストライプシャツにアプレッセの黒のワイドパンツを合わせ、同じくアプレッセの黒のダブルのジャケットを羽織っていた。周りの人たちに比べるとオーバーサイズでややくだけた感じだったが、決して浮いた存在にはなっていなかった。俺は賭けに勝ったのだった。

身に着けるモノの中では365日かけているメガネが一番大事だが、気分屋で服装には一貫性がなく、白髪に合えばなんでもいい。大阪府出身。お好み焼きと立ち飲みと電車と野球が好き。