ファッションの現場で働くおしゃれな大人たちが、私的愛用品をレビュー。スタイリストの豊島さんがTHE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)の「トライアンフ アノラック」を推す理由とは? その魅力と着こなし方について聞いた。
モードからストリートまで幅広いジャンルのメンズファッション誌をはじめ、ブランドのルックブックや広告などのスタイリングを手がける。定番品の影に隠れた知られざる名品やジャンルを超えたアイテムのリサーチ力は業界でも評判。
ミニマルなアノラックとの出会い
「購入したのは2〜3年前です。当時、アノラックをいろいろ調べていて、トライアンフシリーズから久しぶりに新作が出ると知りました。見つけた瞬間、売っているなら今のうちに買っておこうと思ったんです。
ゴアテックス素材のアノラックって、実はあまり多くないんです。しかもこのモデルはロゴが同色で、ほとんど主張がない。そのミニマルさに惹かれました」
「止水ジップ、ワンポケット、パッカブル仕様。必要なものだけを残したような構造で、余計な装飾がない。色は濃いネイビーで、黒にも近い深さがあって、ワントーンでまとめたときにすごく馴染むんです。
アウトドアブランドの中でも、ノースフェイスとアークテリクスは街に合わせやすい機能服としてよく選びますが、このアノラックはまさにその代表。見た目も用途もミニマルで、自分のスタイルとちょうど良く噛み合いました」
自転車移動で際立つ実用性
「僕は都内移動のほとんどが自転車なので、傘をさす選択肢がない生活です。だから、ちょっとの雨をどうしのぐかが重要なんですけど、このアノラックはそのニーズにぴったり。
ゴアテックスとはいえ、プロ仕様のハードシェルほどの堅牢さではない。でも、小雨程度なら十分耐えてくれる。軽いし、バッグに入れても邪魔にならないし、必要なタイミングでさっと羽織れる。この軽快さが日常で効いてくるんです。
「さらに同色ロゴでスポーティすぎる印象が出にくいので、街で着ても馴染む。機能服なんだけどあくまで自然体、というところが気に入っています」
スラックス合わせで大人仕様に
「街でアノラックを着るときは、合わせ方で印象が大きく変わります。僕はほぼスラックスと合わせると決めています。裾を少し絞って短丈っぽく見せ、インナーはタートルネック。靴は革靴。
逆にスウェットと合わせると、ちょっと“日曜日感”が出てしまうんですよね(笑)。ミニマルなデザインだからこそ、きれいめのアイテムで引き締めたほうが大人っぽくまとまります」
「色数もできるだけ抑えます。ネイビーにネイビー、あるいは黒を一色足す程度。スポーティなアイテムほど、色を絞ったほうが上品に見えるんですよね。このアノラックは、そのルールが特にハマる一着です」