ファッションの現場で働くおしゃれな大人たちが、私的愛用品をレビュー。今回はUNDECORATED(アンデコレイテッド)のデザイナー・河野貴之さんが愛用するエルメスの「シティ 8CC カードケース」。約8年前、キャッシュレス化をきっかけに選んだ薄財布は、今も手放せない存在だ。その理由を聞いた。
ファッションブランド「UNDECORATED(アンデコレイテッド)」デザイナー。素材開発からパターン設計まで一貫して手がけ、上質な日常着を提案。古着やヴィンテージから得た知見を現代的なデザインへ落とし込む手法でも知られる。UNDECORATED 2026年春夏コレクションが発売中。
キャッシュレス時代に合わせて選んだ
手ぶら派にとって理想の財布だった
「基本的にバッグを持たないんです。できるだけ手ぶらでいたいので、大きな財布をお尻のポケットに入れているのもあまり好きじゃなくて。だから財布もどんどん小さくしたいと思っていました」
「この財布はすごく薄いんですけど、意外と収納力もあるんですよ。入っているのはクレジットカードが2枚、銀行のカード、マイナンバーカード、それに少しのお札くらい。たまに名刺が入っていることもあります。今の僕には、それで十分なんです。
実際、この財布を買ってから8年近く経ちますけど、こんなに長く同じ財布を使ったのは初めてですね」
買い替えたいのに、買い替えられない
「気に入っているのは、一見シンプルなのに少しだけエッジが効いているところです。両面ともカードが見える構造だったり、細かなカッティングだったり。普通のカードケースだと少しおじさんっぽく感じてしまうんですけど、これはモダンな雰囲気があるんですよね」
「エルメスというブランド自体も好きですね。もちろん憧れもありますけど、何よりものづくりに真摯に向き合っているところに惹かれます。クラフトを大切にする姿勢は、自分自身が服作りをする立場としても尊敬しています。
実際、ヨーロッパへ行くたびにエルメスの店舗は見ているんですけど、これ以上に『欲しい』と思える財布がなかなか見つからなくて。だから結局、今もこれを使い続けています。
手入れはほとんどしていないので、コバも剥がれてきていますけど(笑)、それも含めて気に入っています。たぶん、また同じものがあったら買うと思いますね」

