2022.11.30

落語家・春風亭昇々「パンツはわりと高座の上で死んでいます」

たかがアンダーウェア、されどアンダーウェア。いつもはまったく気にも留めないけれど、いま一度、真剣に対峙してみたら深遠な価値観や哲学がそこにはあるのか、ないのか。

落語家・春風亭昇々「パンツはわりと高座のの画像_1

パンツはわりと高座の上で死んでいます

落語家/春風亭昇々さん

落語家  春風亭昇々さん
仕事柄、着物を着ることが多い昇々さん。これまでアンダーウェアはいろいろと試してきたが、今はボクサーショーツに落ち着いているとか。 「高座ではけっこう動いているんですよね。トランクスだとずり上がってきちゃうから、ぴったりしているほうがいいかなってことで、今はもっぱらボクサーショーツです。 ちょっと前までははかないでやったりしたこともあったんですよ。下っ端はよく先輩から怒られたりするんですけど、そういうときにノーパンでいると、『あんた、怒っているけど、怒るところはそこじゃないよ。もっとすごいことをしているんだよ』って思えるから、それで心のバランスをとるんです(笑)。 あと、ノーパンだとドキドキするから、何かテンション上がるんじゃないかなと思って、わざとはかないで高座に上がったりしたこともありました。それでも物足りなくて、ひどいときは女性ものの下着をつけて出たこともありましたね。ブラとパンツをつけるとシャキッとするんです。 まあ、ふざけてますよね。ただ、楽屋で着替えにくいというのがあってやめました(笑)。アンダーウェアはお客さんからいただくことも多いです。正座しているとパンツもぴんと張った状態になるから、ぐっと力を入れた瞬間にビリッと破れたりすることがあるんですよ。 高座の上で死にたいという噺家は多いですけど、パンツはわりと高座の上で死んでいます(笑)。実際、いくつあっても困るものではないから、いただけるのはありがたいです。 ゲン担ぎというわけじゃないですけど、高座でスベったときは、帯とか着物だけでなく、パンツとか足袋も含めて、そのとき着ていたものはしばらく着ないというのはありますね。 お清めしなきゃみたいな感じで、しばらく置いておくんです。逆に、ウケたら続けてはいています。もちろんちゃんと洗っていますよ」

PROFILE
1984年千葉県生まれ。2007年4月に春風亭昇太に弟子入り。’21年5月、真打昇進。今年から、郊外の古民家にて新生活をスタート。



Photos:Yoko Kusano
Hair&Make-up:Risa Fukushima
Text:Masayuki Sawada

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