Marcel Breuer
“Cesca Chair”

「バウハウスを代表するデザイナー、マルセル・ブロイヤーが娘のために作った椅子。娘の名前にちなんで“チェスカチェア”と呼ばれています。1920~30年代頃のデザインで、一般的な椅子のように4本脚ではなく2本脚で支える“カンチバレー構造”を発明した一脚です。籐張りというのも品があるし、脚がしなるのでふわふわと独特な座り心地も気持ちいい。デザインや座り心地だけでなくその椅子の背景を掘り下げるのも楽しいですよ。意外な発見から興味から広がるし、ストーリーも含めて好きになれるので」

水澗航さん

スタジオ ファブワーク ディレクター。「毎日座る椅子は家具の中でも一番身近な存在」という水澗さん。その造形美も魅力だという。「気軽に買えるものではないし、大事にするから雑に扱わない。すると所作も洗練される。日常使うものって無頓着なら無頓着なりの生活になるけど、こだわって選んだものが増えればそれだけ丁寧に暮らすようになる。椅子はそのきっかけでもあるんです」。最初に購入した椅子はアルヴァ・アアルトのスツール。


Photos:Mao Nakazawa