コートを着くずすなら「衣紋抜き」に限る。

宮田恵一郎さん(31歳/エディター)

「着こなしって結局“抜け感”だと思うんです」と宮田さん。「何でもカチッと見えすぎるのが嫌で。コート自体もトレンドはビッグサイズだし、足元も普段スニーカー。だったら着こなしももっとくずしたアプローチを考えるべきなんですよ」。氏が実践している“衣紋抜き”とは、本来女性の和服の着付けの一種で襟の後ろをずらして首元を見せる着方を指す。「言うなれば僕なりのカジュアルダウン。中の重ね着のラインがうっすら見えるくらいがベスト」。ちなみに夏のシャツも当然衣紋抜きなのだとか。

ネクタイのディンプル位置はあえてセンターから右にずらす。

田口雄一郎さん(29歳/エディフィス バイヤー)

入社8年目。現在ドレス部門のバイヤーを務める田口さん。もともとドレス志望ではなかったが細かなこだわりが凝縮された世界に触れるうち、自身も立派なおこだわり人に。「ドレスはディール命。タイはプレーンノットなのにセミウィンザー以上にふんわり仕上げているのもそうですが、ディンプルを中心でなくあえてちょっと右寄りにずらすのがこだわり。たとえるならシャツはキャンバス。ネクタイという絵の具でどんな絵を描くか?と考えたときに絵画同様、完成された美しさはつまらないな、と。デカダンスの美学です」。

バーバリーのマフラーはニットのゲージに応じて柄の大小を使い分ける。

小澤匡行さん(39歳/エディター)

お馴染み“東京スニーカー氏”は、足元だけでなく首元にもうるさかった! 「左は学生時代から持っている細かい柄、右は最近購入した大柄のバーバリー。どちらも今はネイビーのニットに合わせることが多いのですが、あるとき、同じような格好でもずいぶん印象が違うもんだなとふと気づき…。そこから最適な組み合わせを検証してみることに」と小澤さん。普通なら繊細なハイゲージに細かいチェック、ざっくりしたローゲージには大柄チェックと思いがちだが…。「それが逆なんです。若い学生時分ならそれでもいいんですが、40歳男子の自分にはハイゲージに細かなチェック柄だとちょっとセンシュアルすぎて…。逆にローゲージに大柄もかわいらしくなりすぎてしまう。結果、反対の組み合わせが最適だという結論に至りました。ただ、これだけは間違いなく言えますね。『バーバリーのマフラーは2本持っていて損はない』と」。

ニットの肩巻きはあえて「余計なことは何もしない」。

関 隼平さん(38歳/ファッションインプルーバー)

「春夏はコットンのネイビーの丸首をシャツの上から、秋冬はウールのネイビーをコートの上から…年中ニットは肩掛けしています。いずれもハイゲージ。すれて毛玉ができやすいので1年ごとに新調します」。ただ着こなしは意外にも「なるべく色気を出さず心を無に…。“あの人頑張ってるなあ”って思われたくない。“体温調整でパッと巻いただけ”風に見えるのが理想。だから動いて少々形が崩れても我慢して触れない(笑)」。これすなわち“無作為”へのこだわり!


Photos:Teppei Hoshida