2020.03.30

4人の大人がいつもの私服とMIX。サンローラン、アルマーニ、プラダ、グッチのジャケットをはおってみたら

ラグジュアリーブランドのジャケットはなぜかっこいいのか? シルエットがいいから? 生地がいいから? それとも…。職業も年齢も異なる4人の男たちが私服とミックスしたセルフコーディネートで着こなし、その理由を考えた。

長塚健斗さん(WONK ヴォーカル)が SAINT LAURENTのストライプジャケットを着てみた

4人の大人がいつもの私服とMIX。サンロの画像_1

美しくて男らしい。着るだけで高揚感に包まれる

「昔からジャケットとかシャツとか、ドレッシーな要素のある服が好きなんです。このジャケットもまさに自分の好みのど真ん中。しかも昔から大好きなサンローラン。シルエットが細身で美しく、どこか女性的なところもあるけれど、その中に普遍的な男らしさもある。着るだけで高揚感に包まれますね」
 そんなジャケットをどれだけ自分らしく遊べるかが今回のテーマだったのだそう。
「シンプルに差し色で遊ぶのがベストだと思いました。僕ははっきりした色があまり似合わないので、自分らしい褪せた色合いの古着のシャツをインナーに。パンツは最近は太めが気分だったのですが、ジャケットのシャープな魅力を損なわないようにアニエスベーのスリムスラックスを合わせました。サンローランのジャケットはモードの象徴のようなアイテムだから着る人を選ぶものという先入観がありましたが、そんなことはない。主張は控えめでちゃんと個性を生かしてくれる素晴らしいジャケットでした」

ジャケット¥300,000/サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ(サンローラン クライアントサービス) その他/本人私物

KENTO NAGATSUKA
ジャズやソウル、ヒップホップを自由な解釈でミックスし独自の音楽を生み出す4人組バンド「WONK」のヴォーカル・フロントマン。


原 太一さん(シェフ)が GIORGIO ARMANIのカシミヤブレザーを着てみた

4人の大人がいつもの私服とMIX。サンロの画像_2

今まで味わったことのない軽やかな着心地です

 服は基本的にはシンプルで作りのいいものが好みだという原さん。ブランドに強いこだわりはなく、ラグジュアリーブランドの服に袖を通すことはほとんどなかったそう。
「でもやっぱり着てみると品質の違いがわかりますね。カシミヤ100%ですから素材が別格なのはもちろんですが、はおったときにしっくりとおさまる感じに縫製のよさも実感するというか。今まで味わったことのない軽やかな着心地です。オーセンティックなネイビーブレザーですが、ボタンにブランドのアイコンである『GA』マークがさりげなくあしらわれていて、この年ならそれもいいなと思える。ワンランク上のステイタスを感じます」  合わせたのはフィグベルのチノパン。コーディネートはあくまでトラッドに。
「最近はドレスコードのあるレストランも減ってきたので“汚くなければいいか”くらいの感覚で洋服を選んでいましたが、試着してみて身が引き締まりました。ジャケットってやっぱり気分が上がりますね」

ジャケット¥540,000/ジョルジオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン) その他/本人私物

TAICHI HARA
シェフ。2011年にBistro Rojiuraを、’15年にPATHを後藤裕一シェフパティシエと共同でオープン。’19年にオープンした多国籍料理店LIKEも人気。


熊野宗寛さん(茶道家)が PRADAのダブルジャケットを着てみた

4人の大人がいつもの私服とMIX。サンロの画像_3

素材も仕立ても上質なので、はおるだけでキマりますね

「仕事柄かしこまった場所に出向くことも多く、スーツはよく着るのでジャケットにも抵抗はありませんが、チェックは初めて。基本的にネイビーなど目立たない地味なものが好みなのですが、違和感なく着られたのが新鮮でした。チェックといっても柄が立ちすぎていないから派手じゃなく、生地も薄手で軽いからクラシックになりすぎないのがいい。ボクシーなシルエットも普段着にすんなり馴染んでくれた理由かもしれません。素材も仕立ても上質なので、さっとはおるだけで見映えするところもいいですね」
 実は熊野さんはプロスケーターとしてシーンを牽引するほどの実力の持ち主でもあり、今は茶道家とスケーターの二つの顔をもつ。ということは服の好みにも二面性はある?
「まったくありません。はきやすいジーンズにエメリカのスケートシューズというのがいつもどおりのスタイル。いつもラフだからこそ、カジュアルに着られるこういうジャケットが一着あれば、すごく重宝しそうです」

ジャケット¥296,000(予価)/プラダ(プラダ クライアントサービス) その他/本人私物

SOUKAN KUMANO
裏千家茶道准教授。古流松濤派華道副家元。本名の赤熊寛敬ではプロスケーターとしても活動。その名を知らない人はいないほどの実力者。


リヒト(UOMOモデル)が GUCCIのモールスキンジャケットを着てみた

4人の大人がいつもの私服とMIX。サンロの画像_4

懐かしいモールスキンが、今また新鮮です

「まず素材がコットンツイルやウールギャバジンではなく、柔らかいモールスキンっていうのがいいですよね。以前はよく使われていて結構好きな素材だったのですが、そういえば最近あまり見なかった。今また新鮮です」
 表面が微起毛したマットな素材感が特徴的なモールスキンはワークウェアの定番素材だが、実はコーディネートがしやすいそう。
「パリッとしすぎないカジュアルさがあるから気恥ずかしくなく、合わせるアイテムを選ばない。それでいて程よい高級感もあっていつものスタイルが格上げされて見える。すごく使い勝手のいいジャケットだと思います。それに今回試してあらためて思いましたが、グッチのジャケットは仕立てが本当にいい。抱擁力があって着ていて気持ちがいいです」
 そしてもう一つ。このシルエットもおじさんにちょうどいいとリヒトさんは言う。
「適度にゆったりとしたシルエットが、着やすいし絶妙に今っぽい。僕にちょうどいいバランスだと思いました」

ジャケット¥255,000/グッチ(グッチ ジャパン) その他/本人私物


グッチ ジャパン クライアントサービス TEL:0120-99-2177
サンローラン クライアントサービス TEL:0120-952-746
ジョルジオ アルマーニ ジャパン TEL:03-6274-7070
プラダ クライアントサービス TEL:0120-451913

Photos:Naoya Matsumoto
Text:Jun Namekata[The VOICE]
Cooperation:Toshihiro Oku

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