2020.03.23

【大人のジャケット道】「必要なのは時代にあったフィット感」ファッションディレクター/大住憲生さん

ジャケット選びや着こなしを理解しても実践できるかは別。手っ取り早いのは、実際にかっこよく着こなしているお手本にしたい先輩に直接話しを聞いてみること!

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大住憲生さん ファッションディレクター

 ジャケット歴は、ファッションの仕事を始めてから着ているので、かれこれ45年になります。20代後半は肩が大きく張った着丈の短いダブルブレストを、30代になるとスモックみたいなシルエットでパッチポケットの3つボタンを、というように、ヨーロッパのデザイナーズブランドのジャケットばかりを選んで、時代の気分というか、流行にカブレて、いろいろ袖を通してきました。
 そんな僕が考える大人ジャケットに必要な条件は「フィット感」。ジャストサイズは前提条件として、レギュラーフィット、スリムフィット、ルーズフィットなどを、そしてまた時代にフィットしたものを選ぶのが大事です。だからテーラードはオーダーメイドで、テーラーと相談しながらフィット感を決めています。ここ数年はダブルブレストばかりを注文。色はネイビーブルーが多いです。
 ネイビーはどんな社会にもフィットする色。つまり無難な色です。「難が無い」という素晴らしい特性がある。自在ですから、ショッキングピンクのニットやオレンジレッドのトラウザーズを合わせると「派手好きな大人」という、美しい誤解を獲得することもできる。ぜひ、好みのフィット感のある大人ジャケットを選んでファッションを楽しんでくださいね。

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ナポリで修業して帰国した日本人テーラーへ英国製の生地でフレンチ風に、と注文したネイビーのダブルブレスト。スリムフィット。

PROFILE
1954年熊本県生まれ。さまざまな媒体でエディトリアルディレクター、ファッションディレクターを歴任。2015年より大学講師を務めるなど活躍。


Photos:Kanta Matsubayashi
Illustration:Akira Sorimachi

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