J.M.WESTONの180 シグニチャーローファー

「こんなに緊張感をもって
履く靴って、ほかにはなかった」

坂田真彦さん/Archive & Style 代表
「21歳のとき、僕が初めて高いお金を出して靴を買ったのが、パリのシャンゼリゼの本店で手に入れたジェイエムウエストンのローファー『180』。僕はブラックカーフにラバーソールの組み合わせが好きで、今のこれは2代目です。当時のジェイエムウエストンは寸分たがわず足型をきっちりと計測して、痛いくらいジャストフィットするサイズの靴しか売らない厳しいお店だった。『きついなー』と思いながらも(笑)、そのストイックな姿勢と緊張感が僕には心地よかったし、大人の嗜みだと思ったんです。30年近く前のことですが、今も同じ場所にお店があって、そのときとほとんど変わらないものを買うことができる。当時の感動を今でも感じることができるからこそ、同じ思い入れをもち続けられるのかもしれません」


Allen Edmondsのケニルワース

「合わせで買った初めての茶靴は、
これからも履き続けたくなる一足だった」

池田尚輝さん/スタイリスト
「7年前にNYで買ったアレンエドモンズのコードバンのケニルワースです。当時ワードローブの革靴のほとんどが黒で、茶色を選んだのは初めてでした。そもそも購入のきっかけはアントニオアゾーロの茶色のスーツなんです。このスーツに似合う革靴がなくって、色を合わせるために。それからちょっとしてスーツは着なくなったんですが、スーツのために買ったこの靴のほうが出番が多くなって(笑)。きっと茶靴って僕の中で、単体ではなかなかたどり着かないコンサバなアイテム。だけど、スーツをきっかけに手に入れたものが、結果として今でも現役で残っている。あとから見るとそんな長く付き合えるものに自然と巡り合えるようになっていたことが、無意識に大人になれていたってことだと思います」


JOHN LOBBのシティⅡ

「10年たってもこれがいちばんだと、
同じように思える靴に出会えた」

小澤匡行さん/エディター
「約10年前、ハワイで購入しました。子どもができて『もう自由に服を買えなくなる』と思っていた若い自分は『一生着られる』という常套句をうのみにして、定番ものばかりを買うように決めました。クラシックやトラッドといったトレンドも追い風だったと思います。シティIIが発売された2007年当時、シティがアップデートされたという記事を読んだり、原稿に書くこともあり、とにかく憧れの存在でした。エドワードグリーンの202と迷いましたが、エルメス譲りの気品と英国の伝統的なオーバルトウの融合は完成されたフォルムだなあと、清水の舞台から飛び降りる気持ちで購入。初めて専用のシューキーパーを買い、手入れも勉強しました。僕にとって大人にしてくれる、という定義は、それを買えたから大人になるわけではなくて、10年使い続けてもまだそれがいちばんだと思えるものに出会うことだと思います。僕はこれ以上のフォーマルなストレートチップにはまだ出会っていません。そういう意味で大人になったきっかけの靴なんです」


new balanceの993

「時代を超えて愛せるか?
服選びにそんな基準をもつようになりました」

横町 健さん/BOTANIZE / anea cafe/ TOKYO BENTO STAND ディレクター
「思春期だった’90年代、スニーカー全盛期を過ごしながらヴァンズやアディダスなどさまざまなスニーカーを通ってきて、今あるコレクションは200足ほど。その中でトレンドにかかわらず履き続けているのがこのニューバランス993です。ハイテク感のあるデザインは一見合わせにくそうでいて、実はちょうどいいアクセントになる。気づけば10年履き続け、結果的に『一癖あっても本質的にいいものはいい』と思えるようになりました。日本は流行り廃りが起きやすい国ですが、それでも自分の美意識を信じると時代を超えて馴染むデザインがあるんですね。廃番品番なので海外でまとめ買いしています」


Aldenのメダリオンシューズ

「時代を超えて愛せるか?
この先もずっと人生をともにしていく予感」

サイトウ“JxJx”ジュンさん/ミュージシャン「YOUR SONG IS GOOD」
「結婚は人生の節目の一つ。その新婚旅行中、今、買わなければもう機会がない…と思い切って購入。そもそも’80年代に中学生だった僕の服装のルーツは憧れ込みでアメリカの普段着。動きやすいスニーカー一辺倒で、革靴は一足も持っていなかった。気づけば、30代。大人の嗜みとしていつかはと思っていたオールデンを試着したとき、革靴の何たるかを知らずに、大きく履きたいのでワンサイズ上を、と店員さんに伝えて絶対にダメだと怒られた(笑)。万能なプレーントウではなく、外羽根のメダリオンに魅かれたのも今思うと子どもでした。けれど結果的にライブやパーティと長く人生をともにしたオールデン、次こそは定番型を、と思っています」


Photos:Arata Suzuki[go relax E more] Shintaro Yoshimatsu Takahiro Idenoshita Teppei Hoshida Toru Yuasa Mitsuo Kijima[Cutout]
Hair&Make-up:ShinYa[Primal](Mr.Iseya) 
Stylist:Atsuo Izumi[Cutout] 
Text:Jun Namekata[The VOICE] Hisamoto Chikaraishi Takako Nagai

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