ジャケットはいつもの作業着にはおるくらいがちょうどいい

GIORGIO ARMANIのスエードジャケット と
ACE DROPのペインターパンツ「トレイズマン」

本気のペインターが愛用するパンツはニューヨークで70年以上も変わらず支持されている老舗ワークウェアブランドの一本。懐かしいヘンリーネックを合わせた質実剛健ないつもの服だ。そこにアルマーニ「らしい」色気が薫るダブルブレステッドのスエードジャケットをさらりとはおることで、お互いの「らしさ」が中和され、洒脱なスタイルが生まれる。スエードジャケット¥700,000/ジョルジオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン) パンツ¥6,637/エース ドロップ(ヤヨイ) Tシャツ¥16,000/メルツ ベー シュヴァーネン(アウターリミッツ) シューズ¥24,000/モンベル(モンベル・カスタマー・サービス) その他/私物


黒と色のコントラストは版画に似ている

PRADAのナイロンブルゾン と
GILDANのネオンカラーパーカ

版画工房「KIDO Press」にて、刷り上がりを見守る小畑さん。色のコントラストで表現される二次元の世界とリンクするような黒とネオンイエローの対比がこなれている。プラダを象徴するブラックナイロンの新作は、大きなマチが特徴のポケットが印象的なコーチジャケット。シックでありながらストリートな佇まいに、小畑さんも私服で愛用するギルダンのパーカが驚くほどマッチする。「パーカにチノパン、当たり前の格好に上品な黒が加わると緊張感が生まれますね」。ジャケット¥266,000(予価)/プラダ(プラダ クライアントサービス) パーカ¥3,200/ギルダン(ジャヌー・ツー) ユーズドのパンツ¥8,900/サンタモニカ 渋谷店 その他/私物


親近感のあるモノトーンで作品制作

DIORのカーゴパンツ と
JOHN SMEDLEYのカーディガン

普遍的な男のワードローブを揃える「ディオール エッセンシャル」には美しくテーパードした、いい意味で「らしくない」カーゴパンツがある。張りのあるコットンツイル生地でだらしなさは皆無。こんなシュッとした下半身には負けないくらいピュアな白カーディガンでストイックに。昨年登場したジョン スメドレーのオーバーサイズな「セーターシリーズ」に春らしいコットンが仲間入り。これぞ40歳男子の優しいモノトーン。パンツ¥105,000/ディオール(クリスチャン ディオール) カーディガン¥34,000/ジョン スメドレー(リーミルズ エージェンシー) スニーカー¥4,700/ヴァンズ(ヴァンズ ジャパン) Tシャツ¥16,000/メルツ ベー シュヴァーネン(アウターリミッツ) その他/私物


大事なのは黄金比からの絶妙なハズし方

SAINT LAURENTのコットンニット と
Wranglerのドレスジーンズ「ランチャー」

二足で自立する小畑さんの彫刻作品には計算し尽くされた全身比率がありながらも、安定よりも独特な浮遊感を生む「ハズシ」が垣間見られる。首元や裾にダメージ加工が施されたコットンニットも、わずかにフレアした名作ドレスジーンズも、正調からのハズし方が絶妙だ。ニット¥90,000・Tシャツ¥39,000/サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ(サンローラン クライアントサービス) パンツ¥11,000/ラングラー × シップス(シップス 渋谷店) シューズ¥22,000/ドクターマーチン(ドクターマーチン・エアウエア ジャパン) 「B-GIRL DOWNJACKET NAGAME OHKIME」(ポリストーン製)※最新情報などは小畑氏インスタグラム(takuobata)にて。


レセプションでの自己主張は控えめに

HERMÈSのシルクタイ と
ALPHA INDUSTRIESのMA-1

エルメスのシルクタイには毎シーズン男心をくすぐられまくっているが、オレンジのラインを見たときミリタリーを思い出した。ドレスシャツにタイドアップで、王道なネイビージャケットの代わりにネイビーのMA-1を合わせて「らしく」着ないのが正解だ。「MA-1は僕にとっての定番アウター。いつもオリーブカラーを愛用していますがネイビーも締まって見えていいですね」。タイ¥46,000・シャツ¥72,000/エルメス(エルメスジャポン) ブルゾン¥18,800/アルファ インダストリーズ(エドウイン) ユーズドのジーンズ¥40,000/ジャンピンジャップフラッシュ ベルト¥12,000/マーティン フェイジー(グラストンベリー ショールーム)


疲れた身体をほっと包み込んでくれるカシミヤがあれば毎日幸せ

BURBERRYのカシミヤセットアップ と
GD by James Mortimerのチェックシャツ

英国といえばニットとシャツ。B-BOYにとっての定番、スウェットのセットアップがもしカシミヤになったら…。そんな妄想をかなえたバーバリーのセットアップはもたつかないシルエットが秀逸。シャツはおとなしい無地より英国老舗ジェームスモルティマーのにぎやかなマドラスチェックが気分だ。ニットパーカ¥135,000・ニットパンツ¥120,000(ともに予価)/バーバリー(バーバリー・ジャパン) シャツ¥16,000/GD by ジェームスモルティマー(グラストンベリー ショールーム) カットソー¥13,000/サンスペル(サンスペル 表参道店) スニーカー¥7,000/ヴァンズ(ヴァンズ ジャパン) 真空ボトル¥6,000/スタンレー(ビッグウイング) その他/私物


この人はこう、このブランドはコレ、といった固定観念を超えてゆく

Ermenegildo Zegnaのヘリンボーンキャップ と
Stüssyのジャカードシャツ

エルメネジルド ゼニアならドレスアイテム、ステューシーならストリートアイテムといった固定観念を取り払った自由な着こなしができる人こそ大人。キャップは「らしい」ヘリンボーン柄で、シャツは「らしい」ロゴものという攻め具合がニクイ。(右)キャップ¥47,000/エルメネジルド ゼニア(ゼニア カスタマーサービス) シャツ¥19,800/ステューシー(ステューシー ジャパン) カットソー¥13,000/サンスペル(サンスペル 表参道店)

(左)「B-BOY DOWNJACKET NANAME」(ブロンズ製)・(同中・左)「SOFB BOY」(ソフトビニール製)ともに完売
※小畑氏の作品などに関する最新情報はインスタグラム(takuobata)にて随時発信。編集部へのお問い合わせはご遠慮ください。




これまでの彫刻の概念にとらわれない先鋭的なスタイルで注目され、木彫をもとにしたソフトビニール製の「ソフビーボーイ」は発売と同時に即完売するコレクターズアイテムとなっている、彫刻家の小畑多丘さん。作品だけでなく精悍なルックスと独自のスタイルから、本誌でもたびたびモデル出演してもらってきたが、夏の個展へ向けた実際の制作現場で撮影し、初めて本人にファッションへの思いを聞いた。
「僕の作品は’80~’90年代初頭のヒップホップファッションと、そのときのダンスの動きがモチーフになっています。ジャージー、ウインドブレーカー、ダウンジャケットを自分なりの形にデフォルメした『服』と高校時代に始めたブレイクダンスで自分の好きな動きの『身体』とのバランスだけで木彫でしかあり得ない形を追求しています。現代の流行服は意識的に取り入れていません。服と身体の関係だけでどこまで不思議で緊張感があり、自分が主観的にカッコいいと思える形、動き、空間を作れるかを意識して制作しています」
 つまり小畑さんの作品はファッションと密接なかかわりがある。自身のファッションについてはどうだろう。
「根底にある好きなスタイルはB–BOYですが、自分がそのまま着るとコスプレになってしまうので気をつけています。自分が作品より目立ってはいけないので。今回撮影したラグジュアリーブランドの服は身体的な着心地が抜群にいいものばかりですが、制作で汚さないように気を遣うし、今の自分には精神的な居心地はちょっと…(笑)。自分が大人になれたとき、そこもよくなるのかもしれませんね」



TAKU OBATA
1980年埼玉県生まれ。2008年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。ブレイクダンスをベースとした木彫が話題となり、今最も注目を集めるアーティストの一人。JAPAN HOUSE LONDONにて作品を展示中で、夏にはKIDO Pressにて個展を開催予定。


アウターリミッツ TEL:03-5413-6957
ヴァンズ ジャパン TEL:03-3476-5624
エドウイン カスタマーサービス TEL:120-008-503
エルメスジャポン TEL:03-3569-3300
グラストンベリー ショールーム TEL:03-6231-0213
クリスチャン ディオール TEL:120-02-1947
サンスペル 表参道店 TEL:03-3406-7377
サンローラン クライアントサービス TEL:120-95-2746
シップス 渋谷店 TEL:03-3496-0481
ジャヌー・ツー TEL:03-3797-4435
ジョルジオ アルマーニ ジャパン TEL:03-6274-7070
ステューシー ジャパン TEL:0548-22-7366
ゼニア カスタマーサービス TEL:03-5114-5300
ドクターマーチン・エアウエア ジャパン TEL:03-6746-4860
バーバリー・ジャパン TEL:0066-33-812819
ビッグウイング TEL:06-6167-3005
プラダ クライアントサービス TEL:120-451913
ヤヨイ TEL:03-3833-5238
リーミルズ エージェンシー TEL:03-5784-1238

Photos:Seishi Shirakawa 
Hair:Kazuya Matsumoto[W] 
Stylist:Junichi Nishimata 
Model:Taku Obata 
Cooperation:KIDO Press