形、色、丈…豊富になり続ける
デザインから、最高の一着を選ぶには

ー MEMBERS ー

片貝 俊  スタイリスト

片貝 俊 | スタイリスト

本誌をはじめ、ファッションブランドのヴィジュアルや広告制作でも活躍。ダウンのもこもこ感が大好き。

吉川基希 BEAMS ディレクター

吉川基希 | BEAMS ディレクター

BEAMSにてメンズカジュアルのディレクションを担当。自身でダウンジャケットのデザインなども行っている。

綾 瞳 会社員

綾 瞳 | 会社員

服飾資材専門商社に勤務。試着フェスでもファッション愛あふれるコメントを連発。服に詳しすぎる会社員。

田窪 朗 山荘 飯島 オーナー

田窪 朗 | 山荘 飯島 オーナー

アウトドアはもちろん、ストリートなアイテムまで並ぶ、知る人ぞ知る登山用品店「山荘 飯島」のオーナー。

吉﨑哲一郎 UOMO 副編集長

吉﨑哲一郎 | UOMO 副編集長

UOMO副編集長。肩幅の広さゆえに、全体的にデカめでボリューミーなダウン一択。機能は二の次でいい。


ー MY BEST DOWN ー

Supreme

片貝 Favourite

Supreme

「主役級のピンクがかわいげなシュプリーム定番のプルオーバーダウンジャケット。毎シーズン、新しいカラーが出るので、その都度買い足しちゃうんですよね」


BEAMS

吉川 Favourite

BEAMS

「丸いフォルムとショート丈とのバランスが今っぽい。トレンドの短丈シルエットで、大人がトライしやすい落ち着いたトーンのグレーにしているのもポイントです」

DAIWA PIER39

綾 Favourite

DAIWA PIER39

「まさに主役としてのダウンベスト! ’70年代のクライマーが着ていたアイテムを彷彿させるヴィヴィッドなイエローとワイドなシルエットがレトロでかわいい」


WESTERN MOUNTAINEERING

田窪 Favourite

WESTERN MOUNTAINEERING

「ダウン専業ブランド、ウエスタンマウンテニアリングの定番ダウン。シンプルなデザインで機能性に振り切っている、これくらいストイックなのが好みです」

COMOLI

吉﨑 Favourite

COMOLI

「コモリらしい無駄を削ぎ落としたアノニマスなデザイン。もともとダウンベストに苦手意識がありましたが、このミニマムさにひと目惚れ。レイヤードの最高の相棒」



ダウン座談会の様子

ダウンに求めるのは
機能性? ファッション性?

吉﨑 皆さんにお気に入りの私物ダウンを持ち寄っていただきましたが、やっぱり最近のダウンは多様化していますね。アウトドアブランドからファッションブランドまで色も形も丈もボリュームもさまざま。ダウンジャケット派もいれば、ベスト派もいますよね。

吉川 本当にデザインが豊富になっています。とはいえ今や東京でダウンってオーバースペックですよね。ダウンがなくても生活はできますし…本当に必要な場面は、初詣で長時間並ぶときくらい(笑)。だからこそ防寒というよりファッションとしてダウンを着てる人が多い印象。もともとカルチャーとひもづいてるアイテムですからね。’80年代のヘビーデューティ、’90年代のストリートやヒップホップシーン、2000年代に入るとモンクレールのようなラグジュアリーブランド、その後はカナダグースが席巻…と時代性を語るうえでも重要なアイテムかと。

 確かに僕が持ってきたダイワピアのダウンも、’70年代のアウトドアウェアのデザインを踏襲したもの。それが今また流行っているのも面白いです。

片貝 僕も機能面を気にしたことはないですね。今日持ってきたシュプリームの私物もデザインが気に入って色違いで4着持ってます。街着に適したスペックでいうと、軽量なモンベルの定番ダウンくらいでちょうどいい。

 僕はダウンベストに落ち着きました。電車移動だとハードなダウンは暑いし、かといってインナーダウンだとつまらない。袖はいらないなと(笑)。

田窪 快適かつファッションも楽しめますよね。一方アウトドア系のオーバースペックダウンを、街でファッションとして着ているのもよく見かけますね。自分もそういうダウンを、ジャストではなく、2サイズアップで着たりしています。

吉川 ここ数年はアウトドアとファッションが融合して機能もデザインも優れたアイテムが増えているんですよね。

吉﨑 皆の私物のラインナップを見る限りだと、防寒やスペックよりファッション面を重視しているのかなと思いました。

今季のダウンのトレンドは?

吉川 今季は全体的にボリューミーで膨らみのあるデザインが人気です。さらに短丈でスタイリングのバランスがとりやすいもの。太いパンツとも相性がいい、今っぽいフォルムだと思います。

田窪 わかります。短丈&ボリュームでも絶妙なサイズアレンジが加わっているのが今っぽいんですよね。ゆったりとしたシルエットがボリュームを作っている印象です。

吉﨑 自分が着るとキャラクターのミシュランマンみたいになりそうで苦手意識があったのですが(笑)、挑戦してみようかな。

片貝 レトロなムードのダウンも、今季流行していません?

 同感です。レトロデザインならラルフローレンのような古きよきアメカジ感が漂うものがきてますよね。一方で、’70年代、’80年代のレトロアウトドアを彷彿とさせる鮮やかな色のダウンも多い。そうしたダウンを、いろいろなファッションブランドがサンプリングしている印象です。

吉川 実は僕も去年、ダイワ ピア39のダウンジャケットを着まくっていました。’70年代のアウトドアカルチャー風のムードに、ワイドな身幅と大きなポケットで今っぽさもプラスされていてスタイリングしやすい。人とかぶることもありました。

 僕もこのベストを着ている日に何人かとすれ違って、目が合ってしまった。まさにトレンドですね(笑)。

片貝 派手な赤やイエローがかち合ったら、お互いに目立ちますね。

アノニマスなデザインか、
派手なカラーか。

吉﨑 僕はシンプルでアノニマスなデザインが好き。というのも、皆さんのようなこれまでのファッションの文脈を自分なりに解釈しながら着こなしに取り入れる人たちと違って、色モノやカルチャーのある服をおしゃれに着こなせる自信がない。だからブラックかネイビーがいいし、今日持ってきた私物もボリュームが出すぎないちょうどいいデザイン。主張しすぎないダウンが安心なんです

吉川 安心感も大切ですね。さらに着回しがきくデザインかどうかもダウン選びの基準になる気がします。

吉﨑 そうなんです。自分はわりと何にでも合うデザインがいい。ガチなアウトドアダウンをおしゃれに着ている人を見てうらやましく思ったりもしますが。

片貝 今日持ってきているものはピンクですが、僕も真っ黒のダウンは好きですよ。私物は黒か派手なカラーで二極化していて、どちらも汚れが目立たない。貧乏性なんで長く着られないものだと不安になりますが、実は派手な色って汚れが目立ちにくくて便利。知ってました?

 それは気づかなかった(笑)。僕は派手なカラーを思い切ってモノトーンのコーディネートに取り入れるのが好きですね。ダウンってスタイリングに占める面積が大きいじゃないですか。どうせなら馴染ませるより目立つもので遊び尽くしたい。発色のいいダウンベストを着こなしに効かせるのも、ここ数シーズンの傾向ですよね

吉川 派手なカラーは冬でも気分がアガります。ほかにも優しげなニュアンスカラーや都会的なキレイめなカラーが新鮮に映っています。

片貝 いくつかキーワードが挙がってきた中から正解はそれぞれにありますね。

ズバリ、ダウンに求めるものとは?

田窪 個人的には、アウトドアブランドならオーセンティックなものを選びたいし、ファッションブランドならトレンドのデザインに振り切りたい。ブランドのバックグラウンドも大切にしたいんですよね。

 なるほど。僕は一貫してファッション性を求めてしまう。最近はデザインが豊富なのでTシャツを見るノリでダウンをチェックしています。色モノが苦手な人も面積の小さいベストなら勝負できる。実際使い勝手もいいですし。でも職場の女子にはダウンベストって暑いのか寒いのかわからないと言われてしまう…。

一同 (笑)。

片貝 その「暑涼しい」感じこそいいじゃないですか! 冬にダウンベストとTシャツで過ごしたりしますよ。僕はやっぱりかわいげがあるものが好き。今年ももこもこしたやつを買い足すつもりですよ。

 どんどん増えて収納に困るやつだ(笑)。

吉川 ちなみに僕は圧縮袋にダウンを入れて掃除機で吸って収納してますが。

吉﨑 それは…ダウン、買い放題ですね。


この冬欲しい
ダウンキーワード

01最旬シルエットは短丈&ボリューム

02あらためて新鮮なレトロダウン

03主張しすぎないアノニマスなデザイン

04ダウンベストで色を効かせる



Photos:Shinsaku Yasujima  Yoshio Kato(Still) 
Text:Takako Nagai
Cooperation:PACIFIC FURNITURE SERVICE