【沖縄】おしゃれな大人がときめく「米軍払い下げ品」は青空の下に眠っている
米軍隊で使われていたか、大量にストックされていたものの不要になって民間に払い下げられた物品=払い下げ品(放出品)。近年数量が減ったといわれている稀少なアイテムを掘るべく、ハイシーズン目前の沖縄へ向かった。

【沖縄】おしゃれな大人がときめく「米軍払い下げ品」は青空の下に眠っている
米軍隊で使われていたか、大量にストックされていたものの不要になって民間に払い下げられた物品=払い下げ品(放出品)。近年数量が減ったといわれている稀少なアイテムを掘るべく、ハイシーズン目前の沖縄へ向かった。
沖縄 Okinawa
ときめく米軍払い下げ品は
青空の下に眠っている。

古きよき沖縄の面影を残す金武町でひときわ目をひく外観に思わず立ちすくむ。ミリタリーファンの間では語り草になっている、伝説の米軍払い下げ品店で、いざ宝探し。
米軍放出品の宝探しには
時間が足りない。

行き先はリゾートじゃない。
国道58号を行ったり来たり。
那覇空港に着いたらまず、A&Wのルートビアを飲むと決めている。クセの強い炭酸飲料の味は正直ちょっと苦手だが「沖縄、来たな」という気分になる。いつもと違うのは、行き先がリゾートホテルや海ではなく米軍払い下げ品店だということ。とりあえず情報収集も兼ねて、以前に唯一行ったことのある沖縄ミリカジへ車を走らせる。
那覇沖縄ミリカジ

入り口には基地のゲート由来の鳥居がある。さながら「ミリカジ詣で」だ。店主の仲村さんと話をする。「この3年で、払い下げ品はやっぱり減りましたね。以前は国道58号周辺にたくさん放出品店がありましたけど、閉めてしまったところもあります。セカンドストリートやマンガ倉庫とかのチェーン系中古品店のほうが面白いものがあるかもしれません。意外に思われるでしょうが、そういうお店には米軍人さんが直接不要になった支給品を売りに来るから、広い面積でミリタリーコーナーが作られているんですよ」。これはネットにはなかった情報だ。見回すと店内には空軍のトレーニングTシャツなど、他店の通販サイトでは見かけなくなってきたアイテムがたくさん陳列されている。また、中古の中でも良品や極上品など状態により細かく価格設定を変えている点が特徴で、軍モノに詳しくなくてもわかりやすくて良心的である。
米軍放出品専門店として、国際通りで長年愛される沖縄ミリタリーの聖地。商品は日々更新されるので、滞在中何度も通いたくなる。
住所:沖縄県那覇市松尾1-3-11 3階
TEL:098-943-0979
営業時間:11時~20時(季節により変動あり)
定休日:水曜
インスタグラム:@mirikaji
那覇PORTA AND GATE

期待どおりの戦利品と耳寄りな新情報を得てから、国際通りを挟んで反対側のエリアにあるポルタアンドゲートを初訪問。ちょうどひいきの関係者からまとまった入荷があったようで、店先のワゴン車には検品前の商品がドンと積まれていた。今すぐ掘り起こしたい衝動を抑えて、店内に入ると一見コワモテな店主の宮城さんが迎えてくれた。話してみると子煩悩な優しいパパであることがわかり、安心する。払い下げ品と聞くといわゆる軍モノばかりを想像しがちだが、その中には家族の私物や基地内で売られている子ども服、チャリティで作ったバッグなどもたくさん含まれている。「他店よりこういうニッチなアイテムは多いかもしれませんね。次回は米軍基地の一般開放日のタイミングで沖縄にいらっしゃると楽しいと思いますよ。コロナ禍で中止になっていたイベントが再開されて、フリーマーケットでは掘り出し物がたくさんありますから」。これを聞いて早くも再訪を誓う。ふとレジ下に目をやると、年季の入ったドッグタグ打刻マシンが。「ディスプレイとして飾っているお店は多いと思いますが、ウチは県内でおそらく唯一、現役でこれで打刻してオリジナルのドッグタグを販売しています」。沖縄の新スーベニアに認定。店を出る頃には15時を回っていた。平日夕方は渋滞がえげつないと聞いていたので遠出は断念。帰途の食事はアメリカ縛りにして翌日からの宝探し気分を盛り上げる。
米軍放出品のほかサンサーフなど通好みなセレクト品やデニムなどのオリジナルアイテム、メキシコからの買い付け品がラインナップ。
住所:沖縄県那覇市牧志2-16-19 105号
TEL:070-5489-4706
営業時間:12時~20時(季節・都合により変動あり)
定休日:水曜(季節・都合により変動あり)
インスタグラム:@portaandgate
那覇嶺リサイクルショップ

翌日はウワサに聞いていた嶺リサイクルショップへ。その道28年、75歳の店主・与那嶺さんが一人で毎朝の買い付けから仕入れ後の洗濯、販売まで行っている。

最初は言葉少なでビビったが、僕のはいているパンツを見て「それ海軍だね。珍しいね」とポツリ。旅の服装を米軍放出品でまとめてよかった。それをきっかけに、初耳の事柄をたくさん教えてくれた。30年前は陸・海・空軍・海兵隊すべて同じカモ柄だったけど、今は組織ごとに細分化されているとか、自身のお昼ご飯は毎日レーション(軍配給の保存食)だとか。ちなみに好きなメニューはビーフシチューらしい。ひと口いただいたが、冷たいけど悪くない味だった。商品は言い値だが全部お手頃価格。この旅でいちばん幸せな時間だった。帰りには中古チェーン店にいくつか寄ったが目ぼしい収穫はなく今回の旅は終了した。
商品に値札はついておらず、欲しいものが見つかったら価格はその都度、店主に確認する。屋内にも商品は山積みになっている。
住所:沖縄県国頭郡金武町金武4245
TEL:なし
営業時間:10時30分~15時30分(都合により変動あり)
定休日:不定休(大雨の日は休み)
インスタグラム:なし
旅の収穫と記録はこちら

A&Wのルートビア

沖縄ミリカジ入り口の鳥居

U.S.ARMYのBATES製ドレスシューズ
外羽根のプレーントウシューズ。よく見かけるのはブラックだが、ホワイトは珍しい。¥3,850

USMCの開襟半袖シャツ
アメリカ海兵隊のドレスシャツ。ポリエステルとウールの混紡素材で柔らかく速乾性がある。¥1,650

U.S.ARMYのスリーピングシャツ
本来寝巻きだが、トラックジャケット感覚で着こなしたい。内側は微起毛のフリース素材。新品。¥3,850

U.S.NAVYのデニムパンツ
稀少な軍用デニムパンツ。前後で4つのパッチポケットがつく。裾未処理の未使用新品。¥10,780

U.S.NAVYのウォーターボトル
ロゴが無性にかっこいいボトル。スーベニア感覚で欲しくなる。(右)¥1,650・(左)¥1,980

沖縄ミリカジ店外の巨大な迷彩トカゲ

U.S.AIR FORCEのトレーニングTシャツ
速乾性に優れたリフレクターロゴプリントTシャツ。陸軍の「ARMY」Tシャツよりも圧倒的に放出される数が少なく、本州ではあまり出回っていない。¥1,650

U.S.ARMYのボールペン
SKILCRAFT製ボールペン。本体には「US GOVERNMENT」の刻印がある。¥165
/以上すべて沖縄ミリカジ

JACK’S STEAK HOUSEのテンダーロインステーキ

PORTA AND GATEの看板

U.S.NAVYのホワイトパンツ
ミリタリーのホワイトパンツは十中八九汚れているため、まっさらな状態を見つけたら買い。¥2,800

U.S.ARMYのNIKE製コンバットブーツ
トレーニング用スニーカーではなくコンバットブーツをナイキが作っているなんて初めて知った。ヒール部分にお馴染みのスウッシュが。¥3,800

PORTA AND GATE店主の宮城さん

BLUE SEALのブルーウェーブ

U.S.AIR FORCEのノベルティトートバッグ
空軍の家族団体がノベルティとして製作しているトートバッグ。ニッチなアイテムと出会えるのも沖縄ならでは。¥1,000

’60年代初期のドッグタグ打刻マシン

その場で刻印してくれたデッドストックのドッグタグ
米軍で実際に使用されていたドッグタグ打刻マシンで、デッドストックのプレートに自分の名前、生年月日、血液型、性別、国籍をアルファベットで刻印してもらえる。しかも付属のボールチェーンまでデッドストックの実物。¥1,000

USMCのスウェットパンツ
アメリカ海兵隊のトレーニングスウェットパンツ。ちょうど某ドラマ衣装で使用されていたためか、問い合わせが多かったそう。¥3,800
/以上すべてPORTA AND GATE

Zhyvago COFFEE ROASTERYのコールドブリュー

Zhyvago COFFEE ROASTERYのストロベリードーナツ

嶺リサイクルショップの看板

USMCのスウェットシャツ
ポルタアンドゲートで見つけたスウェットパンツとセットアップになるスウェットシャツを嶺リサイクルショップで偶然発見。店主の与那嶺さんが着ている姿は渋くてかっこよかった。¥1,000

嶺リサイクルショップ店主の与那嶺さん

U.S.NAVYのユーティリティジャケット
海軍のカモ柄なのにネイビーじゃなくてオリーブ。最近採用されたばかりの最新のカモ柄で、まだ出回っておらず稀少。¥3,000

U.S.ARMYのユーティリティポーチ
靴も収納できる大きさのポーチ。¥500

Borrachosのチキンタコス

U.S.ARMYのレーション
配給軍用食。中身の種類は多数。¥500

Seasideのクラシックチーズバーガー

U.S.AIR FORCEのユーティリティパンツー
今は使われていない空軍のカモ柄は陸軍に比べてグレーがかっていてシックな印象。¥2,500
/以上すべて嶺リサイクルショップ

今回の旅の服装は全身、米軍放出品
※掲載商品はすべて3月10日現在の価格です。すでに販売終了していたり、価格変更されている可能性があります。商品に関する編集部へのお問い合わせはご遠慮ください。
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