2023.02.01

【パタゴニア展示会に突撃:前編】真っ白なコットン・バギーズも! パタゴニア50周年のスペシャルアイテムとは?

十年に一度と言われる寒波の中、「パタゴニア」2023年春夏展示会に足を運んだUOMOブランド統括の山崎&Y神。今シーズンのトピックを前編・後編と2回に分けてお届けしよう。前編はライフアウトドア(カジュアル)カテゴリーにフォーカス!

【パタゴニア展示会に突撃:前編】真っ白なの画像_1
パタゴニア_2023春夏_展示会02
アウトドア要素が欠かせない昨今のファッションシーン。人気アイテムは発売して間もなく、完売してしまうような現象も起こっている。パタゴニアはECが2月2日、ストアでは2月23日から春夏新作がローンチするということで、押さえるべきアイテムを目利きのふたり(UOMOブランド統括:山崎[奥]&Y神[手前])がチェック。

会場に足を踏み入れると、鮮やかな色や柄が目に飛び込み、春の到来が待ち遠しくなるアイテムであふれている。が、その前にレスポンシブルカンパニー(責任ある企業)を目指すパタゴニアの、環境に関するメッセージを紹介するのが慣例だ。

パタゴニア_2023春夏_地球が私たちの唯一の株主

「地球が私たちの唯一の株主。」

昨年9月、創業者のイヴォン・シュイナードは、自身と家族が保有する30億ドル相当の自社株のほぼすべてを環境保護団体に寄付して話題を呼んだが、その目的を簡潔に述べたのがこのキャッチコピー。


山崎:パタゴニアから届くニュースレターの最後にも、この言葉が記されているんだよ。僕は「イヴォンの手紙」もちゃんと読んだけど…。


Y神:僕もこれから読みます(汗)!


山崎がパタゴニアのヘビーユーザーあることを思い出し、ハッとするY神。

パタゴニア_2023春夏_オーガニックコットン

Funhoggers CollectionのUDNLカラーのロゴ

※Funhoggers CollectionのUDNLカラーのロゴは全てこちらの画像と同じものになります。


UOMOチームにはパタゴニア日本支社 マーケティング部の加藤 学さんがアテンドしてくれた。長身のナイスガイがまず案内してくれたのは、オーガニックコットン製品が並ぶコーナー。


加藤:パタゴニアは1996年からすべてのコットン製品をオーガニックコットンに切り替えていますが、オーガニック認証を受けるためには3年の移行期間が必要なんです。オーガニックコットンに取り組む農家を増やすためにも、今シーズンはコットン・イン・コンバージョン(移行期間中のコットン)に力を入れていきます。


加藤さんが手に取ったのが無染色のショーツ。


01.メンズ・ファンホッガー・ショーツ ¥10,450

パタゴニア_2023春夏_ファンホガー・ショーツ
山崎:これはもしや、コットン製のバギーズ・ショーツ?

加藤:こちらは100%コットン・イン・コンバージョンを使用したファンホッガー・ショーツになります。バギーズ・ショーツと形は同じですが、素材と仕様が異なり、ライナーがありません。


Y神:ふぁんほっがー???


パタゴニア創業者のイヴォン・シュイナードは、1968年にカリフォルニアからアルゼンチンまで、クライミングやサーフィンをしながら仲間たちとバンで旅をした。その際にパタゴニア地方のフィッツロイ山の頂上で、「Viva Los Fun Hogs(飽くなき冒険者たち万歳)」の旗を掲げたのがファンホッガー(Funhogger)の由来だ。(Hogに貪るという意味がある)

パタゴニア_2023春夏_コットン・イン・コンバージョン
加藤:50周年を記念して、パタゴニア定番のバギーズ・ショーツを、あえて天然繊維(=コットン・イン・コンバージョン)で作りました。

Y神:(ハッと気づく)漁網をリサイクルしたネットプラス製品を広めるために、バギーズ・ショーツをネットプラス素材に切り替えたのと同じアクションですね?


加藤:その通りです。50周年を迎えるにあたって、「故郷である地球を救う」ために何をすべきかを、いろんな切り口で提案していきますが、ファンホッガー・コレクションはその核になるものです。


山崎:この白タグも特別なものですよね? 


加藤:無染⾊の白がフォーカスカラーになってので、ファンホッガー・ショーツとファンホッガー・パンツにはこの白タグが付きます。

パタゴニア_2023春夏_ジョスリン・スラック
山崎:どことなく昔っぽい柄が多いのも50周年と関係しているんですか? 

加藤:いいところに気づかれましたね! 今回テーマになっているこのグラフィック(ショーツ)、スライブ・フォワード(Thrive Forward/ともに前進)は、1974年の初期のカタログにジョスリン・スラックが描いた線画(Tシャツ)がもとになっているんです。

パタゴニア_2023春夏_フェードカラー
山崎:色も古着っぽいフェードカラーですね。むむっ。この“コワカワ”キャラは、もしや『伝染るんです。』の山崎先生!?

Y神:写ルンです??


こちらは「Together」という不思議な動物の集合柄。今季は「人間と自然界が喜びとともに前進していくことにインスピレーションを受けた」レトロ柄が目白押しなので、要チェック!


02.メンズ・アウトドア・エブリデイ・ショーツ ¥11,550

パタゴニア_2023春夏_エブリデイ・ショーツ-7in
ほかの製品で気になったのは、ポケットがたくさんついたエブリデイ・ショーツ。

Y神:ポケットがファスナーやフラップ付きで便利そう。


山崎:去年買えなかったヤツだ! バギーズだとスマホなどが入れづらいというのが若干あるけれど、これは安心ですね。


加藤:ポケットにいろいろ入れてもベルトが付いているので、ずり下がることもないですし。今年は製品数もそろっていますのでぜひ! 


写真のカーキ系グリーンほか、全4色展開。


03.メンズ・コットン・イン・コンバージョン・ミッドウェイト・ポケット・ティー 各¥8,800

パタゴニア_2023春夏_コットン・イン・コンバージョン・メンズ・ポケットTee
山崎:このポケTも新作? 肉厚でいい感じですね。色もいい。

加藤:継続製品ですが、これもコットン・インバージョンのものですね。


Y神:ロゴなしのポケTは夏の最強アイテムなので、何枚あっても欲しくなります。


04.メンズ・イスマス・ユーティリティ・ジャケット ¥28,600

パタゴニア_2023春夏_イスティマス・ユーティリティ・ジャケット
アウターのおすすめとして加藤さんがこのジャケットを出すと、すかさず。

山崎:このデザインの元ネタは釣り用のSSTジャケットですよね。昔持ってました。


加藤:おっしゃる通り、1990年に登場したパタゴニアのアーカイブからヒントを得たジャケットです。ポケットはフライボックスが入る、大きめの箱型デザインになっています。

パタゴニア_2023春夏_釣り用のSSTジャケット
満面の笑みで試着する山崎。

山崎:やっぱりいいですね。昔は防水仕様でしたが、これは?


加藤:今はカジュアルウエアのカテゴリーから出ているので、完全防水ではありませんが、小雨程度であれば十分弾きます。素材もポリウレタン・コーティングとDWR(耐久性撥水)加工を施したリサイクル・ナイロン100%素材にアップデートされています。

パタゴニア_2023春夏_耐久性撥水
山崎:着丈は短めですね。今、短いのがトレンドなので、ちょうどいい感じ。裾は絞れるし、ゴワゴワしなくて日常着に最高ですね。いいなーコレ。

あちこち念入りにチェックする山崎。 ふと、視線を上げると、先のパタロハコーナーが視界に。

パタゴニア_2023春夏_アロハシャツ
山崎:夏はやっぱり、パタロハですね!

パタロハはパタゴニアのアロハシャツのコレクション。コレクターも多い人気製品だ。


加藤:パタロハにはシルキーなテンセル素材、ざっくりしたドビークロス、コットンローンと3種類の素材を使っています。


05.メンズ・パタロハ・シャツ ¥17,600

パタゴニア_2023春夏_パタロハシャツ
Y神:この柄なら僕も着られそうです。これはコットンドビーですか?

加藤:はい。その柄はポリネシアのホクレア(Hoʼokele)という船をテーマにしたグラフィックです。星座を見て航海していた時代の船で、現在はレプリカがつくられています。


Y神:ロマンがありますね。


しばし太平洋の大海原に思いをはせるY神。


06.メンズ・ラアウ・パタロハ・シャツ ¥19,250

パタゴニア_2023春夏_ラウ・パタロハ・シャツ
一方、山崎は王道ともいえる植物柄のアロハを試着。

山崎:これはレーヨンのようにやわらかいので、テンセルですね。


加藤:そちらはポリネシア⽂明がハワイ島へ渡った際に持ち込んだ、24種のオリジナルの植物をモチーフにしています。


パープルは今年のトレンドカラーでもあり、配色がどことなくY2Kなムード。クラシックなパタロハらしいカラーやデザインが、トレンドとシンクロしたようだ。


この先に続くロゴカテゴリーやパフォーマンスコーナーのトピックは、後編にて!



パタゴニア日本支社 カスタマーサービス TEL:0800-8887-447
https://www.patagonia.jp/home/

Photos:Kanta Matsubayashi
Composition & Text:Hisami Kotakemori

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