2022.06.06

レザーバッグなのに90%がキノコでできてる? 「土屋鞄製造所」が挑むサステナブルな新素材

「土屋鞄製造所」がキノコの菌糸体から生まれたレザー代替素材を使用したバッグ&小物を発表。サステナブルかつ美しいプロダクトが新たな境地を切り開く。

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キノコが生み出す革新的な新素材を採用

サステナビリティが叫ばれる現在、レザー業界においても持続的に使い続けられる代替素材が模索されている。その中でも近年、大きな注目を集めているのが、キノコの菌糸体から生まれた新素材「Mylo™(マイロ)」だ。この画期的な素材にいち早く着目したのが、ハイクオリティなレザーアイテムを作り続けてきた日本の老舗レザーブランドの土屋鞄製造所。同ブランドは、マイロの開発を手がける米国のバイオテック企業「Bolt Threads(ボルト・スレッズ)社」に出資して、共同で素材開発と製品開発を行ってきた。そして、今年中にマイロを使用した新作を発売すべく、昨年から試作を続けてきたが、このほどプロトタイプが発表された。


土屋鞄製造所では、使い手に新たな素材の選択肢を提案するため、「土屋鞄製造所(大人向け鞄)」「土屋鞄製造所(ランドセル)」「objcts.io」の3ブランドを展開している。今回は、その3ブランドそれぞれにおいて、マイロを採用したプロトタイプを開発した。



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マイロの特徴は、菌糸体の微細な繊維が生み出す柔らかな手触りと上質感のある風合い。加工によって柔軟性を持たせることができ、様々な製品に利用できる高い汎用性も持ち合わせている。菌糸体は、100%再生可能なエネルギーで稼働する最先端の垂直農法施設で生育されるうえ、生育に必要なものは、水と空気とマルチング材(菌糸体の生育時に培地の表面を覆うもの)のみ。しかも、2週間足らずの短い周期で生育できるため、安定した供給が期待できるという実にサステナブルな素材だ。

土屋鞄製造所では、そんなマイロを製品化するにあたり、いくつものサンプル制作や強度試験、使用試験で検証を重ねており、すでに製品のマイロ比率90%を達成。「時を超えて愛される価値をつくる」というブランドのミッションの実現に向けて新しいものづくりを開始している。



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プロトタイプの発表にともない、6月9日(木)~30日(木)の間、土屋鞄・渋谷店にて、プロトタイプ6型の期間限定展示を実施。実際の質感や風合いを手に取って確かめることができる。さらに、最初のアイテムとしてコンパクト財布「Mylo™ハンディLファスナー」の年内発売を予定。レザー業界において、サステナビリティに対する先進的な試みを続ける土屋鞄製造所の動向から今後も目が離せない。


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土屋鞄製造所(大人向け鞄) Mylo™ ハンディLファスナー(サイズ:縦8.8×横11.6×厚み2.2cm)、土屋鞄製造所(大人向け鞄)スクエアバッグ(サイズ:縦26.5×横39.0×マチ6.0cm)、土屋鞄製造所(大人向け鞄)スリムケース(サイズ:縦22.0×横31.0×厚み0.5cm)

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objcts.io バックパック ミディアム(サイズ: 縦45×横30×マチ10cm)、objcts.io ウォレットバッグ(サイズ:縦18.2×横13cm×厚み1.5cm)




展示期間:6/9(木)~6/30(木)10:00〜21:00
展示店舗:土屋鞄製造所 渋谷店
(東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア11F)

土屋鞄製造所 お客様サポート係
TEL:0120-907-647


Text:Tetsu Takasuka

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