【ザ・ノース・フェイスの知られざる名品 #1】90年代に雪山を席巻した「RTGシリーズ」の日本企画ジャケット
「ザ・ノース・フェイス」のウェアは数あれど、目利きが太鼓判を押すのはどんなアイテムなのか? 「ザ・ノース・フェイス」のヴィンテージの世界的コレクターとして知られる、The Apartmentオーナー・大橋高歩さんに、数あるコレクションのなかから「これは!」という名品を教えていただいた。連載第一回は、マニアの間でも知らない人が多いという90年代の珍品から。

【ザ・ノース・フェイスの知られざる名品 #1】90年代に雪山を席巻した「RTGシリーズ」の日本企画ジャケット
「ザ・ノース・フェイス」のウェアは数あれど、目利きが太鼓判を押すのはどんなアイテムなのか? 「ザ・ノース・フェイス」のヴィンテージの世界的コレクターとして知られる、The Apartmentオーナー・大橋高歩さんに、数あるコレクションのなかから「これは!」という名品を教えていただいた。連載第一回は、マニアの間でも知らない人が多いという90年代の珍品から。
RTG JACKET
リリース年:1998年
販売時の価格:¥40,000(税抜)
カラー展開:全5色
企画:日本
目印の刺繍がないから埋もれてしまった名品
「RTGはRemote Terrain Gearの略で、90年代後半にスノーボードのバックカントリー用のラインとして登場しました。ヴィンテージコレクターの間では、アメリカ企画のRTGシリーズが人気なのですが、このモデルは日本企画なのでほとんど知られていません」

90年代当時、ザ・ノース・フェイスのマウンテニアリングジャケットは、赤や黄色といった原色を中心とした派手なカラーが多い中、RTGシリーズは全体的にトーンを落としたアースカラーが特徴。このRTGジャケットも普段着としても着やすいカラーリングだ。
「RTGシリーズは、2020年にシュプリームが復刻したことで世間にも知られるようになりました。RTGのラインナップはたくさんあるんですが、そのほとんどには刺繍で『RTG』と入っているので、パッと見てもすぐわかるものが多い。でも、このジャケットはなぜか刺繍が入っていないんです。よって、RTGシリーズと認識されないまま、現在に至っています。USのカタログにも載っていないから、海外のコレクターも素通りしていますよ(笑)」
最大の特徴はハーフドームを模した切り替え


「個人的に一番気に入っているポイントが、ウェア前後の切り替えデザインです。ザ・ノース・フェイスは直線的な切り替えデザインが多いので、このようなパターンは見たことがありません。それほど珍しいデザインなんです。想像ですが、おそらくロゴの(通称)ハーフドームをモチーフにしているんじゃないかと思います」

素材は90年代のウェアでよく使われていたという、東レのDermizaxを採用。防水透湿性に優れていて、ストレッチ性が高いため着心地は快適。アクティブな環境で使うジャケットだけに、腕も動かしやすく、日常使いでも問題ない。
「20年以上前のモデルですが、流通量が多かったのと、目利きの人たちがこの商品の価値に気づいていないこともあって、今でも手に入れることはできると思います。古着屋やリサイクルショップを探せば、埋もれている可能性がありますよ」

The Apartment 大橋高歩
Instagram:theapartment_tokyo
URL:http://www.the-apartment.net/
大人が買うべき「ザ・ノース・フェイス」
Composition&Text:Tadayuki Matsui
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