2021.09.08

ここが変わった! ブルックス ブラザーズ「ポロカラーシャツ」の定番と新定番

今季よりマイケル・バスティアンがクリエイティブ ディレクターに就任したブルックス ブラザーズ。クラシックな魅力が強まった秋冬コレクションは、アメリカが再びファッションの重要なキーワードとなった時代のムードと無関係ではなさそうだ。改めて、大人のワードローブに必要なのはその起源にちなんでブランドが「ポロカラーシャツ」と呼ぶボタンダウンシャツ。創業時から仕様を変えながら愛され続ける定番と今季デビューする新しい定番を比較し、双方の魅力を理解しよう。

ここが変わった! ブルックス ブラザーズの画像_1

定番|CLASSIC B.D. SHIRTS

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シャツ¥20,900/ブルックス ブラザーズ(ブルックス ブラザーズ ジャパン)

色褪せない定番とはまさにこのこと!

襟がバタバタしないようにボタンで留める。今では当たり前のことを初めて考案したのがブルックス ブラザーズで、1896年にボタンダウンシャツが誕生した。現在、このブランドの定番といえば、過去に販売されていたアメリカ製のシルエットや細部を再現した、ジャパンメイドのコレ。やや肉厚なスーピマコットンを用いて、熟練の職人によって丁寧に作られている。その光沢のある上質な生地感は、まさにトラッドでありドレス。粋なアイビーリーガーがブレザーやチノに、財界で活躍するニューヨーカーがスーツに合わせるために存在する、永遠のスタンダードだ。



DETAIL

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この織りネームが欲しくてみんなこのシャツを買うといっても過言ではない。赤字はいかにもクラシックなゆとりある「TRADITIONAL FIT」。ボタンダウンカラーが少しロールしているのは、タイをしたときに立体感を作るためのこだわりだ。
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そもそも本来のドレスシャツに胸ポケはないが、これがつくカジュアル感がブルックス ブラザーズの「らしい」ところ。際ギリギリを走る細かいステッチが高いクオリティを物語るが、ちょっとした角の丸みがかわいらしく見える。
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着丈が長く、脇に向かってカーブが鋭いテールは、クラシックなドレスシャツのディテール。これは裾はパンツにインするもので、外に出して着るべきではないという、シャツの存在意義がそもそも下着だった古い歴史の名残り。


新定番|NEW B.D. SHIRT

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シャツ¥15,400/ブルックス ブラザーズ(ブルックス ブラザーズ ジャパン)

時代の空気感を捉えた新・クラシック!

マイケル・バスティアンによって誕生した新しいボタンダウンシャツは、既存のマディソンフィットよりもゆったりとした着心地。1970〜80年代のヴィンテージにインスパイアされたそうで、マイケル自身が細かくフィッティングしてパターンを決めたとか。何でもオックスフォードの質感を重視していて、着た時に感じる生地の重みの具合にまでこだわったそうだ。見た目にわかりやすいアップデートポイントは、身幅の太さと着丈の短さ。今の空気感を捉えたクラシックが表現されていて、一枚でさらっとカジュアルに着た時に、ふわりとしながら美しいドレープを作ってくれる。



DETAIL

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定番に比べると、ややボタンダウン・カラーは小さめ。ネクタイを結ばずにカジュアルで着た時の収まりのよさを追求していて、最上部のボタンを外した時も絶妙なバランスだ。織りネームも、昔ながらの趣を感じさせるデザインに。
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実のところパッチ・ポケットは時代によってあったりなかったりしたが、本作はアイコンとみなして採用。定番のシャツとポケットの形状自体は変えず、身幅とのバランスを考慮してサイズを大きくした。ミニ財布やスマホも収納できる。
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一番のポイントはここかも。裾が随分と浅くパターンメイクされている。これはシャツをインせず外にラフに出して着るスタイルを想定したものだ。ボックステール気味なので、ニットを重ねたときに裾からはみ出る姿もきれいだ。
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アームホールも定番よりもワイドで、ゆったりとした作り。もちろんただ全体がビッグなだけじゃない。カフの周囲はサイズに合わせてきちんと計算されているから、袖先に向かってきゅっと絞られている。このコントラストが美しい。


VARIATION

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オックスフォードのストライプ柄はいかにも王道だが、ありそうでなかった。特にマイケル・バスティアンらしさを感じるグリーンが新鮮だ。シャツ各¥15,400/ブルックス ブラザーズ(ブルックス ブラザーズ ジャパン)

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無地のカラバリも増え、ブルーやピンクの他、イエローやラベンダーが追加。アイビーが華やかにカジュアル化した1970〜80年代当時のプレッピーらしいカラー。シャツ各¥15,400/ブルックス ブラザーズ(ブルックス ブラザーズ ジャパン)

新定番|BROAD SHIRTS

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シャツ各¥15,400/ブルックス ブラザーズ(ブルックス ブラザーズ ジャパン)

ありそうでなかったブロードのボタンダウンシャツ

ブロードのボタンダウンシャツ自体は今までも展開されていたが、そのほとんどがノンアイロン仕様の生地だった。このシャツは高密度で編み立てたノンアイロンでないブロード生地を使用して、マイケル・バスティアンが生んだ新しい定番だ。シルエットはブルックス ブラザーズにしては細身だが、アメリカ生まれのラフな魅力は健在で、適度なゆとりは確保。アイロンをビシッとかけてジャケットを合わせるのも有用だが、ナチュラルなシワ感やコットンの風合いを楽しむのがUOMO的なおすすめ。ボックス気味の浅いテールだから、1〜2サイズアップを選んで、ざっくりと着ても良さそうだ。



DETAIL

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ブロードシャツで採用されたのは「REGENT FIT」。4つに大別されるドレスシャツのフィットの中では、スリムの位置付けだ。胸まわり、腕まわりを細くしているため、はおるアイテムを選ばない。つまりレイヤード向きのフィット。
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左胸のポケットは身幅に合わせてコンパクトに設計。ボディのストライプと柄を丁寧に合わせてパッチされているから、存在が目立たない。こういう気配りというか丁寧な仕立てこそブルックス ブラザーズが、老舗が愛される理由だ。
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「REGENT FIT」の着丈はやや短めに設定されていて、定番シャツに比べるとボックステール気味。タックインでもアウトでも着こなせる。襟周りのきちんと感があるので、自宅でのテレワーク時にさっとラフにはおるのもよさそう。
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先に紹介した定番、新定番の両オックスフォードシャツの袖は、ブルックス ブラザーズを象徴するプレーンな剣ボロだが、本作はガントレットボタンがつく仕様に。生地も薄く、カフも柔らかく、腕まくりもきれいに演出できる。


VARIATION

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写真のブルー、パープルの他、ブラック、グリーンの4色展開。平織りのブロードらしく、発色が豊かなので、ストライプ柄も際立って見える。シャツ各¥15,400/ブルックス ブラザーズ(ブルックス ブラザーズ ジャパン)

表参道店一周年を記念した、人気の「シャツ ラボ」による限定サービスに注目

昨年8月末に惜しまれつつクローズした日本一号店である青山店に代わる新たなランドマークとしてオープンした「ブルックス ブラザーズ 表参道」が一周年を迎えたのを記念し、人気の「シャツ ラボ」による限定サービスが登場。9月8日(水)~9月20日(月)の期間中にシャツを購入すると、好みのイニシャルや数字、ブルックス ブラザーズのシンボルであるゴールデン フリースのロゴ刺繍を無料で入れることができる。さらに今回はゴールデン フリースのリボン部分を特別に別のカラーで入れることができ、オリジナルのバイカラーにすることも。これを機会に是非ガラス張りのモダンな外観がアイコニックな店舗にも足を運んで欲しい。



問い合わせ先:ブルックス ブラザーズ ジャパン TEL:0120-02-1818

Photo:Yoshio Kato
Stylist:Junichi Nishimata
Text:Masayuki Ozawa

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