『dunhill COMPENDIUM』をテーマに、ブランドのアイデンティティである英国の伝統と現代的な機能美の融合を表現した2021年秋冬コレクション。一着で何通りにも着られる多機能なリアルクローズを軸に、キャップやスニーカー、サイドジップパンツなどのストリートアイテムも豊富に盛り込んだラインナップはまさに時代のムードをダイレクトに映し出している。


今っぽさの中に古き良きアーカイブが
ふんだんに散りばめられている
(池田尚輝)

池田:ロゴキャップや裾にジップのついたスポーティなパンツがスタイリングのキーになっているように、非常に若々しい印象を受けました。しかし単に今っぽいストリートテイストに落とし込んでいるのではなく、タイピン、カマーバンドなどテーラリングを得意とするダンヒルのアーカイブが随所に散りばめられているところがさすが。ジップで取り外せてロング丈にもショート丈にもなるアウターなども、実はダンヒルがこれまで培ってきた機能性の系譜なのだと解釈しています。

池田:クラシックなハウンドトゥース柄のバルカラーコートに手編み風のマルチカラーマフラー、サイドジップのジャージー風パンツという“硬軟”織り交ぜたスタイルがすごく象徴的。ダンヒルらしいジェントルマンスタイルをベースに、今のロンドンのストリートテイストが絶妙にミックスされていますね。

池田:このライナーのようなウール×カシミヤのノーカラージャケット、カジュアルでかわいげのあるアイテムなのですが上質な素材とのマッチングがすごくいい。こういったソフトな雰囲気のスタイルに“堅さ”のあるクラッチバッグを合わせたスタイリングもコントラストが効いていて参考になります。

池田:ストリートライクなキャップを取り入れたスタイリングが多かった中、とくにボリューム感のあるウールコートのインにアノラックを重ねた左のルックは自分でも着てみたいなと思いました。ダンヒルの伝統的な部分と遊び心の両方がバランスよくブレンドされていて、今のムードにぴったりかなと。


このダンヒルのコレクションから
新しいトレンドが生まれる可能性も
(小林 新)

小林:ブランドに息づく伝統をきちんと踏襲しながらも、キャップしかり、サイジングしかり、若返りという言葉が正しいかはわかりませんが新しい層に訴えかけるような確かなメッセージ性を感じました。クラシックなテイストとストリートカルチャーから抽出した要素の融合は、ダンヒルの歴史に裏打ちされた良質な素材やパターンがあってこその完成度の高さ。どこかイギリス映画のオープニングを思わせる映像の作り方もすごくモダンです。

小林:僕らスタイリストの仕事においても基本を押さえたうえで崩すのが大事なのと同じで、ダンヒルには確固としたビスポークの歴史と技術があるからストリートの要素が入ってもチープにならない。その代表例のようなルック。もちろんキャップやサイドジップパンツがポイントとして効いているのですが、ハウンドトゥース柄のウールコートがブランドのアイデンティティをしっかり感じさせるから全体がすごくシックに見えますよね。

小林:このルックにも同じことが言えると思います。クラシックで質実剛健なコートとバッグが主役になっているから、キャップやジャージーライクなパンツといったストリート感のあるアイテムとのミックスがより洗練されて見えるのだと思います。そしてこのフレアパンツのシルエット、新しいトレンドを予感させますね。

小林:コレクション全体のポイントになっているのが、昔ながらのアタッシュケースのディテールを取り入れたというこの「ロックバッグ」。同じくキーアイテムになっているストリート感のあるキャップとは対照的なデザインですが、このかっちりした作りのミニバッグが個人的にはすごく気分です。


ショップに並ぶアイテムから
40歳男子のための
“マイ・ダンヒル”をガチ選び!

注目の2021年秋冬コレクションを実際に手に取ることができるのはもう少し先。そこで現在ダンヒル銀座本店に並ぶアイテムから、40歳男子を代表して二人が「リアルに欲しい」アイテムを厳選! 大人なムードたっぷりだけどさらりと軽やかに着られる。そんなリアルクローズの数々が着こなしをグッとモダンにセンスアップしてくれるはずだ。

IKEDA&KOBAYASHI’S SELECT
リネンキャンバスのユーティリティトラウザー ¥90,200

池田:リネンのワークパンツというのが実にイギリスらしい。いろんなバックボーンを感じさせますね。これをさらりとカジュアルにはけたらかなりセンスのいい大人に見えるはず。

小林:僕の大好物がすべて詰まったアイテムです(笑)。繊細なリネンでワークアイテムを作ってしまうという贅沢さ。これを普通にワークパンツ然とラフにはけたらカッコいいなと。


IKEDA’S SELECT
ローラキルトのカーコート ¥209,000

池田:オーセンティックなムードがあるのにエレガント。すごくイギリス的なアウトドアアウターですね。ダンヒルのアイコン的な喫煙具、「ローラガスライター」から抽出したという特徴的なローラキルトもブランドのヘリテージを感じさせますし、袖口のさり気ないレザーパイピングもしゃれています。


KOBAYASHI’S SELECT
リネンキャンバスのハーフラップジャケット¥264,000

小林:リネンの素材感からヨーロピアンなワークの匂いが感じられますし、袖がサテンに切り替えられているところもセンス良し。こういうジャケットを日常着としてクタクタになるまで着られたら素敵な40代なんじゃないかと。個人的にはちょっと大きめのサイズを選んで撮影の日なんかにバサっと羽織りたいですね。


IKEDA’S SELECT
スエードのトラックジャケット ¥407,000

池田:襟の大きい端正なシルエットがまさにイギリス的。王道のハリントンジャケットの流れをくんだスポーティーなアイテムですが、シープスエードの風合いがすごく上品なのでカジュアルに着てもエレガント。こういうアウターが自然と似合う40代に憧れます(笑)


KOBAYASHI’S SELECT
ピマコットンのニットポロシャツ ¥48,400

小林:夏でもTシャツではなくニットポロをよく着る自分にドンピシャ。大きな襟やパイピングのデザインにもイギリスのクラシックさが表れていてすごく好きです。1枚でシンプルに着るだけでちょっとしたよそいき感が出そう。


IKEDA’S SELECT
アクシス ランナースニーカー ¥72,600

池田:リップストップナイロンとスエードの組み合わせやネイビー×イエローの配色が、レトロスポーツテイストをやりすぎ感なく演出していてしゃれています。全体のフォルムも含めて大人っぽいけれどかわいげがありますね。


KOBAYASHI’S SELECT
ロック メッセンジャー ¥409,200

小林:2021秋冬のルックにもふんだんに使われていますが、クラシックなアタッシュケースの錠をそのまま採用している「ロックバッグ」がカッコいい。開けるときの“カチン”という重厚な音が『007』とか『裏切りのサーカス』を思い起こさせるというか、何年も使っているかのようなアンティーク感が男らしくていいですよね。


問い合わせ先:
ダンヒル TEL:0120-914-675

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Photos:Teppei Hoshida
Composition&Text:Kai Tokuhara