2020.12.05

おしゃれな大人に聞く、センスのいい課金①〜ラムダン・トゥアミさんの場合

限りあるお金をどこに使って、どこにかけないのか、センスのいい5人に「正しい」課金方法を取材。ものの値段だけに縛られない審美眼が見えてくる。

ラムダン・トゥアミさん
(オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー社長兼アーティスティック・ディレクター)

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Profile 2014年に妻のヴィクトワール・ドゥ・タイヤックとともにパリ発の総合美容薬局「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー」を復活させビジュアル面のすべてを管轄。最近はごく個人的な雑誌「WAM」を出版し、また水性香水の新作2種を10月に同時発売した。

課金するのは「自転車、カシミヤ、ビルケンシュトック、黒以外」。以上!



古着のオーバーオールで抜くところは抜きつつ、グリーンのカシミヤニットとリック オウエンス×ビルケンシュトックのボストンにはお金をかける。「もう一生、ニットはカシミヤしか買わないと決めたのでビーニーも同様にカシミヤです。真似されるのが嫌なのでブランドは秘密(笑)。ビルケンシュトックは自分も広告に出演したことがあるくらい好き。これ以上の靴の選択肢がないから惜しみなく買っています」。

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「トレンドやブランド名でものを買うことはない。課金のジャッジは“自分がオンリーワンでいられるかどうか”だけ。消耗品なら日本のロトトのパイル地ソックスやフィグベルの丸胴Tシャツの着心地が素晴らしいので大量買いしてストックしているし、ナナミカにジャンティーク…たくさんの店を見ますよ。どこでも在庫を尋ねるのはカシミヤ。無難で生気のない黒は絶対に着ないので、人とかぶらないきれいな色があればベスト。そうして見つけたものは本当は人に教えたくないんです(笑)。ちなみにオンリーワンの追求は自転車も同様で、装備品にこだわるあまり、お金をかけすぎることもしばしば。逆にそれら以外には使いたくないので抜きどころは“その他全部”かな」
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カットソーと帽子はもちろんカシミヤで、スエードパンツは1967年製のリーバイス、ブーツはビズビム。自転車は今回の来日初日に、移動用として購入。「装着したバッグは8万円したし、パーツにもこだわったら総額100万円を超えてしまいました。自動車は興味ありませんが自転車への課金は止まりません」。


Photos:Arata Suzuki[go relax E more]
Text:Takako Nagai
Videographer:Kousuke Usui[BYNAZR]

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