
あ~~~顔面白く塗りたくって吐血がしてえ! ふとした瞬間そんな思いが唐突に胸に去来すること、誰しもあると思います! ……え? ないの!? いや、おかしいおかしいおかしい! 中学生くらいになって物心ついてくると、「いまは無理でも近い将来、コープスペイントを顔面に施してブラックメタルのミュージシャンとして身を立てたい!」って思いません普通? 顔面生気なく蒼白ペイントし、目の周りを死体のように不気味ブラックで落ち窪んだようにメイクして、カラフルな昆虫を嚙み潰したような緑色の液体を大量に口からダラダラ垂れ流し、暴力的な旋律に合わせて奇声を発してみたい……。UOMO世代が誰でも一度は憧れる“コープスペイント”が今回のテーマです。

ホラーな雰囲気を醸し出すステージメイクの初歩として数多くの怪奇派バンドに採用されてきたコープスペイント。「なんか頭おかしい奴出てきた!」という感じを一発で表現出来るっつうんで、割と古くからある手法でもあります。ショックロック、ポジティブパンク、ホラーパンク等、音楽ジャンルに関係なく幅広く重宝されてきたわけですが、コープスペイントが必須にまでなっているのがブラックメタル。反キリスト教&悪魔崇拝の音楽を普通の風体でやるのはサタンに失礼、死人に見えるように皆さんがんばっておられます。まぁ、メイヘムみたいにがんばりすぎて教会に放火したり、メイクだけじゃなくて本当に自分の頭ショットガンでブチ抜いて死人になっちゃったりする本格的な方々もいますが、そこまでやらなくても大丈夫なのが一般的なブラックメタルのいいところ。顔面白く塗って音楽が呪わしければ問題なしです。