国民的アーティストPerfumeとの、ちょっとイイ話
2025年9月21日、年内をもってコールドスリープ(活動休止)することを発表したテクノポップユニットPerfume。今や日本を代表するアーティストにまでなった広島出身の女性3人組……、え? お前いつもギャーギャー言ってる気の狂った音楽ばかり紹介してるくせになんでそんな国民的スターの皆さんの話してんのって? 知ってる方には今さらな話で恐縮ですが! 実は、Perfumeがまだ売れない下積み時代にリリースイベントの司会を俺がやっていたりだとか、広島から東京に出てきて間もない頃はなんだかんだ一緒にやることが多かったんですよ。せっかくなんで今回は売れる前の、Perfumeの話。
2004年12月、当時のマネージャー氏よりワンマンライブの衣装替え転換20分の間、「なんか面白いことやってください」と丸投げのオファーが。ミッツィー申し訳さんがPerfume曲でDJ、それに合わせて俺が適当にダンスするというざっくりし過ぎにもほどがある本人不在コーナーをやったのが最初。事前に『スウィートドーナッツ』の振付をメンバーから指導されたのだが、基本左右失認で方向感覚が致命的に欠如している俺にはサビを覚えるのが精一杯。その節はすみませんでした!
何度か一緒に仕事をしていくうちに、中田ヤスタカ氏の作る重低音テクノトラックと3人の人柄の良さに魅了されてしまい、すっかりファンに。2005年メジャーデビュー頃になると、どうやったらPerfumeがもっと売れるか事務所の人間でもないのに自発的に考えるようになり、自分の仕事を放棄してPerfumeの明るい未来に頭を悩ませる日々。自分のコネをフルに活用して関係各所にこれでもかと仕事をねじ込み、コラムを連載していた「TV Bros.」の担当編集に頼んでインタビュー載せてもらったり、アイドルイベントだけ出ていては客が増えないだろうと自分が出演するロック系ライブハウスに対バンでブッ込んだりも。とにかくお金をかけないでできるプロモーションをいろいろと展開。やってる音楽と人柄が抜群に良いため、知ってもらえさえすればこっちのもの。ファンを増やす活動をやりやすいことこの上なかったです。
一緒にやっていた頃、Perfumeは高校生。芸能コースなのに3人とも仕事は土日のアイドルイベントしかなかったため無遅刻無欠席の皆勤賞。当時一緒に出た新宿LOFTのライブで、突然一人ずつキレッキレのヒップホップダンスを披露したので何事かと思ったら、「高校で創作ダンスの授業があって、せっかく作ってもったいないからライブでもやろうって」と言われ、さすが芸能コースのある学校だなと。
水沢奈子主演でブレイク前の波瑠も出ていた2008年のテレビドラマ『スミレ♡16歳!!』のエンディングテーマはPerfume『セラミックガール』。この作品ではなぜか俺が原作漫画にはない校務員のジョニー役で出演。おこぼれ、しっかりといただきました(照)。
そんなこんながありまして、皆さんご存知のように2007年にPerfumeはブレイク。面白いことをやっているから正当な評価を受けて売れてほしいとは思っていたけど、こちらの想像を何万倍も超えて爆売れし、紅白歌合戦に16回連続で出場する国民的スターになるとか、出会った頃は想像もできなかったです。
2025年9月23日、コールドスリープ前の最後の東京ドーム公演を観覧。一緒にやってた頃の初期曲を聴くと、こんなに遠くまで来たんだなとアツいものが込み上げて何度か涙。いろんな景色、見せていただきました。Perfumeさん、ありがとう。来年頭からおもいきり休んで、再来年ぐらいにはチョッパヤでコールドスリープ解除されることを祈ります。