2025.12.10
最終更新日:2025.12.10

山野アンダーソン陽子と三部正博による展覧会「Longing for Grey」がVague Kobeにて開催【1月19日まで】

山野アンダーソン陽子と三部正博による展覧会「Longing for Grey」がVAGUE KOBEにて開催【1月19日まで】①
Longing for Grey #001, Masahiro Sambe

「Vague Kobe」にて、ガラス作家・山野アンダーソン陽子と写真家・三部正博による展覧会「Longing for Grey」が開催されている。

山野アンダーソン陽子と三部正博による展覧会「Longing for Grey」がVAGUE KOBEにて開催【1月19日まで】②
Longing for Grey #009, Masahiro Sambe
山野アンダーソン陽子と三部正博による展覧会「Longing for Grey」がVAGUE KOBEにて開催【1月19日まで】③
Longing for Grey #011, Masahiro Sambe

二人はこれまで、「Glass Tableware in Still Life」をはじめ、素材と視覚のあいだを行き来するプロジェクトを共に手がけ、ガラス・絵画・写真といった異なる領域から新しい風景を生み出してきた。

本展では、山野氏と三部氏それぞれの表現に焦点を当て、光・味・香り・記憶が交差する空間を構想。タイトルにある“Grey”は、白と黒のあいだに漂う曖昧な時間、誰かを待つときに生まれるほのかな期待や希望、その風景を包む一瞬の光やガラスの中に沈む濃淡を映し出している。

山野アンダーソン陽子と三部正博による展覧会「Longing for Grey」がVAGUE KOBEにて開催【1月19日まで】④
Photo: Vague Kobe
山野アンダーソン陽子と三部正博による展覧会「Longing for Grey」がVAGUE KOBEにて開催【1月19日まで】⑤
Photo: Vague Kobe

山野氏による約250点の新作グラスは、光を受けてゆるやかに表情を変える一方、三部氏の写真は、光と影のあいだに揺らめく気配をとらえ、透明と不透明、現実と記憶のあいだを静かに往還する。

会場となる「Vague Kobe」は、日本と世界をクリエイティブの点で繋ぐ場所だ。ギャラリー、フード、プロダクト、書籍という4つの面をキュレーションしており、国内外のギャラリーやアーティストを招いた展覧会や、シェフを招いたポップアップイベント、ワークショップ、トークイベントなど、季節ごとに様々なイベントを企画している。

山野アンダーソン陽子と三部正博による展覧会「Longing for Grey」がVAGUE KOBEにて開催【1月19日まで】⑥

今回も展覧会に合わせ、Stockholms Bränneriとともに開発したVagueオリジナルのクラフトジンを提供・販売。ほうじ茶・山椒・エルダーフラワーで蒸留したジンのラベルデザインには、山野氏によるスケッチを起用。香りと味覚が加わることで、展示は視覚を越え、五感を通してひとつの体験へと広がる。

2025年12月27日(土)13時からは、山野氏と三部氏に加え、蒸留家の江口宏志と写真家の鈴木理策を招いたトークショーも開催予定だ。

会期:2025年12月5日(金)~2026年1月19日(月)

時間:12時~18時(火曜~木曜は休館)

会場:Vague Kobe(兵庫県神戸市中央区海岸通9—2 チャータードビル4F)

スウェーデンのストックホルムを拠点に活動。北欧最古のガラス工場であるコースタ内の学校で吹きガラスの手法を学び、その後スウェーデンの国立美術工芸デザイン大学にて修士課程を修了。ガラスという素材の特性を探求しながらも、様々な文化や文脈における人々の行動や私的な癖に着想を得た作品を制作。特に、クリアガラスの透明性、流動性、そして可能性に強い関心を寄せ、ヨーロッパやアメリカ、日本などで作品を展開。自身発案のアートプロジェクト「Glass Tableware in Still Life」の活動やその他のプロジェクトを通してガラス食器のあり方を多方面から表現思考し、2026 年より新たなプロジェクトも開始予定。著書に写真家・長島有里枝との共著「ははははの往復書簡」(晶文社)、アートブック「Glass Tableware in Still Life」(torch press)、エッセイ「ガラス」(Blue Sheep)などがある。

写真家。1983 年、東京都生まれ。東京ビジュアルアーツ専門学校を経て、写真家泊昭雄氏に師事し、2006 年に独立。音楽、ファションに加え、美術、建築の分野においてもコミッションワークを手がける。2015 年頃より人為的なものと自然のコンポジットを超えて働きかける風景をおさめたパーソナル ワーク「landscape」を撮り続けている。近年の主な展示に「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18 人の画家」(広島市現代美 術館、東京オペラシティ アートギャラリー、熊本市現代美術館)、「The New Domestic Landscape」、「PORTRAIT IN LANDSCAPE」がある。 

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山野アンダーソン陽子と三部正博による展覧の画像_10
Photo: Vague Kobe
山野アンダーソン陽子と三部正博による展覧の画像_11
Photo: Vague Kobe

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