2025.04.24
最終更新日:2025.04.24

【注目バンド・シャッポ】1stアルバム『a one & a two』リリース記念インタビュー!

1940年代の大衆音楽や映画音楽に強い影響を受けるバンド・シャッポ。取材日の朝にようやく完成したというファーストアルバムについて話を聞いた。

シャッポ

奇妙な出会いから始まったバンド。地下を飛び出して外の世界を知る

シャッポ結成のきっかけは、大学進学を機に上京した福原音さんが、細野悠太さんの祖父で音楽家の細野晴臣さんをアポなしで訪ねたことだった。ある日、衝動に身を任せてスタジオへと突撃したのだという。幸運が重なって中に迎え入れられた音さんは晴臣さんと話すうちに意気投合。孫で同世代の悠太さんと会うことをすすめられ、やがて邂逅した二人はバンドを組むことに。これまで’40年代の大衆音楽などに影響を受けた楽曲を発表し、インストでありながら人間味のあふれるサウンドが注目を集めている。奇妙な出会いから数年。待望のファーストアルバム『a one & a two』を4月23日にリリースした。

福原「シャッポとしてアルバムを作りたいという思いはずっとあったんですが、僕たちは地下にこもってしまいがちな人間で…」

細野「そんな中、去年はライブに出演する機会やほかのアーティストとの交流が増えて、自分たちのやるべきことが見えてきたんです」

シャッポ 2

外の世界に出て感じた「人とのつながり」が大きなテーマになったと話すとおり、バラエティ豊かなサポートメンバーや親交のある小説家・柚木麻子さんが参加した今作。新鮮かつどこか懐かしさを覚える楽曲は、互いにアイデアを出しながら少しずつ作り上げた。

細野「音くんはいつも自信なさそうにアイデアを伝えてくるんですよ。それに僕が軽い気持ちでコメントすると制作が進んでいく」

福原「悠太くんが止めないから危険地帯に突入するまで遊び続けることもあったけどね(笑)。そうやって楽器を持たずに二人で話している時間が僕らの音楽には大切なんです」

シャッポ 3

マイペースを保ちつつも着実に歩みを進めるシャッポ。新しい春を迎え、地中から芽を出したばかりの二人の珍道中は続いていく。

細野「アルバムの制作を経て、自分たちが何者なのかをようやく理解し始めました」

福原「出会いも楽器編成も音楽性も変わっているバンドだからこそ、独自の存在のまま好きな表現を追求したいです」

シャッポ 4
ミュージシャン
シャッポ

ギターなどを担当する福原音(右/2000年愛媛県生まれ)と、ベースなどを担当する細野悠太(左/2000年東京都生まれ)の二人からなる、’19年結成のインストゥルメンタル・バンド。’23年にライブ活動を開始して、ファーストシングル「ふきだし」をカクバリズムより7インチ・配信でリリース。’24年には細野晴臣のバックバンドとしても活躍し、海外公演も経験した。

RECOMMENDED