2018.07.18

郷古隆洋さんの愛ある私物、メキシコ民芸「ツリーオブライフ」の魅力。

今やワンクリックでショッピングができる。そんな世の中にあって、それでも苦労して手に入れ、どうしても手放せない愛ある“私物”がある。メキシコ民芸「ツリーオブライフ」を収集しているスイムスーツ・デパートメント オーナーの郷古隆洋さんにその魅力を聞いてみた。

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「陶芸家の濱田庄司さんや染色工芸作家の柚木沙弥郎さんにも影響を与えているハーマンミラーのテキスタイルデザイナー、アレキサンダー・ジラード。彼は中南米のフォークアートのコレクターだったのですが、その作品集を見たのがフォークアートにハマったきっかけです。6年ほど前にアメリカ・サンタフェにあるミュージアムでそのコレクションを見たときも、動けなくなるくらいの衝撃を受けました」  中でも集中的にコレクションしているのが、メキシコのツリーオブライフだ。
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「スペインに侵略されている時代にメキシコにキリスト教がもち込まれたのですが、ツリーオブライフは聖書に出てくるアダムとイヴの話をモチーフに、陽気なメキシコ人が燭台を作ってしまったというもの。だから宗教的な意味合いというよりお土産としての要素が強いんです」  特に郷古さんは’70年代のものを探しているのだそう。 「石油製品が増えた’80年代から染料もケミカルなものに変わってきました。そうするとどうしてもクラフト感がなくなってしまうし経年変化も出づらい。僕はそれ以前の朗らかさのあるデザインが好きなんです。まだ見つかるうちに集めておきたいですね」

 郷古隆洋さんプロフィール画像
郷古隆洋さん
2010年にスイムスーツ・デパートメントを設立。インテリア雑貨の輸入や卸売りを展開しつつ、ショップ「BATHHOUSE」やオンラインストアでヴィンテージ品を販売する。

Photos:Tohru Yuasa
Illustration:Yoshifumi Takeda
Composition&Text:Jun Namekata[The VOICE]

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