2019.09.12

9月13日公開! 戦場を生き抜いた女性記者の半生を描く『プライベート・ウォー』

最近笑ってないかも、泣いてないなというおじさんのために、週末公開の心動かす注目映画を紹介するコラム『40歳男子はコレ観とけ!』。今回は、英国サンデー・タイムズ紙の特派員として世界中の戦地に赴き、取材を重ねた伝説的な戦場記者、メリー・コルヴィンの半生を描いた物語を紹介!

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心身に傷を負いながら 戦争の真実に近づこうとした女性の情熱と葛藤

英国サンデー・タイムズ紙の特派員、メリー・コルヴィンは、2001年のスリランカ内戦の取材中にロケット砲の攻撃を受け左目の視力を失ってしまう。以来、黒い眼帯がトレードマークとなった彼女はPTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱え、身も心も傷つきながら、なおも戦場の真実を世界に伝えようと戦争地に赴く。2003年のイラクで知り合ったフリーのカメラマン、ポール・コンロイを雇い、その後数々のスクープを手にするのだが…。

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本作は“真実”を追いかける映画だ。自らの危険を顧みず、戦争がもたらす理不尽さや戦地で苦しむ人々の実情を報道しようとする記者の姿。そして、死と隣り合わせの戦地取材への情熱と使命感に、身も心も焼かれながらも惹きつけられる勇敢なメリーの姿。スリランカ、イラク、アフガニスタン、リビア、シリアの戦争・紛争地域を11年間にわたり駆け抜けた彼女を、大胆や勇敢という言葉だけでは言い表せない。誰よりも戦争の本当の姿に肉薄し、心身に傷を負ったメリーは、誰よりも真実の価値を信じ、死者や遺族の悲しみを自分のものとして受け止めていたのだ。
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そこには、数々のスクープと功績には変えがたい人間の物語があった。「あなたの話を書きたいの」と語りかけ、メリーは戦争で苦しむ民間人の個人の物語を聞いていた。他者の悲劇を追体験し、喪失感や葛藤を感じながらも、世界に向けて無数の真実の扉を開けていく行いは、誰もができることではない。戦争に生き、生かされていたそんなメリーの半生と彼女への大きなリスペクトを描いた物語に、多くの人がスリルと感動を得るだろう。

『プライベート・ウォー』

監督:マシュー・ハイネマン
出演:ロザムンド・パイク、ジェイミー・ドーナン、スタンリー・トゥッチ
2019年9月13日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開
©2018 APW Film, LLC. ALL RIGHTS RESERVED

『プライベート・ウォー』公式サイト

Text:Hisamoto Chikaraishi

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