人間臭い探偵コンビこそ
40歳男子が共感できるヒーロー像!

シャーロック・ホームズオタクで漫画喫茶を営むカン・デマンと、広域捜査隊のレジェンドと呼ばれた刑事ノ・テス。かつて未解決の殺人事件を解決するためにコンビとなった2人が、ついに韓国最初の探偵事務所をオープンする。しかし、夢と現実は違った…。なかなか依頼主も現れず、生活費も逼迫し、警察署を訪れ密かに営業をかける始末。そんなある日、待ちに待った最初の依頼人が現れる。しかも、成功報酬は破格の5千万ウォン! 自信満々に仕事を引き受け、サイバー捜査隊のエースだったヨチも巻き込み、捜査に乗り出す。しかし、事件の真相を暴こうとすればするほど、次々と不審な点が見つかり混乱していくのだった…。

前作『探偵なふたり』(2015年)では、趣味である推理に邁進するデマンと、自分の使命である捜査に情熱を燃やすテスが即席のコンビを組み、その凸凹っぷりが笑いを誘い、また一種の友情物語として胸を熱くさせた。そんな2人が、今度は正式なパートナーとしてカムバック。さらに、電脳担当の凄腕ハッカー、ヨチも新たに加わり、ドタバタ感に拍車をかけながらも、より重厚なミステリー作品として成立している。失敗を重ねながらも泥臭い捜査を進め、真犯人を追い詰めていく姿は見応えがあり、終始前のめりで観てしまう。

それに加え、今作では2人の“家では立場が弱いパパ像”をはっきりと描いている。真面目だけど我が道を行くデマンは、子育てを任せっきりの妻に頭が上がらず、仕事人間で私生活では不器用なテスは妻から疎まれ、そっけない態度を取られる。諦めない心で推理を重ねるA面と(報酬の5千万ウォンが原動力かもしれないけど…)、どこか弱さを見せるB面がうまく掛け合わせられているからこそ感情移入ができ、ラストの解決編まで楽しめるのだ。非の打ちどころのないジェームズ・ボンドのようなヒーローもカッコいいけれど、現実の社会で戦う我々40歳男子には、日常でふと隣にいそうなこういったヒーローの方が響くんですよね。

コミカルな演技もいけるイケメン俳優代表、クォン・サンウと、様々なキャラを操るいぶし銀、ソン・ドンイル、そして“アジアのプリンス”と言われ海外でも人気を誇るイ・グァンスの、真剣でちょっぴり抜けた極上の演技にも注目あれ!


『探偵なふたり:リターンズ』

監督:イ・オンヒ
出演:クォン・サンウ、ソン・ドンイル、イ・グァンス
2019年3月16日よりシネマート新宿ほか全国順次公開
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『探偵なふたり:リターンズ』公式サイト

Text:Hisamoto Chikaraishi