愛情一直線男が生理というタブーに切り込む
大切な妻への思いがインド人女性を救う!

インドの小さな村で新婚生活を送るラクシュミは、妻ガヤトリが生理になった時に衝撃の事実を知る。高価なため生理用ナプキンを買おうとしない彼女は、清潔とは言えない古布を使っていたのだ。そこで彼は、愛する妻のために安価で清潔なナプキンを自ら手作りすることを思いつく。しかし、研究とリサーチを重ねていく中で、さまざまな誤解や困難に直面。村中の人から奇異な目で見られ、ついには村を追われるまでに。それでもナプキン作りを諦めない彼の元に一人の女性パリーが現れる。ラクシュミは頼れる協力者と出会ったことで、ナプキン製造と普及を加速させていく。

究極の愛情表現は、相手のために愛を説くことでもお金を費やすことでもなく、時間を使うことだと聞いたことがある。それは、話を聞く、一緒に考える、行動する、そして問題があれば解決する、ということだと思う。いまだにインドでは生理が“穢れ”としてみなされ、タブーとなっている。そんな中、主人公のラクシュミは大切な新妻の健康を心配し、安価で清潔なナプキンを作ることを決意し、自らの半生を費やす。これって、とんでもない愛し方なのではと、ラクシュミの行動を追いながら、終始敬服するばかり(そして働く男なら、その行動力と発想力をぜひ見習いたいと思うだろう!)。

古い慣習にとらわれる妻のガヤトリは、彼の強烈な愛を感じ、応えたいと思いながらも、変人扱いされて村からあぶれる夫を拒絶してしまう。そんな折、都会育ちで社会性に富んだ女性のパリーと知り合ったことで、彼の夢は大きく広がっていく。安価な商品の製造を実現させると、それを売り歩く農村の女性たちの雇用と自立をも生み出したのだ。ラクシュミの妻への愛情表現は、やがてインド全体へと波及し、女性たちを幸せにしていく。愛情は、伝えた相手が受け取ってくれて初めて意味を持つ。ラクシュミの気持ちは、果たしてガヤトリに届くのだろうか。そして、古い慣習が各地に根付くインドにどんな影響を及ぼすのか。本作は、実在の“ナプキン男”=“パッドマン”の人生をモデルにしているというから、なおさら驚くとともに、心を大きく震わされる。


『パッドマン 5億人の女性を救った男』

監督:R.バールキ
出演:アクシャイ・クマール、ソーナム・カプール、ラーディカー・アープテー、アミターブ・バッチャンほか
2018年12月7日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開

『パッドマン 5億人の女性を救った男』公式サイト

Text:Hisamoto Chikaraishi