SNSにあるのは嘘か真か…。
父親が知りたかった娘の姿がここに

デビッドが朝目覚めると、娘のマーゴットから3件の着信が入っていた。昨晩連絡したときは、「今日は友達と徹夜になるかも」とテキストメッセージで返すほどそっけなかったのに…。マーゴットに連絡をしてもいっさい反応がなく、不安だけが募っていく。ついに警察に通報するが、有力な情報はつかめないまま37時間が経とうとしていた。娘の無事を信じるデビッドは、娘のPCにログインし、SNSにアクセスを試みる。インスタグラム、フェイスブック、ツイッターを確認していくと、そこにはいつも明るく活発だったはずのマーゴットとはまるで別人の、自分の知らない娘の姿があった…。

現在、多くの人がスマホやパソコンを持ち、SNSを活用し、自分についての情報を発信している。それらのデバイスを持っていない、SNSをやっていない人ですら、図らずとも誰かのSNSにその存在の痕跡は残されている。良くも悪くもみんながみんな画面を通してお互いを確認し合っているのだ。忽然と姿を消した娘のマーゴットを追跡するために、彼女のSNSに入り込んだデビッドは、画面の中にある彼女の記録を読み、友達と連絡を取るにつれ、真実を見つける。彼女は、クラスに馴染めず一人でランチを取り、ピアノ教室を半年前に勝手に退会し、レッスン料を貯めた2500ドルを何者かに送金していた…。そして少女の行方不明と思われた事件は二転三転し、息をつく暇なく父親のデビッドを、そして観客を翻弄していく。娘がいる40歳男子は観ていて気が気じゃないかもしれない…。

超個人的メディアであるSNSで注目されるのは、主人公である投稿者だが、今作ではそこに見切れて登場する名もない脇役と背景が重要な鍵となる。かつて「匂わせ写真」が話題になったことがあるが(背景や撮影者に恋人の存在を匂わせる写真が見ていてイラつく、など)、今回はそんな“匂い”を見逃してはいけない。何気なく出てくる会話や写真が後半の急展開の伏線となっている構成の妙に、思わず唸るだろう。また、本編は最初から最後までパソコンの画面で展開される。こんなにも見慣れた映像ながら、映画としての斬新さは抜群。罪悪感がありながら覗き見してしまう心理をついた、秀逸なビジュアルで観客をぐいぐいと引っ張っていく。そして、サスペンスフルな物語の末に迎える思いがけないラストに大いに驚愕する。存分にヒヤヒヤしたお父さんなら尚更だ。


『search/サーチ』

監督:アニューシュ・チャガンティ
出演:ジョン・チョー、デブラ・メッシング、ジョセフ・リー、ミシェル・ラー
2018年10月26日より、全国公開

『search/サーチ』公式サイト

Text:Hisamoto Chikaraishi