かつての親友が教えてくれたのは、自分らしく生きる人生の意味

“100エーカーの森”に住む親友のくまのプーや仲間たちと楽しい日々を過ごしていた少年クリストファー・ロビンは大人になっていた。妻のイヴリンと娘のマデリンと共にロンドンで暮らし、 仕事中心の忙しい毎日を送っている。ある日彼は、家族と実家で過ごす予定だった週末に、仕事を任されてしまう。会社から託された難題と家族の問題に悩むクリストファー・ロビン。そんな折、彼の前にかつての親友プーが現れる。プーに「森の仲間たちが見つからない、一緒に探してほしいんだ」と頼まれたクリスファー・ロビンは、子供の頃にプーたちと過ごした“100エーカーの森”へ舞い戻るのだが──。

世代を超えて愛される世界的人気キャラクターの「くまのプーさん」がついに実写映画化。「100歳になっても、きみのことは絶対に忘れない」とクリストファー・ロビンとプーが約束を交わした感動の別れから数十年。大人になったクリストファー・ロビンは、家族を大切に思いながらも、我々40歳男子と同じく毎日働きづめで、どこか疲弊してしまってる。そこに突然、あのプーが現れ、変わらない姿と愛らしさで、親友であるクリストファー・ロビンに大事な探しものの手伝いをお願いする。彼は、プーや森の仲間たちとの再会によって一瞬感動と感傷に浸るが、すぐに頭の中は仕事のことだらけ。「仕事って、ぼくの赤い風船より大事なの?」と、悲しむプーたち。そんな2人のやり取りを観て、誰もが心の声に耳を傾けるだろう。「自分にとって本当に大事なものを忘れていないか」と。

大人になるにつれて経験や知識は増えることで、同時に自分の役割や周りの目にとらわれてしまうことがある。それによって例えば、愛すべき妻や娘のために働いていたはずなのに、がんばりすぎていつの間にか家族との時間が減っている…というジレンマに。現代で働く男性(とくに父親!)は、物語の中で「ただ大好きな人と大切なことをする」という生き方をするプーに、日々のより良い生活を夢想する。いまは失ってしまったピュアなイマジネーションや好奇心を愛する気持ちを再発見して、自分の時間を誰とどう過ごすべきかを見直すことができるに違いない。


ちなみに、プーの声は30年来務めているジム・カミングス(実はティガーの声も)が演じた。その馴染み深く安らかな声を聞くと、癒され、優しい気持ちになれる。


『プーと大人になった僕』

監督:マーク・フォスター
出演:ユアン・マクレガー、ヘイリー・アトウェルほか
2018年9月14日より全国公開
©2018 Disney Enterprises, Inc.
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン

『プーと大人になった僕』公式サイト

Text:Hisamoto Chikaraishi